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    サイケ

    黒姫です

    DONEちいさいケイ様といっしょ【一日目】
    初めて会った日の出来事。プロローグ的なものなので短い。
    ピンポーン────

    家のチャイムに、動いていた右手が止まる。すると作業に没頭していた脳と身体が急激に疲労を訴えてくる。時計を見ると、作業開始から数時間は経っていた。
    脂肪にまみれた首と肩を回し、凝りをほぐす。
    そうしているうちに二回目のチャイムが鳴り、慌てて腰を上げる。
    「はい」
    『〇〇急便でーす!お届け物です』
    「あ、はい。今行きます」
    はて、何か頼んだだろうかと首を傾げながら玄関に向かう。着払いではないと良いのだが。
    ドアを開けると、筋肉質な30代ほどの男性が、その体格に合わない小さな小包を片手に立っていた。
    「宛名にお間違えないでしょうか?」
    「…はい。あってます」
    「では、ここにサインお願いします」
    ボールペンで名前を書き、返すのと一緒に小包を渡される。
    「ありがとうございます。では失礼します!」
    「あ、お疲れ様です」
    小走りで去っていく足音を聞きながら、ドアを閉める。


    「差出人は……不明…?でも宛先は僕なんだよな…」
    あまりにも怪しい。
    箱を軽く揺らしてみる。ぽふぽふという音がする。異臭がするわけでもない。中身が全く検討もつかない。このまま廃棄した方がいいだろうか。

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