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    #ライジャン

    laijun

    1000kobari

    DONE初めてライジャン書いてみました。
    本編軸。時系列としては、トロスト区攻防戦(マルコ死亡)後〜第57回壁外調査(初・女型の巨人戦)前と4年後とをライナーのモノローグで行ったり来たりという感じのお話です。
    致してる場面がありますが直接的描写はないので全年齢扱いとしています。
    いつかの夜、グレイプニルが解けるまで ――手だ。声をかけたのはそれが理由だった。
     あれは、いつの事だったか。記憶が朧気なのは、すでに余程の昔になっているということなのか。それともこの身を巨きく変えた弊害が今更になって表れたのか、はたまた無意識に〝分裂先に移動していた〟からか。
     いずれにせよ。ちらつく明かりを受け輪郭を際立たせたその手だけは、ひどく印象に残っていた。付随してぱちぱちと小さな破裂音が耳を訪れる。この世に音とはそれしかないと勘違いできそうなくらい、その場が静かなことを意外に思った気がする。
     ああ、火だ。火を、焚いていた。
     夜だ。そう、夜だった。いつだかの、遠い夜の出来事。
     影を揺らし空間に浮かび上がる細く長い指は、その下の骨の形を見るに女のものではない。手首の方へ視線は一度下り、肘の部分で折り返して肩へと向かう。その際に盾と交差する翼のエンブレムが過ぎった。
    10014

    aYa62AOT

    DONE美味しいチョコありがとうございました。
    ハピエン厨ですびばぜん!!!
    ライナーへチョコを渡せなかったジャンの話 ジャンはもう30分右へ左へウロウロとショッピングモールのチョコ売り場の前を行ったり来たり繰り返している、ここ数日売り場の前を行ったり来たりしては帰るばかりだったものの流石に今日は買わなければと意を決したようにジャンは漸く、売り場の中へと足を踏み入れる。
     友チョコ、なんてものがあるとは言えやはり居心地は悪い、しかし手近にあるチョコを買って帰る事はせずにしっかりチョコを吟味する辺りにジャンの生真面目さやプレゼントする相手への気持ちの強さが窺えた。
    「——よし、これだ」
     売り場に入ってから少しばかり急ぎ足で一周ぐるりと回って決めたビターテイストのトリュフチョコの詰め合わせを手に取る、黒に金字で文字の書かれたシンプルでシックな包装紙はきっと幾つも可愛らしいチョコを貰うであろう相手の目を引くはずだ。なんて打算的なことも思いながらジャンはレジへと向かう。支払いの間はやっぱり気恥しさから俯きマフラーへ口元を埋めながらボソボソと返事をして足早に店を出る、駆け足に売り場から何十メートルか離れたところで漸くジャンはホッと息を吐き出す。
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