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    終末

    barechun

    MOURNINGピクシブの『青を刻む』の後、古代の終末を退けてヘルメスとメーティオンを原初世界に連れてきて一緒に暮らしてるヒカセンルートの話。
    あなたの全てを焼き付けたい「君の魂の色が見てみたい、など思ったんだ」

     それは、肉体の持つ固有のエーテル色を判別する方法があるならば、魂の色を測定する方法もあるのでは、と思い立ったが故の言葉だった。
     三人で暮らす家のリビング、革張りのソファの上で二人でくつろいでいる最中の事だった。ヘルメスは無骨な自身の手をコレーの小さな手に絡ませて眼を細める。

    「……ヘルメスには、みないでほしいかなぁ」

     困ったようにはにかむコレーにヘルメスは言葉を詰まらせた。自分に魂を視られるのは嫌なのだと。けれどもそうではなくて。

    「魂が視えたら、あの人に似てるって思われるかもしれないから……あなたには、そんなふうに言われたくない、なって、」

     彼女の耳が垂れた。彼女が、アゼムと自身の違いに複雑な想いを抱いているのは知っていた。二人は元の魂を同じくする人間であるから、その部分を見れば確かに相似するのだ。しかし、アゼムはアゼムとして生きて、彼女は彼女として生まれて生きてきた。決して同一ではない。そして、自分はアゼムではなくてコレーだからそう在りたいのだと吐露された日を思い出す。
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    DINT_94DR

    DOODLEフォロワーの誕プレ!載せていいよと言われたので単体で……
    お試し終末世界ドラロナ。ナチュラルに恋仲同士です。
    明日世界が終わるなら「ねえ、明日世界が終わるなら、何がしたい?」

     ありきたりな質問だとは思った。無人島にひとつなにか持っていくなら〜とか、100万円手にしたなら〜とか、そういった類の。現実的ではない話に、正解など存在しない。だが、目の前の享楽主義者はそんな答えなど求めてないのだろう。ふと、付き合ってやることにする。

    「急に言われても思いつかないけど、でもまあ、いつも通りすごすんじゃねえの?」
    「んー、ちがうよ、そうじゃなくって。君の願望が聞きたいの。あるだろ、童貞卒業! とか」
    「それを俺が言っててめえは喜ぶのか?」
    「悲しみと怒りとその他諸々の真っ黒な感情で死にます」
    「アホのひと?」

     既に想像して死にかけてるアホは放っておく。ともあれやりたいこと、か。そもそも自分に何かを施す、だとか自分のために何かをする考えることが苦手な俺に聞くものでもない気はする。きっと面白い回答はできないし、それこそありきたりな答えしか導き出せない。頭に浮かんだソレを素直に伝えるのも、なんだか小っ恥ずかしいものであった。
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