Shimoyake_eee_
DONE※百々人の喫煙表現があります同棲を始めてから、百々人が喫煙者であることを知った秀の話
季節外れな夏の話です
知らない横顔/百々秀 ※百々人の喫煙表現
季節は本格的な夏を迎えた。耳をつんざく様な蝉の声に、ジリジリと刺すような日差し。一歩外に出ると溶けてしまいそうになる暑さに、俺はエアコンの効いた室内で、ソファの上に横になっていた。室内にいても、蝉の声を聞いているだけでなんだか熱くなってくる。今日も体温並みの気温だとか、先ほどテレビでも言っていたし、今日は出かける用事がなくてよかった。
「ちょっと、外出てくるね」
俺のいるソファの近く、リビングに敷いたラグの上に座っていた百々人先輩はそう言って、腰を上げた。こんな暑い日にどこに出かけるんだ? そう思いながら先輩の方に目を向けると、彼の左手には緑色の小さな電子端末の様なものが握られていた。
1840季節は本格的な夏を迎えた。耳をつんざく様な蝉の声に、ジリジリと刺すような日差し。一歩外に出ると溶けてしまいそうになる暑さに、俺はエアコンの効いた室内で、ソファの上に横になっていた。室内にいても、蝉の声を聞いているだけでなんだか熱くなってくる。今日も体温並みの気温だとか、先ほどテレビでも言っていたし、今日は出かける用事がなくてよかった。
「ちょっと、外出てくるね」
俺のいるソファの近く、リビングに敷いたラグの上に座っていた百々人先輩はそう言って、腰を上げた。こんな暑い日にどこに出かけるんだ? そう思いながら先輩の方に目を向けると、彼の左手には緑色の小さな電子端末の様なものが握られていた。
Shimoyake_eee_
DONE交際中なのに、復縁を求めてくる元恋人のような電話をしてくる百々人と、そんな百々人のおふざけに少し振り回されてしまう秀の話。復縁ごっこ/百々秀 時刻は午後九時を過ぎたところ。リビングの方からは、テレビを見ながら談笑をしている祖父母の楽しげな声が聞こえてくる。
明日は学校も仕事も休みだ。今日は夜更かしをしても問題はない。先日から始まったソシャゲの期間限定イベントに参加するべく、秀はベッドの上に置いてあったスマホを手に手を伸ばした。その瞬間、画面が急に明るくなり、軽快な着信音と共に、バイブ音が静まり返った室内に響いた。
「うわっ! びっくりした……」
突然の出来事に秀は思わず大きな独り言を漏らし、小さく跳ねた心臓に手を当てる。画面を覗き込むと「百々人先輩」の文字が表示されていた。
「はい、もしもし」
『あっ、しゅーくん。久しぶりだね……、急に電話しちゃってごめんね』
3210明日は学校も仕事も休みだ。今日は夜更かしをしても問題はない。先日から始まったソシャゲの期間限定イベントに参加するべく、秀はベッドの上に置いてあったスマホを手に手を伸ばした。その瞬間、画面が急に明るくなり、軽快な着信音と共に、バイブ音が静まり返った室内に響いた。
「うわっ! びっくりした……」
突然の出来事に秀は思わず大きな独り言を漏らし、小さく跳ねた心臓に手を当てる。画面を覗き込むと「百々人先輩」の文字が表示されていた。
「はい、もしもし」
『あっ、しゅーくん。久しぶりだね……、急に電話しちゃってごめんね』
Kisakibear
MAIKING百々秀短編。特殊設定で百々人が吸血鬼です(微ホラーかもしれんべったーで読む人はこっち→ https://privatter.net/p/9926644
「吸血鬼は同じ人間の血を二度吸ってはいけない」
今は昔、吸血鬼が人々に恐れられていたらしい頃の古い古い掟。食卓に置かれた真っ赤なスープに映る生気のない自分の顔を見ながら、百々人はなぜかそんなことを思い出した。
母親にどんなに急かされても「それ」を美味しそうには思えない。黙っているとしばらくして、母親はため息をついた。失望の目を向けながら、口を開く。
「あなたはスポーツも勉強も……、「これ」もダメなのね」
■
とある日、秀は談話室で学校で配られたらしいプリントをめくっていて、百々人はその向かいに座ってぼんやりと、Pとの打ち合わせの時間を待っていた。痛っ、という声で秀に目を向けると彼は自身の人差し指を見つめていて、その指の腹に走った赤い線がじんわりと太くなる。
1421今は昔、吸血鬼が人々に恐れられていたらしい頃の古い古い掟。食卓に置かれた真っ赤なスープに映る生気のない自分の顔を見ながら、百々人はなぜかそんなことを思い出した。
母親にどんなに急かされても「それ」を美味しそうには思えない。黙っているとしばらくして、母親はため息をついた。失望の目を向けながら、口を開く。
「あなたはスポーツも勉強も……、「これ」もダメなのね」
■
とある日、秀は談話室で学校で配られたらしいプリントをめくっていて、百々人はその向かいに座ってぼんやりと、Pとの打ち合わせの時間を待っていた。痛っ、という声で秀に目を向けると彼は自身の人差し指を見つめていて、その指の腹に走った赤い線がじんわりと太くなる。
Kisakibear
DONE読み聞かせする(される)百々秀。めっちゃ前ですがhttps://poipiku.com/939216/7823176.html を漫画版に清書しました2023/9/7:前半部分追加 4枚目は投稿時のものです 4
onsen
DONE百々秀百々秀未満の百々人と天峰の話です。自己解釈全開なのでご注意ください。
トラブルでロケ先にふたりで泊まることになった百々人と天峰。
初出2022/2/17 支部
夜更けの旋律 大した力もないこの腕でさえ、今ならへし折ることができるんじゃないか。だらりと下がった猫のような口元。穏やかな呼吸。手のひらから伝わる、彼の音楽みたいに力強くリズムを刻む、脈。深い眠りの中にいる彼を見ていて、そんな衝動に襲われた。
湧き上がるそれに、指先が震える。けれど、その震えが首筋に伝わってもなお、瞼一つ動かしもせず、それどころか他人の体温にか、ゆっくりと上がる口角。
これから革命者になるはずの少年を、もしもこの手にかけたなら、「世界で一番」悪い子ぐらいにならなれるのだろうか。
欲しいものを何ひとつ掴めたことのないこの指が、彼の喉元へと伸びていく。
その日は珍しく、天峰とふたりきりの帰途だった。プロデューサーはもふもふえんの地方ライブに付き添い、眉見は地方ロケが終わるとすぐに新幹線に飛び乗り、今頃はどこかの番組のひな壇の上、爪痕を残すチャンスを窺っているはずだ。日頃の素行の賜物、22時におうちに帰れる時間の新幹線までならおふたりで遊んできても良いですよ! と言われた百々人と天峰は、高校生の胃袋でもって名物をいろいろと食べ歩き、いろんなアイドルが頻繁に行く場所だからもう持ってるかもしれないな、と思いながらも、プロデューサーのためにお土産を買った。きっと仕事柄、ボールペンならいくらあっても困らないはずだ。チャームがついているものは、捨てにくそうだし。隣で天峰は家族のためにだろうか、袋ごと温めれば食べられる煮物の類が入った紙袋を持ってほくほくした顔をしていた。
6475湧き上がるそれに、指先が震える。けれど、その震えが首筋に伝わってもなお、瞼一つ動かしもせず、それどころか他人の体温にか、ゆっくりと上がる口角。
これから革命者になるはずの少年を、もしもこの手にかけたなら、「世界で一番」悪い子ぐらいにならなれるのだろうか。
欲しいものを何ひとつ掴めたことのないこの指が、彼の喉元へと伸びていく。
その日は珍しく、天峰とふたりきりの帰途だった。プロデューサーはもふもふえんの地方ライブに付き添い、眉見は地方ロケが終わるとすぐに新幹線に飛び乗り、今頃はどこかの番組のひな壇の上、爪痕を残すチャンスを窺っているはずだ。日頃の素行の賜物、22時におうちに帰れる時間の新幹線までならおふたりで遊んできても良いですよ! と言われた百々人と天峰は、高校生の胃袋でもって名物をいろいろと食べ歩き、いろんなアイドルが頻繁に行く場所だからもう持ってるかもしれないな、と思いながらも、プロデューサーのためにお土産を買った。きっと仕事柄、ボールペンならいくらあっても困らないはずだ。チャームがついているものは、捨てにくそうだし。隣で天峰は家族のためにだろうか、袋ごと温めれば食べられる煮物の類が入った紙袋を持ってほくほくした顔をしていた。
ichica0504
DOODLEなんでもない日の百々秀。あと何年後かのお互いの家を行き来する百々秀とか。まだなんもわかっていない時に書いたので後で書き直したい。
無題自分を天才と称して憚らず、その言葉通りに才能を発揮するキミがとてもとても眩しかった。それは僕が欲しくてたまらず、手に入れられなかったものだから。
時折その自信が揺らぐのを知っている。それでも、ファンの前でカメラの前で僕らの前で、溢れんばかりの光の中で得意そうに笑う顔を見て、僕は。
寝苦しさを感じてうっすらと目を開く。見えたのは見知った天井。仕事を終えて早めに帰宅し、疲れからソファで仮眠を取っていたのだ。
ずいぶん懐かしい夢を見たな、と思う。
まだ結成したてで右も左もわからなかった頃の夢だ。それをもう懐かしいと思えるくらいにはあの頃から時間が過ぎている。
それにしても、なんだか体が重くてだるい。
なんとなく原因に当たりをつけながら少し視線を落とすと、そこに綺麗な青みがかった髪が見えた。
2198時折その自信が揺らぐのを知っている。それでも、ファンの前でカメラの前で僕らの前で、溢れんばかりの光の中で得意そうに笑う顔を見て、僕は。
寝苦しさを感じてうっすらと目を開く。見えたのは見知った天井。仕事を終えて早めに帰宅し、疲れからソファで仮眠を取っていたのだ。
ずいぶん懐かしい夢を見たな、と思う。
まだ結成したてで右も左もわからなかった頃の夢だ。それをもう懐かしいと思えるくらいにはあの頃から時間が過ぎている。
それにしても、なんだか体が重くてだるい。
なんとなく原因に当たりをつけながら少し視線を落とすと、そこに綺麗な青みがかった髪が見えた。