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    ロイド

    kazu_9106ko

    MOURNING当初書いていた深淵。こっちだともう少し元ネタというか、着想を得たきっかけが分かりやすいかなと。ストーリーの流れも、もう少し元ネタに似せる予定でした。でも、読む人にもフロイドの「思い」を最後まで分からないようにしたかったので、最終的にあの形になりました。多分こっちのバージョンはもう続きは書けないと思うのでここに供養します。
    ⚠暴力表現あり
    深淵IF? ゴーン、ゴーン、と教会の鐘が鳴り響く。
     どこまでも青く晴れた空が、まるで王国に住まう人々と共に祝福を与えているかのよう。
    「オクタヴィネル王国、万歳!!」
    「国王陛下、万歳!!」
    「王子様、お誕生おめでとうございます!」
     いつもは賑わっている市場には人の影はなく、代わりにオクタヴィネル王国中央部、国王の住まう王宮の周囲を、国民たちが取り囲んでいた。
     オクタヴィネル王国は周囲を海に囲まれた、海洋国家。
     円を描くような地形に合わせ、外側から貧困層、中央に向かうにつれて富裕層へと変化していき、そして国の中央部に王宮がそびえ立っている。
     その王宮。人々が歓声を上げ、口々に万歳、万歳、と叫ぶ中、バルコニーに、国王と、女王、そして、女王の腕に抱きかかえられた、小さな命。
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