Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    D1

    kaoru

    DONE【28】Phase XX
    保健室の先生・仁王×仁王のいる学校の校医・柳生というパロディ。
    まだ付き合ってないふたりの攻防(というか仁王が一方的にアプローチしてるだけ)
    テニラビの白衣D1を見てほぼ一日で突貫で書いた話。いろいろツッコミどころはあると思いますが、さらっと読んでいただければ。
    ※べったー2021.4.16から移行
    【28】Phase XX「ちょ、ちょっと仁王先生、何を……わっ……!」
     仁王は保健室に並んだベッドに向かって柳生の手を引き、ドンとその胸を押した。その反動で柳生はベッドに倒れ込む。
     仁王が無駄のない動作でベッドとベッドを仕切るカーテンをシュッと引くと、四方を壁と水色のカーテンで仕切られた狭いベッドはふたりだけの世界になった。
     呆気に取られて一瞬動作が遅れた柳生が逃げるより先に、仁王はひらりとベッドに飛び乗って柳生に覆いかぶさる。白いシーツのベッドに、柳生の着ている白衣がふわりと広がって、同じく仁王が着ている白衣も、柳生を包み込むように広がった。
     首元までボタンのしめられた柳生のシャツに、ブランド物のシンプルな柄のネクタイが紅く映えていた。きっちりと結ばれたそのネクタイに指をかけて引くと、上質の布でできたそれはしゅる、と微かな音を立てて解けた。
    7656

    As4Ln

    DONEオスブラ ワンドロお題「雨」
    #ob1d1w


    もう忘れかけていた出来事があった。
    路上でその日暮らしをしていた時のことだ。廃棄された食品を投棄ステーションから漁り、生きる意味も見いだせないでいたが死ぬ理由も特にない。ただ食べられるものを見つけては寒さを凌ぐだけの毎日を送っていた。
    だが雨の日だけはそうもいかなかった。
    雨に濡れた身体は一層冷えて酷い時は身体のあちこちが悲鳴をあげる。誰が助けてくれるでもなくもがいて苦しむ様は幼いながらにもその姿はさぞ惨めに人の目に映るだろう。
    街では時々ヒーローの姿を目にする。
    この街に資源をもたらすサブスタンスの回収とその資源の根源を奪い合う者達から市民を守るために活動している、というのをどこかで聞いたことがある。
    生まれた時から家はおろか家族もいない彼にとってはどことなく遠い話のように聞こえた。
    その時の暮らしを嫌だと思ったことはない。最初からそうだったのだから。

    その生活にとてもささやかな出来事があった。
    いつも住処の一つとしていた路地に一枚のポスターが貼られていた。昨日までなかったので今日新しく貼られたものだ。
    どうやらヒーローのポスターらしい。右下にサインをあしらった印刷がされてい 904