yushio_gnsn
DOODLEhttps://poipiku.com/6664279/8316747.html のつづきです。好きの一つも口にできない唐変木に対するレンジャー長の有難いお説教アムリタ学院にはかつてこのような言い伝えがあった。ティナリを本気で怒らせたら生きたまま標本にされるのだ、と。勿論本当に磔にされるのではなく、言葉の針で串刺しにされることの比喩である。ちなみにその言い伝えは、アビディアの森のレンジャーの間に定着しているのだとか。
アルハイゼンは、膝を畳んだ状態で床に座らされていた。正座、という稲妻の伝統的な反省の姿勢だそうだ。アルハイゼンの目の前で両腕を組み、仁王立ちしているのはティナリ、その後ろにセノ。更に後方にはカーヴェがクッションを抱きしめソファに座っていた。
「アルハイゼン、まさか君にお説教をする日が来るとは思わなかったな」
「奇遇だな、俺もだ」
「繰り返すけど僕の話が終わって納得するまでこの書類は渡せないからね?」
3373アルハイゼンは、膝を畳んだ状態で床に座らされていた。正座、という稲妻の伝統的な反省の姿勢だそうだ。アルハイゼンの目の前で両腕を組み、仁王立ちしているのはティナリ、その後ろにセノ。更に後方にはカーヴェがクッションを抱きしめソファに座っていた。
「アルハイゼン、まさか君にお説教をする日が来るとは思わなかったな」
「奇遇だな、俺もだ」
「繰り返すけど僕の話が終わって納得するまでこの書類は渡せないからね?」
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DOODLE猫の日アルカヴェ愛玩動物旅人に招かれた摩訶不思議な居住空間、塵歌壺。璃月仙人の力で作られたこの場所には旅人と縁あるものが招かれている。仙人といえば伝説上の存在だが、実際に仙術で構築された空間を体験すればアルハイゼンとて疑う余地は無かった。
「ああ~、可愛い~」
そんな塵歌壺で、間抜けな顔と声を晒しながら猫と戯れる成人男性が一名。
「猫、いいなあ、癒される……なあ、アルハイゼン」
「本を汚されたくない。世話も躾も面倒だ。第一、俺の家には既に酒代のかさむペットがいる。これ以上は飼えない」
提案が言葉になる前に却下すると、子犬のようにきゃんきゃんと文句を言い始めた。やはり、小うるさいペットをこれ以上増やすわけにはいかない。
「君は猫と和解すべきだ。見なよ、このうつくしい毛並みにしなやかな尻尾。猫という生き物が生存競争に勝ったのは、人間に愛されたからだという説もある。僕は間違っていないと思うよ」
1234「ああ~、可愛い~」
そんな塵歌壺で、間抜けな顔と声を晒しながら猫と戯れる成人男性が一名。
「猫、いいなあ、癒される……なあ、アルハイゼン」
「本を汚されたくない。世話も躾も面倒だ。第一、俺の家には既に酒代のかさむペットがいる。これ以上は飼えない」
提案が言葉になる前に却下すると、子犬のようにきゃんきゃんと文句を言い始めた。やはり、小うるさいペットをこれ以上増やすわけにはいかない。
「君は猫と和解すべきだ。見なよ、このうつくしい毛並みにしなやかな尻尾。猫という生き物が生存競争に勝ったのは、人間に愛されたからだという説もある。僕は間違っていないと思うよ」
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DOODLEお金の為に他所の男に嫁ごうとするにょかべと、それを必死で止めるレンジャー長と、相変わらずの超絶激重ゼンの話です。馬鹿と死域とお説教第六感。理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働き。学術的根拠はなくとも、野生の感とか、虫の知らせとか、様々な言葉で人々に言い伝えられている。ティナリは生論派の学者として、また自然と密接に関わるレンジャーとして、第六感の存在は十分にあり得ると考えている。そもそも、テイワットには解明されていない事の方が多い。現時点の学問で理屈が証明できないことが真実であったとしても、何ら不思議ではない。
「僕ね、結婚してあの家を出ようと思うんだ」
「……へ?」
「いい加減、アルハイゼンから離れるべきだと思ってね」
憂い顔の彼女――カーヴェの言葉を聞いた瞬間、ティナリは第六感の存在をより強く確信することとなった。
3801「僕ね、結婚してあの家を出ようと思うんだ」
「……へ?」
「いい加減、アルハイゼンから離れるべきだと思ってね」
憂い顔の彼女――カーヴェの言葉を聞いた瞬間、ティナリは第六感の存在をより強く確信することとなった。
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DOODLE幾万回擦られている幼児化ネタ。ちいさくなったカヴェとはじめてちゃんと手を繋ぐ話。手を繋ぐアルハイゼンは頭を抱えた。秘境の宝で借金返済してやると意気込んで出て行ったルームメイトは五、六歳の子供に成り果てた挙句記憶もなくして帰って来た。同行した旅人曰く、時間が経てば元に戻るという。「お前のとこに居るのが安全そうだからな!」と元気よくのたまった空飛ぶ非常食には言いたいことがあり過ぎて逆に何も言えなかった。
初めこそきょとんとして大人しくしていたカーヴェだったが、現在家の床を画用紙で占拠している。パステルと紙を与えておけば大人しく座っているだろうというアテは外れこそしなかったものの、ものの数時間で部屋をアトリエにされた。これならまだ、元気よく走り回ってくれたほうがマシだったと思う。騒音は耳栓で防げる。
1639初めこそきょとんとして大人しくしていたカーヴェだったが、現在家の床を画用紙で占拠している。パステルと紙を与えておけば大人しく座っているだろうというアテは外れこそしなかったものの、ものの数時間で部屋をアトリエにされた。これならまだ、元気よく走り回ってくれたほうがマシだったと思う。騒音は耳栓で防げる。
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DOODLEアルカヴェ同居初期、ご飯作ったのがきっかけで共同生活成り立っちゃったの巻。お料理上手カヴェと、胃袋を掴まれている書記官。
※途中で視点が変わります。
理想的共同生活やらかした。僕は今、粉の舞うキッチンで頭を抱えている。
「あちゃあ……戻すのは、ちょっとなあ」
小麦粉の袋を傾けたら、手が滑ってどばっと出てしまったのだった。一度器に出してしまったものを袋に戻すのは気が引けるし、既に他の材料を入れた後だった。粉同士が混ざるといけない。
今日は休日。早起きしたので久しぶりに丁寧な生活を――手始めにピタパンでも焼こうと思ったのだが、出鼻を挫かれた。日常的にありふれた失敗だけれど、朝の一発目となると少しばかり凹む。
目の前の粉の山をすべて焼き上げたら、二日くらいピタを食べ続けることになるだろう。挟む具材を変えるにしても、さすがに飽きる。
「珍しく早いな。昨日は酒場に行かなかったのか」
3594「あちゃあ……戻すのは、ちょっとなあ」
小麦粉の袋を傾けたら、手が滑ってどばっと出てしまったのだった。一度器に出してしまったものを袋に戻すのは気が引けるし、既に他の材料を入れた後だった。粉同士が混ざるといけない。
今日は休日。早起きしたので久しぶりに丁寧な生活を――手始めにピタパンでも焼こうと思ったのだが、出鼻を挫かれた。日常的にありふれた失敗だけれど、朝の一発目となると少しばかり凹む。
目の前の粉の山をすべて焼き上げたら、二日くらいピタを食べ続けることになるだろう。挟む具材を変えるにしても、さすがに飽きる。
「珍しく早いな。昨日は酒場に行かなかったのか」
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DONE夢の中で書記官の虚像と戯れるカヴェ氏と、それを見て脳破壊→激重嫉妬絶赦する書記官の話。途中視点が変わります。
カヴェ:後日、痴情の縺れを知られた少女が草神様だと知って本当に気絶した。
白雪姫――王子が姫に口付けをすると、死んでいたはずの彼女は息を吹き返したではありませんか。
「……なんとも荒唐無稽だな」
「そこがいいんじゃないか!」
机を叩いた衝撃で、コーヒーの水面が揺れる。アルハイゼンは夢、芸術、ロマンといったものを何一つ理解しない。そんな男なので、僕がマーケットで買ってきたテイワット童話集を見るなり「また俺の金で無駄なものを買ってきたのか」と不満を口にした。
人生に無駄なものなど無い。いいや、無駄なものにこそ価値がある、というのが正しいかもしれない。人間が生命活動を維持するだけの装置なら、料理の味すら意味をなさなくなる。無駄を嫌う人間は多いけれど、意味ある行動だけで生きることこそ不可能なのだ。学術的理論からかけ離れた“童話”に価値を見出すのは何も間違っていない。コーヒーを一口啜り、頭を活性化させてから反論の態勢を整える。
20374「……なんとも荒唐無稽だな」
「そこがいいんじゃないか!」
机を叩いた衝撃で、コーヒーの水面が揺れる。アルハイゼンは夢、芸術、ロマンといったものを何一つ理解しない。そんな男なので、僕がマーケットで買ってきたテイワット童話集を見るなり「また俺の金で無駄なものを買ってきたのか」と不満を口にした。
人生に無駄なものなど無い。いいや、無駄なものにこそ価値がある、というのが正しいかもしれない。人間が生命活動を維持するだけの装置なら、料理の味すら意味をなさなくなる。無駄を嫌う人間は多いけれど、意味ある行動だけで生きることこそ不可能なのだ。学術的理論からかけ離れた“童話”に価値を見出すのは何も間違っていない。コーヒーを一口啜り、頭を活性化させてから反論の態勢を整える。
torua_e
DOODLEアルカヴェの同居するまで恋愛要素ほぼ0です。でもそのうち付き合う。
妄想の勢いで書いたので誤字脱字確認してないです。すみません。
【追記】スクロールが出来ない?みたいなので全画面表示で読んでもらえると嬉しいです
アルハイゼンの規則正しい生活生活とは。
生きていること。生存して暮らしていくこと。
安定とは。
物事が落ち着いた状態にあること。
人は生きている。
朝起きて、昼は活動し、夜に眠る。
それを繰り返し繰り返し行うことが、生活となっていく。
アルハイゼンは、安定した生活を望んでいた。0でもなく、100でもない。最も合理的な50を目指して。その為にスメールの中で立場・権限・財力・安定・平穏・知識欲の全てを合理的に満たせる条件の整った書記官という仕事に就いた。書物の管理、書類の整理、会議の議事録係といった職務をこなしながら、求める時に必要な書物を閲覧できるという権限を保持できる職種だ。文弱のアルハイゼンにとっては、合理的すぎるといっても過言ではないぐらいの仕事である。
4052生きていること。生存して暮らしていくこと。
安定とは。
物事が落ち着いた状態にあること。
人は生きている。
朝起きて、昼は活動し、夜に眠る。
それを繰り返し繰り返し行うことが、生活となっていく。
アルハイゼンは、安定した生活を望んでいた。0でもなく、100でもない。最も合理的な50を目指して。その為にスメールの中で立場・権限・財力・安定・平穏・知識欲の全てを合理的に満たせる条件の整った書記官という仕事に就いた。書物の管理、書類の整理、会議の議事録係といった職務をこなしながら、求める時に必要な書物を閲覧できるという権限を保持できる職種だ。文弱のアルハイゼンにとっては、合理的すぎるといっても過言ではないぐらいの仕事である。
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DONEアルカヴェSS叡智の扉、開けてしまった――それは、学者としての単純な興味であった。
思い浮かんだ言葉に対し、アルハイゼンは心の中で首を横に振る。「学者として」という括りは正確さを欠いている。正しくは、知能を持つ存在であれば誰しも抱く欲求であろう。
例えば、子供が森の中で見たこともない花を見つけた時のような。あるいは、猫が新しいおもちゃを見つけた時のような。何が言いたいかというと、彼の背中にある謎の露出部位は、アルハイゼンが興味を抱くに値したということだ。
「……はぁ、コスト削減とはいえこれではあまりにも……いや、別の工法であればあるいは」
彼、というのはアルハイゼンの家に転がり込んできた借金まみれの建築家、カーヴェのことであった。 言い争いの絶えない仲でありながら、本日は珍しく独り言を言いながらも真面目に仕事をしている。新しい建築物のデザイン画と設計に必要な数字を計算しては眺めるの繰り返し。
1997思い浮かんだ言葉に対し、アルハイゼンは心の中で首を横に振る。「学者として」という括りは正確さを欠いている。正しくは、知能を持つ存在であれば誰しも抱く欲求であろう。
例えば、子供が森の中で見たこともない花を見つけた時のような。あるいは、猫が新しいおもちゃを見つけた時のような。何が言いたいかというと、彼の背中にある謎の露出部位は、アルハイゼンが興味を抱くに値したということだ。
「……はぁ、コスト削減とはいえこれではあまりにも……いや、別の工法であればあるいは」
彼、というのはアルハイゼンの家に転がり込んできた借金まみれの建築家、カーヴェのことであった。 言い争いの絶えない仲でありながら、本日は珍しく独り言を言いながらも真面目に仕事をしている。新しい建築物のデザイン画と設計に必要な数字を計算しては眺めるの繰り返し。