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    空気な草

    DONE【脹虎】
    転生ネタ。いちゃいちゃとかはありません。
    ※原作に登場しないキャラが少し喋ります。※
    ※色々ご都合なので何でも許せる方向け。※
    最初の愛は私達から かつて呪霊と人間の混血として産まれた男がいた。九人の弟の兄として産まれた男がいた。友のような存在であった女性に『人として生きろ』と言われた男がいた。そしてその言葉通り、多くの闘いを経験した後、愛する末弟と残りの人生を過ごし数十年後に肉体の限界を迎えて死んだ男がいた。
    「いい天気だ、弟達よ!しっかり楽しみつつ、悠仁を見つけるぞ!」
    「「「「「「「「おー!」」」」」」」」
     そんな波乱万丈な人生を駆け抜けた男は今、八人の弟達と共に動物園にいる。何処かで生きているであろう末弟を見つけ出すために。

     脹相は十歳の誕生日を迎えた日にかつての記憶、俗に言う前世の記憶を取り戻した。丁度ケーキに灯った蝋燭の火を吹き消す瞬間だった。『フーッ!』と勢いよく全ての蝋燭の火を吹き消すつもりが、数十年分の記憶、特に色んな意味で愛する末弟悠仁との記憶が蘇ったことにより『ゆうじー!!』と今世の両親からしたら全く身に覚えのない人名を叫びながらの吹き消しとなった。火だけではなく十本の蝋燭本体とケーキの上に飾られていた苺が全て吹き飛んだ。勿論全て残すことなく脹相は食べた。食べ物を粗末にしてはいけないと今世では両親に、前世では悠仁に言われたからである。
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    蟹SUN

    DOODLE悠脹。原作軸だけどみんな無事に成人済みの謎次元。くっつくまでが割と長かったふたり。
    どうも悠仁の家と外とでの飲酒時の様子が違うらしいことが発覚した。一瞬伏黒が出ます。
    悠仁が酒が弱いなんてそんなことある?いや、ない(反語)
    でも、もし脹相の前では少し飲んだだけでゴキゲンになってしまうとしたら……どうする?
    家と外とで、飲酒時の様子が違うらしい 悠仁の声と呼気は、俺のスウェットの腹部に吸い込まれていた。
    「ちょ〜う〜そ〜〜」
     繰り返される少し鼻にかかったその呼びかけに、毎度律儀に返事をする。
    「なんだ?」
    「んー。なんでもない。呼んだだけ」
     悠仁は帰宅してからずっとこの調子だった。
     俺がリビングのソファでくつろいでいたところへ膝枕を要求し、ひとしきり堪能した後、流れるように腰へ抱き着いていたのだった。
    「いーいにおい」
     悠仁は緩みきった顔でにへらと笑い、肺いっぱいに酸素を取り込むように深く呼吸をした。いつも以上に高い体温が俺の身体に纏わりつく。
     見ての通りと言うべきか、今悠仁の口から吐き出される呼気は酒気を帯びていた。
     夕方に連絡があったが、今日は任務終わりの術師同士で突発的な飲み会があったそうだ。悠仁はベロベロというふうに見える。時間も早いし、この様子だときっと二次会の前に帰されたのだろう。
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