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    onsen

    @invizm

    まれに文字を書くオタク。

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    onsen

    DONEクラファ仲良し
    クラファの3人が無人島で遭難する夢を見る話です。
    夢オチです(超重要)。
    元ネタは中の人ラジオの選挙演説です。
    「最終的に食料にされると思った…」「生き延びるのは大切だからな」のやりとりが元ネタのシーンがあります(夢ですが)。なんでも許せる方向けで自己責任でお願いします。

    初出 2022/5/6 支部
    ひとりぼっちの夢の話と、僕らみんなのほんとの話 --これは、夢の話。

    「ねえ、鋭心先輩」
     ぼやけた視界に見えるのは、鋭心先輩の赤い髪。もう、手も足も動かない。ここは南の島のはずなのに、多分きっとひどく寒くて、お腹が空いて、赤黒くなった脚が痛い。声だけはしっかり出た。
    「なんだ、秀」
     ぎゅっと手を握ってくれたけれど、それを握り返すことができない。それができたらきっと、助かる気がするのに。これはもう、助かることのできない世界なんだなとわかった。
     鋭心先輩とふたり、無人島にいた。百々人先輩は東京にいる。ふたりで協力して生き延びようと誓った。
     俺はこの島に超能力を持ってきた。魚を獲り、木を切り倒し、知識を寄せ合って食べられる植物を集め、雨風を凌げる小屋を建てた。よくわからない海洋生物も食べた。頭部の発熱器官は鍋を温めるのに使えた。俺たちなら当然生き延びられると励ましあった。だけど。
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    onsen

    DONE百々秀

    百々秀未満の百々人と天峰の話です。自己解釈全開なのでご注意ください。
    トラブルでロケ先にふたりで泊まることになった百々人と天峰。

    初出2022/2/17 支部
    夜更けの旋律 大した力もないこの腕でさえ、今ならへし折ることができるんじゃないか。だらりと下がった猫のような口元。穏やかな呼吸。手のひらから伝わる、彼の音楽みたいに力強くリズムを刻む、脈。深い眠りの中にいる彼を見ていて、そんな衝動に襲われた。
     湧き上がるそれに、指先が震える。けれど、その震えが首筋に伝わってもなお、瞼一つ動かしもせず、それどころか他人の体温にか、ゆっくりと上がる口角。
     これから革命者になるはずの少年を、もしもこの手にかけたなら、「世界で一番」悪い子ぐらいにならなれるのだろうか。
     欲しいものを何ひとつ掴めたことのないこの指が、彼の喉元へと伸びていく。

     その日は珍しく、天峰とふたりきりの帰途だった。プロデューサーはもふもふえんの地方ライブに付き添い、眉見は地方ロケが終わるとすぐに新幹線に飛び乗り、今頃はどこかの番組のひな壇の上、爪痕を残すチャンスを窺っているはずだ。日頃の素行の賜物、22時におうちに帰れる時間の新幹線までならおふたりで遊んできても良いですよ! と言われた百々人と天峰は、高校生の胃袋でもって名物をいろいろと食べ歩き、いろんなアイドルが頻繁に行く場所だからもう持ってるかもしれないな、と思いながらも、プロデューサーのためにお土産を買った。きっと仕事柄、ボールペンならいくらあっても困らないはずだ。チャームがついているものは、捨てにくそうだし。隣で天峰は家族のためにだろうか、袋ごと温めれば食べられる煮物の類が入った紙袋を持ってほくほくした顔をしていた。
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    onsen

    DONE翼薫
    グラブルコラボネタ。お空にいる間に恋仲になっていた翼と薫が戻ってきてからの話です。ちょこっとプロデューサー喋ります。

    初出 2015/11/7 支部
    その空隙を埋めるもの 桜庭薫の様子が最近おかしい。
     いつからかと聞かれれば天道輝ははっきり断言するだろう。先日の海外ロケの途中からだ。
     仕事に支障を来すようなことはなにもない。相変わらず頭の回転は人並みはずれて速いし、方向性が若干おかしい真面目さは変わらない。少なくともカメラが回っている限り、或はステージの上に立つ限り、彼はいつも通りの桜庭薫だ。
     けれど、たとえば楽屋で。
     たとえば打ち上げに寄ったファミレスの帰り道で。
     あるいは資料を取りに寄った事務所で。
     ふと、その端正な顔に明らかな困惑を浮かべて、立ち尽くす姿を何度か見かけた。
     なんというか、自分がどうすべきかがわからないといった様子に、天道の目には映った。慣れない場所でどうしていいかわからない、どこにいていいのかがわからない、知り合いから旅行中預かった猫のような、所在無さげな様子。こんなの、それこそ本当に楽屋や事務所に慣れていなかったはずの所属当初ですら見たことがない。いつだって桜庭は堂々としすぎていてちょっとどうかと思うほどに堂々としていたのだから。
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    onsen

    DONEドラスタ仲良し
    グラブルコラボイベでお空にいるときのドラスタ3人の話。グラブルがまだアルビオンをクリアしたぐらいのところなのでちょっとグラブル側の設定がよくわかっていないかもしれません。
    腐向けではたぶんありませんがドラスタが仲良しです。
    お空で魔物との戦闘で大怪我を負った翼を心配する薫先生と輝。

    初出 2015/10/24 支部
    冷たい空に誓いを「桜庭、そろそろ寝ろ。おまえも限界だろ」
     天道が声をかけても、桜庭は小さく首を振るばかりだ。その怜悧に整った顔は今憔悴に染まり、その細い腕は、指先は、微かに震えながら、動かない柏木の微かに上下する胸に添えられていた。
     先ほどまでの苦しげな呻きは治まり、今はその呼吸は穏やかだ。危機は脱した、とは桜庭が言ったことだしそれならば間違いないのだろうと思う。けれど、その顔に安心した様子は微塵もない。
     いつもの彼らの日々の中でならば、想像さえしないような怪我をした。動物園やアフリカですら出会うことはありえないだろう奇怪な獣のおぞましく歪んだ大爪が、柏木の胸を抉った。
     噴き出す赤。悲鳴さえなく崩れ落ちる仲間。狂ったようにその名を呼びながら、それでも自動化されたように、その身体は柏木の命を繋ぎ止めるべく動く、桜庭。自分ができたことは、はじめは動揺して動けずいた桜庭に声をかけ、ほんの僅か、頭のごく一部の落ち着きを取り戻させたことだけだった。
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