秋津ちな
CAN’T MAKE※イベストネタイベストのショーのパラレルのタコの人魚類くんと人魚王子司くん。悪意ある人間に捕まった人魚王子を助けに来たよ!みたいな感じ。
ラブのつもりは無いんですけどそれっぽく見えるかもしれない。
司くんが可哀想。
──それを目にした瞬間、男は息を飲んだ。
ボロボロの布切れ1枚を被せただけの身体は、傷が無い箇所を探す方が難しい。日に焼けることを知らない白い肌に、鱗で覆われた尾ひれに、いたるところに鞭で打たれたような夥しい痕が残っている。海中できらきらと揺れていた美しい金色の髪も紅で汚され、かつて陸への期待に満ちていた琥珀色の瞳はぼんやりと中空を見つめている。頬には涙の跡があった。
喉元には鎖に繋がれた無骨な首輪が。その下に乱雑に巻かれた包帯は血が滲んでいる。どうにかして外そうと掻きむしったのだろう。よく見れば指先も血で彩られている。
それでもまだ、辛うじて、彼は生きていた。
王子、と震える声で呼びかける。暫くぼんやりとしていたものの、自分を認識した途端カタカタと震えだす。琥珀色の双眸に浮かぶ怯えが彼の扱いを物語っていた。
583ボロボロの布切れ1枚を被せただけの身体は、傷が無い箇所を探す方が難しい。日に焼けることを知らない白い肌に、鱗で覆われた尾ひれに、いたるところに鞭で打たれたような夥しい痕が残っている。海中できらきらと揺れていた美しい金色の髪も紅で汚され、かつて陸への期待に満ちていた琥珀色の瞳はぼんやりと中空を見つめている。頬には涙の跡があった。
喉元には鎖に繋がれた無骨な首輪が。その下に乱雑に巻かれた包帯は血が滲んでいる。どうにかして外そうと掻きむしったのだろう。よく見れば指先も血で彩られている。
それでもまだ、辛うじて、彼は生きていた。
王子、と震える声で呼びかける。暫くぼんやりとしていたものの、自分を認識した途端カタカタと震えだす。琥珀色の双眸に浮かぶ怯えが彼の扱いを物語っていた。
usagi_numaoti
DONE🔞🔞🔞さくらんぼから始まるH「お邪魔します」
「どうぞー、オレら以外居ないから気を使わないでいいぞ」
普段の土日ならワンダーステージに立ってショーをしているのだが、老朽化が心配されるステージの点検の為休みだった。
両親は仲良く買い物。咲希はグループでの話し合いで家に居なかったので類を家に招待した。
「あ、司くん、これ」
差し出された紙袋には木箱が入っているのが見えて首を傾げた。
「木箱?なんだ、これ」
「前にさくらんぼ食べたいって言ってたでしょ?」
「言ってたけど…まさか…」
「うん、さくらんぼ」
「えっ、マジか!!木箱って…高いやつじゃ!!」
「あ、心配しないで、これ貰い物で家では食べきれないから1箱貰ってきたんだ」
「も、貰い物で木箱のさくらんぼ… 」
4933「どうぞー、オレら以外居ないから気を使わないでいいぞ」
普段の土日ならワンダーステージに立ってショーをしているのだが、老朽化が心配されるステージの点検の為休みだった。
両親は仲良く買い物。咲希はグループでの話し合いで家に居なかったので類を家に招待した。
「あ、司くん、これ」
差し出された紙袋には木箱が入っているのが見えて首を傾げた。
「木箱?なんだ、これ」
「前にさくらんぼ食べたいって言ってたでしょ?」
「言ってたけど…まさか…」
「うん、さくらんぼ」
「えっ、マジか!!木箱って…高いやつじゃ!!」
「あ、心配しないで、これ貰い物で家では食べきれないから1箱貰ってきたんだ」
「も、貰い物で木箱のさくらんぼ… 」
秋津ちな
CAN’T MAKE司くんの趣味:衣装づくりを誇大解釈した天馬兄妹のSS。趣味に勤しむ司くん(喋らない)と見守る咲希ちゃん。オチまとまらなすぎてここから進んでないですスターの電池が切れる日「お兄ちゃーん、入るよー?」
兄の部屋を訪れた咲希がまず目にしたのは、床に散らばる大量のスケッチだった。そのどれもに人物が描かれており、着ている服は1枚1枚違っている。余白に書きなぐられた文字が何を意味するのかは分からないが、書いた本人が読めるのなら問題はないだろう。
そしてそのデザイン画の中心にいるのは自分の兄だ。普段の騒がしさは鳴りを潜め、脇目も振らずにまっさらなページに鉛筆を滑らせている。声を掛けたが生返事で反応は鈍く、視線は手元に向けられたままだ。
らしくもない兄の様子を見た咲希は大して驚きもせず、あ、電池切れの日だ、と独りごちた。
──司には、時折こうやって黙々と趣味に勤しむ日が訪れる。今日はデザイン画だが、編み物の日もあればミシンを使って衣装を作る日もある。その日によって様々なのだ。
943兄の部屋を訪れた咲希がまず目にしたのは、床に散らばる大量のスケッチだった。そのどれもに人物が描かれており、着ている服は1枚1枚違っている。余白に書きなぐられた文字が何を意味するのかは分からないが、書いた本人が読めるのなら問題はないだろう。
そしてそのデザイン画の中心にいるのは自分の兄だ。普段の騒がしさは鳴りを潜め、脇目も振らずにまっさらなページに鉛筆を滑らせている。声を掛けたが生返事で反応は鈍く、視線は手元に向けられたままだ。
らしくもない兄の様子を見た咲希は大して驚きもせず、あ、電池切れの日だ、と独りごちた。
──司には、時折こうやって黙々と趣味に勤しむ日が訪れる。今日はデザイン画だが、編み物の日もあればミシンを使って衣装を作る日もある。その日によって様々なのだ。