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    旅人

    hetarekoala3

    PROGRESS自称ジャーナリストの旅人・ラムレスが、ひょんなことからレインコートを着た不気味な子どもと出会う。
    「ひとを、探してるの」
    「……そんで、誰を探してほしいんだ?」
    「このこ」
    指差したのは、自身の顔。果たしてラムレスと子どもは、子どもの『そっくりさん』を見つけることが出来るのか。そもそも、この子どもは誰なのだろうか。放置する訳にもいかず、ラムレスはこの『人探し』を手伝うことになる。っていう話の冒頭
    【新聞記者とかげほうし】(仮タイトル)1
    しとどに濡れる街の中。傘を忘れた一人の男が、屋根を探して走っている。
    年齢は二十代前半。薄茶のシャツに紺のズボン、ぼろきれのようなコートを羽織っている。貴重品を入れているのだろうか、革製の丈夫なリュックを庇うように抱いていた。
    ふと声をかけられる。見ると、街頭の一角に灯った明かりの中から、店員らしき人物が男を呼んでいた。走る様子を見ていたのか、手にバスタオルを持っている。
    男は会釈してタオルを受け取り、ぽんぽんと身体中の水分を拭っていく。雨に潰れた帽子からは、薄い紫色の髪がこぼれていた。
    「やー参った参った、びしょ濡れだ。宿を探す前だってのに」
    つばを上げ、男は店員にウィンクする。
    その目は深く鋭い、夜空の色をしていた。
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    ていえん

    DONE本編ネタバレ&命名時の捏造&捏造
    名付けに衝撃を受けて書き殴り。
    旅人(空)に対して感情重めの放浪者です。
    カプ要素なし(たぶん)、新しい名前は伏せ字「―――」
    知らず知らず期待していた放浪者の話名前は人生で最初の贈り物。
    馬鹿らしい。それは人間のためのものであり、人形に名前なんて本来不要だ。呼び名があれば呼びやすい、身分が分かる、ただそれだけのものじゃないか。

    だから『散兵』という名を捨てさえできれば誰に名を付けられた所で気にすることもない。そのはずだ。仮に僕に名を与えると言うのなら草神だろうが白い浮遊物だろうが、異世界の旅人だろうが誰でも構わない。

    旅人の命名を黙って待つ。
    適当なものが思いつかずに相当悩んでいるようだ。僕の名前ひとつでそんなに頭を悩ませる理由が彼にあるのか?

    敵対していた。僕は旅人の大切な人々を間接的あるいは直接的に貶めたし、旅人のことも本気で殺そうとした。世界樹への干渉によりそれらは“今”の歴史的に言えば僕の行いではなくなったけれど、罪は罪。過去は全て僕の中にある。旅人も僕を警戒し、決して心を許してなどいなければ仲間だとも考えていないだろう。当然だ。そうあるべきだ。ここで簡単に絆されるような人間なら、とっくの昔に他人に騙されて寝首を搔かれていただろう。
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