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    #腐向け

    Rot腐向
    類似タグ→ #腐 #BL

    bach_otamama

    DOODLEチユエンとカイム。デザイナーたよりでチユエンは最初は黒髪なのを金に染めているイメージだったと聞いて。染める理由などは妄想度高めでお送りします。
    キャラストで、チユエンの容姿に彼の母親が憎んでいた夫の面影を見て辛かったという場面があったので。この話は特にCPを意識していませんが、生産ラインはベルイムでチユヴリ寄りなので腐っています。
    髪の話 継承し、転魔を果たした身に流れる時間は少しゆっくりとなる。それでも元がヴィータの体である以上、髪や爪は伸びる。
    「くそったれ」
    鏡を覗き込んだチユエンは、髪をかきむしった。美猴の魔は金の獣だったからというだけでなく、母の言葉を伸びてきた黒い髪は思い出させる。父親によく似た息子に、かつて奪われた恋と憎しみを重ねてしまうと言っていた母の言葉を。だから、故郷では髪を染めていた。
    「髪が伸びてくるのが嫌?じゃあ剃ればいいんじゃない?」
    「それでも伸びてくるだろ」
    「そうねえ。じゃあ、色を変えてみたら?」
    「できんのか?」
    「アタシに任せなさい。そうねえ、いっそ金なんかいいんじゃない?」
    そう言ったヴリトラは、次の日髪を染めてくれた。なぜ染めたいのかを一切聞かず、むしろ伸びてくると彼の方からそろそろ染めたほうがいいとやってきたものだった。
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    kisaragi_hotaru

    DONE無自覚のままであろうとした両片想いガンマトが自覚させられるお話。欠損描写がありますが最終的には治りますけれど苦手な方はご注意くださいませ。謎時空なので深く突っ込んではいけない系です。魔王は祈りの間にて引きこもり中です。
     乱戦状態だった。一人ずつ探して回復していったのでは間に合わない。マトリフは冷静さを保ちながら素早く周囲を見回して、次いで傍らでモンスターを殴り飛ばしたブロキーナに視線を向ける。最近習得したばかりの回復呪文を使うにしても発動中は無防備になってしまう。詠唱のための時間稼ぎも必要だ。
     「よお大将! 全員を一気に回復させてやっからちょっくらザコどもの相手を頼むぜ」
     「いいよん」
     モンスターの大群相手にしながらもブロキーナは軽いノリで請け負った。
     そんな二人の会話を聞いていた一体のモンスターが不満をありありと孕んだ声色でもって割り込んだ。
     「ほう。君の言うザコとは私のことも含まれているのかな?」
     トロルの群れの向こう側から青色の肌をしたさらに巨大な体躯が現れた。眼鏡を中指の鋭利な爪で押し込んで歩み寄ってくるその理知的な動作とは裏腹に額には幾つもの血管が盛り上がっていた。
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    minamidori71

    DONEビョルアシェ。ビョルン君埋葬時に、遺体に語りかけるアシェ。相手が死体なので、生前言えなかったことも結構言っています。甘口なので、お好みに合わなければ回れ右を。
    アシェの少年時代については、語っていた以上にひどいことがあったという気がしています。
    pixivで公開していますが、こちらにも試験的にアップしてみます。
    Last Kiss 雪に覆われた小高い丘の中腹まで下りてきたところに、見張りの番小屋がある。そこから薄く煙が立ちのぼっているのを確認して、アシェラッドは足を止め、担いでいた男を一旦下ろした。
     見張り当番の兵士に事情を話し、スコップを借りた。アシェラッドよりも年長らしい、人の好さそうなその兵士は、昨夜の飲み残しで悪いが、と言いながら、素焼きの酒瓶を差し出してくる。中身は蜂蜜酒だった。
    「こいつはありがてェな。お前好きだろ、ビョルン」
     すっかり体温を失ってしまったくちびるにひとしずく、指先で含ませてやる。わずかに生気がよみがえったが、そのせいでなにかもの言いたげにみえる。
    「なんだ、もっと飲みてェか」
     ひと口、アシェラッドも蜂蜜酒を口に含んだ。甘ったるい酒は好みではない。しかし今は、渇ききった舌に、その甘さが嬉しかった。残りを算段に入れながら、もうひと口。いつも美味そうに飲んでいた男の笑顔が、眼の奥にちらつく。
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