水無月に一日一茂島梅雨入りしたという知らせが入った。斎藤茂吉は雨が降り注ぐ外に視線を向ける。
「入梅だな」入梅は梅雨入りをしたという意味だ。
梅雨が来る前に対策をうっておいたので、心配はない。
「買い物に行ってくる」
「買ってきてほしいものはある？」
医務室にいると島田清次郎と小川未明が来た。
彼等はこれから買い物に出かけるらしい。
「私も行こう」
買ってきてほしいものはと未明に聞かれたが、茂吉は二人についていくことにした。
雨が躍る外に三人で出る。
「かっこいい和傘があったし使用許可ももらったのでこれで行く」
「なくしちゃだめだからね。凄く高いものだから」
清次郎は青色の和傘を差していた。未明は黄色い傘をさしている。茂吉もあった紫色の和傘をさした。

水無月に一日一茂島　1～10日め「水無月がやってきてしまったな……」
六月一日、島田清次郎は黄昏ていた。気が付いたら六月になってしまっていたのだ。そんな彼の背後に気配がする。
「島田君、体調が悪いのか？」
「悪くはない。健康だ……手のそれは『くま』だな」
「君をピコピコハンマーでたたこうとしていたので止めた」
『朝っぱらから黄昏るな』
心配をしてくれていたのは斎藤茂吉で、彼が首根っこを掴んでいるのは黒くて大きなテディベア、彼等がいる帝国図書館分館の管理人の一人である『くま』である。
「師走が来たと想っていたら、水無月だ……光の速さだなとなっていただけだ」
「君と大晦日や正月に旅行をしたのがつい最近のようだ」
「それを引っ張り出すな！」
「嫌だったのか？」

CoC 「やさしい世界と呼吸法」 ネタバレ有り感想KPCは確かにニコニコして付いてくるだけで核心的なことを何も言わないし冒頭で「二人で行動するのでDEX-2」とか言われるし不自然だとは思ってたけどまさか幻覚とは…あらゆるところに伏線張り巡らされてて面白かったです。ロスト率明記なしって言われてSAN値40でもなんとかなるやろって思ってたらバキバキに削られて笑った。不定持ち帰るつもりはあったけど正気度一桁の大台に乗るとは思わなかった。エンドについてだけど流石に大に神様にならせるなんて無理よ…カッコつけて自己犠牲でもされたら耐えられないよ…大目線氷にはニャルになって欲しくないだろうけどそこは譲れない。たとえ体や精神がニャルラトホテプになっても意地で人間のフリして生きて人間として死んだら自殺してやる。どうなろうが大好きな大と一緒に人間として生きて人間として終わりたい。そんな感じです。窓に関する描写がないのは気づきたかったかも。なんか前回の初恋性といいフレーバーで振ったダイスでファンブルすんのほんとおもろい。序盤真っ赤だったチャットログが終盤には真っ青になったのは揺り戻し感じれてちょっと感動。ちなみに水永氷と木本大のネーミングは我ながら気に入ってる。二人で幸せに過ごせる「やさしい世界」のためにどうすればいいのか考ええるのが楽しかったです。ありがとうございました！

一宮 康
23歳。菜子の弟。姉とは違いあまり愛想が良くない。そのためヒステリック気味の母に暴力を振るわれていた。
父親はそんな母に愛想をつかし離婚。康は父に引き取られた。
離婚してしまったのも、菜子が無理をして笑っているのも自分のせいだと思い引きこもりになってた。
父はそんな康を心配していたし、無理に外に出なくてもいいから、少しづつまた自分や他の人にも馴染んでいってほしいと思いながら見守ってた。
父親は普通の人。
引きこもり中、電子小説で黒ノ瀬空くんの小説をみつけ、数年ぶりに、外に出たい。この人に会いたいと思い行動に移した。アシスタントになることに成功。先生のためにどんな事でもやりたい。頑張りたいと思ってる。

裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















　勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
　いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。