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    瀬名泉

    さいか

    CAN’T MAKE『Knightsの瀬名泉』凛月ちゃんは剣に例えていた。「セッちゃんは折れない剣」なんだって。いつでも気怠そうで人に興味ないような素振りをしているくせに本質とか核心を容易く言葉にしてくるから、のんびりとしたその声にハッとさせられるたび、ああなんだちゃんと見ているんじゃないってアタシはなんだか安心する。そして想像する。きっとその剣は細くしなやかに、一点の曇りもない色で光っている。
    『王さま』は月と言っていた。そう聞いた。月はアンタでしょって泉ちゃんは即座に言い返したのだとか。きっと『王さま』は笑ったのでしょうけれど、泉ちゃんはもっとちゃんとその言葉を聞いてあげなさいってアタシは考える。月。美しさ。儚さ。夜空を見上げればいつもそこにある光。それってアナタが常に欲しがっている言葉なんじゃないのかしら。美の象徴だし、ストレートな愛の言葉にしか聞こえないのだけれど。
    銀色。それが泉ちゃんの色だと思う。ゴージャスで眩い金色じゃないけれど、しんと静かな夜に埋もれずに輝く上品な色。モデルとして、アイドルとして、いつもアタシの歩く先に在った光。導いてくれた、なんて認めるのは少し悔しいからまだ言わないけれど。
    「ねえ、司ちゃんにとっ 863