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    キーホルダー

    aaaaa_oshi

    DONE毎日記憶がリセットされても尚、私の事を忘れないでいてくれた彼女を、お揃いのキーホルダーの鈴が消し去った。まるで海へと沈めるかのように。

    さようなら、さようなら。

    行かないでと嘆くことは貴女の為にはならないと思ったから、声には出さないことにした。

    ※この小説には特殊表現が含まれます。
    ※幸せな🗾🔕がいない。
    ※何か問題があれば削除致します。
    感想等貰えたら嬉しいです🙏
    初めましてをもう一度。何も知らない私を彼女が抱きしめた。もう少しでもう一人を犠牲者にしようとしていた踏み切りには、既に電車が線路沿いに勢いよく通っていた。

    夏がそろそろ終わる。そんな呑気な事を考えれてしまうほどには、私は生きることに執着はしていなかった。
    こうして抱きしめてもらっても尚、記憶は溢れていくのに。こうして彼女の体温を、声を貰っても尚、それは溢れ落ちていくのに。

    分からなかった。彼処からどう打開したらいいか。まず「死ぬ」ということまで考えられなかったから。
    あのまま放置していたら私は消えていた。この夏から、消えていた。そこを彼女は私の為に命を懸けた。
    どうしてだろう。分からない。涙すら出ないのだ、憶えていないから。

    ────恋人だから?
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