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    駆ける

    EraiIkiteite

    DONE夜を駆ける夜を駆ける

    寒いなぁ、コータス連れてきて正解だった、と鼻の頭を赤くして笑ったキバナに、カブはこの辺りだけでも温まるから助かるねと返す。ナックルシティの城門から少し離れた場所で並んで立って彼方を見る男が2人。顔を合わせた時はハッピークリスマス、年末までお疲れ様、と言い合った。随分と冷え込むのでカブは分厚いコートにキャンプウェアを合わせている。キバナも同じ。人間たちにはおのおの用事がある日だが、そんなことは野生のポケモンたちには関係の無いことで、だから毎年誰かがこうしてワイルドエリアの巡回に出なければならなかった。一昨年も、去年も、今年も、結果的に同じ面子になったのだが、流石に三年連続なので疑問になってカブはキバナに声を掛けた。
    「キバナくんは、家族と過ごさなくていいのかい?」
    ガラルのクリスマスといえば、家族の時間だといくらカブでも知っている。だからこそ余計に独り身の自分がこの役を買って出るのは当然と思っていたし、代わりにホウエン流の三ヶ日は休ませてもらうようになっている。勿論緊急事態であれば出動もあるが、オフシーズンのジムの仕事は殆どトレーナーたちに任せていた。
    キバナはというと、驚 1455