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    #遙かなる時空の中で

    harukanaruTokiNoNakade

    pagupagu14

    DONE怨霊を退ける行為/天あか(遙か1)
    100万年の遙かCDネタ 現代エンド後未来・同棲設定 天あかいつ見ても強さにやられてしまうね私は
    怨霊を退ける行為 「きゃ!」
    あかねはそんな声を上げて俺の腕にしがみつく。俺は「しょうがねえな」なんて声を出しつつ、喜びを噛み締めていた。
    「京にいた頃は怨霊退治とかしてたくせに克服してねえし怖いままとかあかねって本当、変わってるよな」
    「だって怖いのは怖いんだもん!」
    そう言って泣きべそかくあかね。ホラーが苦手なくせに興味があるあたりおかしいと思わなくはないがあかねの泣き顔も…まあ、好きだから俺はただ役得を感じながらあかねの抱き枕に徹するのだった。
    ***
     見終わった後、案の定一緒に寝たいと言ってきたあかねをベッドに招き入れる。
    「な、あかね。怖くなくなること、するか?」
    「そ、そんなのあるの?」
    「ああ、あるある」
    少し罪悪感も刺激されるが無防備なあかねが悪い。ということにする。つーか、あの時と違って俺とあかねは付き合ってるし同棲もしている。それなのにそれ以上を求めないとかおかしいだろ!?そう、脳内で弁明しつつあかねの頬に手を滑らせそのままキスをする。触れるだけのキスを何回も繰り返して、驚いたような顔だったあかねは次第に瞼を閉じてキスに身を落とした。
    899

    百合菜

    PAST遙か1・頼あか。
    「名前で呼んで」

    出会ったばかりのあかねと頼久の話。
    「源頼久と申します」

    そう名乗りながらあかねの目の前に現れたのは、自分より頭ひとつ分違う身長に、鍛え上げられた体躯を持つ少し年上と思われる男性の姿だった。
    見慣れない装束、そして腰に差しているのは刀なのであろうか。
    これらを見ていると、やはり自分はどこか見知らぬ場所に連れてこられたという事実が現実のものとして迫ってくる。

    だけど、何が起こったのか、自分はどうすれば元の世界に帰ることができるのか、見当がつかなかった。
    リュウジンノミコとして召喚されたらしいが、普通の高校生である自分にそんな役割が任せられただなんて信じられない。
    この先、どうするべきか誰かに聞いておきたかった。

    「あの…… 源さん、でしたっけ?」

    武骨そうに見え、むしろ寡黙に見える。
    しかし、その瞳は嘘偽りがないということを信じることができる。
    初めて会ったのに、あかねはなぜか目の前の男性のことを信じることができた。
    すると、

    「み、神子殿……!」

    目の前の頼久と名乗る男性がうろたえているのが目に入る。

    「どうしたのですか? 源さん」

    そう、問いかけるあかねに対し、頼久は困ったように髪をかきあげる。

    「で 1575

    百合菜

    PAST遙か1・頼あか。

    2018年のバレンタイン創作。
    「頼久さん、これあげる」

    そう言ってあかねが手渡したのは丁寧にラッピングされた小さな箱。
    そのときのあかねの様子が頬を赤らめていてかわいいと思いつつも、ありがたく頼久は受け取る。

    今日は2月14日。
    いたって普通の平日のはずだが、あかねは前もって頼久にデートの約束を取りつけてきた。
    龍神のいたずらで現代の世界において就くことになった仕事はあるが、幸い、水曜日のため、早めに帰っても咎められない空気だった。
    そして、冒頭に至る。

    「開けてもいいですか?」

    あかねがこっくり頷くのを確認してから頼久は包装紙を丁寧にはがす。
    中から現れたのは茶色の固まり。
    ―確かちょこれーと、とか言ったはず。
    少し前にあかねに教えてもらった知識と目の前の物体が同じものであることを確認する。
    確か甘い味がするため、そんなに好みではなかった。
    そして、あかねもそのことを知っていたはず。
    しかし、わざわざそれを渡してくること、そしてそれを渡してくるのに、頬を赤らめる理由がわからなかった。

    「今日はバレンタインだから」

    「ばれんたいん、ですか?」

    聞き慣れぬ言葉を繰り返して尋ねる。
    少し前からあちこちで耳 1881

    百合菜

    PAST遙か1・頼あか。
    「はっぴー・ばれんたいん」

    2018年2月にネオロマの世界に戻ってきてすぐに書いた話です。
    立春を過ぎたとは言え、まだ暖かいとは言いがたい日が続く。
    あかねはコートを着て、マフラーも手袋もきちんと身につけた。
    でも、日差しは少しだけ春に近づいているのがわかる。
    そんな中、あかねは最愛の人と会えると思うと心はますます暖かくなっていった。

    学校の授業が終わり、待ち合わせの場所に行くためあかねは昇降口で靴を履き替えていた。
    あの京の世界から戻り、半年とちょっと。
    あのとき、運命をともにする約束をした頼久はこの世界に馴染むため、そして生活の手段として職についている。
    いずれあかねがそれ相応の年齢に達したときに迎えられるようにするため。

    二人の待ち合わせは駅前のカフェ。
    あかねが店内に入るとそこには頼久の姿が目に入った。
    長い足を邪魔くさそうに椅子からはみ出しているのが、あかねにはなぜかかわいく見えてしまう。

    「頼久さん!」
    「みこ……あかね」

    ちょっと油断していると、いまだに京の世界にいたときの呼称で呼びかねない頼久だが、あかねの怪訝な顔つきですぐに訂正する。

    「ごめんなさい。来てもらって」

    頼久の目の前にあるカップの飲み物はほとんどなくなり、湯気も消えている。
    おそらく 2150