Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    セクハラ

    @t_utumiiiii

    DOODLEエミリー先生にリースを編むためにミモザを取ってきたウッズさんにダル絡みしたら花を分けてもらえたピアソンさんが浮かれてる現場に遭遇したフレディ・ライリーの二次です(泥庭+弁) ※セクハラ/強めの言葉の描写
    mimosa(泥庭+弁護士) 黄色く細かい綿埃めいた花が、しなだれるような枝先に向かっていくつもの連なっているそれには、ミモザという名があるそうだ。ピアソンにとっては、敢えて注目したこともない花だった。とはいえ、ミモザは都市の生活環境のなかではいたって身近な植物であり、日当たりのいい屋敷の南側の生垣や、こじんまりとして感じのいい庭の入口の門などに覆いかぶさるように生えて、春先には黄色く感じの良い花をつける。単純にそれらが、およそ都市の貧民街の中にすっぽりと納まっている、ピアソンの生活半径の内側に存在しなかった、というだけのことだった。
     あんたがよく手入れをしている例の中庭にそれが生えているのを見たことはない、などとピアソンが言ってみると、ミモザの花のついた嵩張る枝葉を腕に一抱えするほど持ちながら屋敷の廊下を歩いていたところで呼び止められていたエマは、僅かに面倒臭そうに、しかし、あからさまに皺を寄せたと見咎められない程度に眉頭を寄せながら、「……裏の林に生えているのよ」と言った。未だ姿を見せることのない荘園主の手紙によってほうぼうから呼び寄せられ、その後荘園に閉じ込められた招待客(サバイバー)らが仕方なく共同生活を送っている屋敷の裏手に、鬱蒼と広がっている林のことだ(定期的にそこから荘園の外へ脱出できないかを試す連中が現れるが、成功したという話はひとつも聞いたことがない)。
    4633