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    REHABILIturn off day /// 演目二次(怪盗コンビ)呼び鈴は使わず、ノックを3回。
    開かれた扉から顔をだした男の頬にはガーゼが貼られていて、眉あたりには斬られた跡も見える。思わずゴーストを見たかのように一歩後ずさってしまった。自然と長いため息が出る。
    「アンタ……またか」

    俺の相棒は、つくづく女運が悪い。
    良縁をわざと選んでいないようにさえ見える。
    それならいっそ説明がつきそうなものだが、口を開けば大体こいつの言動が原因なのでいつからか取り合うのをやめた。
    扉を閉めていると「そういう君は昨晩お楽しみだったようで」と声がかかる。
    「フッ、そうだな。一晩中離してもらえなかったよ」
    石の床を歩み、リビングのソファに腰かけた彼へとディスクを渡す。
    今時のコンピュータでは読み込めないだろう形状をした薄いカード型のそれも、この部屋にある機器では読み取れる。扱うデータが軽いならば物理的な工作もまたひとつの策と言えた。
    昨晩していたランデヴー――相手は無機物、次のターゲットの建物にある防犯ビデオのログなので温もりのひとつもない――の成果は、カルヴァンの親指と人差し指の間でひらひらと動く。
    「見ないのか?」
    「うーん、今日はよそうかな」
    「なんだと」
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