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    ハゲ

    hiro16jbsssm

    DONEオバキルゲーム中の先生の思考の覚え書きと、その後のSS的な物
    兄への好感度と価値観からして、先生が先にししさん気に入ったよなという話
    ししさめ前提ですが、健全です
    ※原作巻末絵ではゲーム後お泊りした感が有りますが、帰宅したお話です
    騒々しい子狐との出会いについて 今となってはお人好しで世話焼きのマヌケと評するしかない男への第一印象は「騒がしい男だな」という一点だった。
     パーティーと偽って呼び出された賭場に私と同じく真経津の被害者として現れたCCの宛先らしき男は、何某か真経津に対して悪態を吐いている様子や表情からして立派な体格に見合って声も大きく煩そうだ、というのがまず最初に思ったことだからだ。
     となれば、まだ耳が聞こえないのは幸いだったなと考えていた矢先、こちらに向けられた視線と苛立ちの感情に対して短く問い掛けの形で答えると、思わぬ反応を返された。
     竦みそうな恐怖と動揺を隠して不遜な面持ちで受け答え、興が冷めたとばかりに視線を外し再び真経津に絡みながらも、潮が引くかのように失せた憤りの感情と入れ替わりに目線や口元や仕草の端々に滲む昂揚や好奇心を伺い見て、初めておや、と彼に幾許かの関心を持った。
    12008

    yakumo

    PROGRESS今書いてるゲドジャ文の冒頭。割とじめっとしている。死についての話ですが死ネタではない。
    シンダルの遺跡後の話でいわゆる記憶喪失ネタです。冒頭なのでまだ記憶あるけど。
    現在の話と過去回想が入り混じりますがCPを意識してるのはゲドジャだけ。でもいちゃいちゃはしてません。
    無題 湖から吹き付ける湿った風の匂いに紛れて、独特の刺激臭が鼻をついた。
     酒の匂いだ、とすぐに気が付いたのはジャックがそれをあまり好まないからだ。苦手なものに対する人間の嗅覚は敏感であり、好ましくないからこそ無意識にそれを避けるための警戒心が働くものだった。そうでなくともジャックの鼻は利く。仲間達と行動するようになって身近なものになったその香りを間違えるなどということはなかった。
     目に見えないものに誘われるようにジャックは船の甲板に上がる階段に足をかける。段を登った先には、遥かに広がる闇夜を背景に一つの影が立っていた。
    「――隊長」
    「……ジャックか」
     声をかけると、酒瓶を片手に、船縁に手をかけていた影――ゲドの黒い瞳がこちらを見た。月が雲の向こうに隠された闇の中で、男の瞳はなおいっそう深深と暗い色を湛えている。見つめていると吸い込まれてしまいそうだ、と幾度となく思った事があったが、ジャックはその男の、まるで黒曜を思わせるような瞳を好ましく思っていた。
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