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    #ディル蛍

    hhaannoo0011

    PAST2022年10月に発行されました、ディル蛍アンソロジー『夜明けを彩るコンフィズリー』にて寄稿させていただいたお話の再掲載です。読んで下さった方々、ありがとうございました😘
    少しだけ加筆しました。
    ハッピーエンド前線異常なし「漸くディルック殿にも婚約者が!」
    「安心ですね」
    「式の際には是非とも……」

     ちょっと何を言っているのかわからない。

     婚約者? ディルックさんに? 誰が? イメージが全くもって湧かない。よくわからないが多分美人だろう。ホールに入るや否や、急に大量の視線が蛍とディルックに注がれると、ドドドドッと地鳴りかと思うくらいに音をたてて駆け寄って来て浴びせられた言葉の嵐。いきなりのことに蛍は状況を吞み込めない。周りを取り囲む人、人、人。パーティーとはもっとお上品で華やかなものかと蛍は思っていたし、このような名だたる人物や権力を有した一族等が集まるこのパーティーなんて、蛍が抱いていた「おパーティー」像の権化であるはず。口々に詰め寄る人の群れとディルックを目が回るほどに交互に視線を動かすしかない。想像と違った光景に全然ついていけていない蛍だが、ここに来る前にディルックに言われたことを、ただ、ただ、頭の中でもう一度唱えた。
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    penpen91420

    DONE蛍火が示す旅情【2巡目】開催おめでとうございます!
    元々は本のオマケにペーパーでつける予定だったのですが
    印刷等が厳しい状況なため展示という形になりました。
    故に短いお話です。
    現パロ/ディル蛍/付き合ってない
    【ディル蛍】夏の日差しが強かったから、「海だーーーーー!!!」
    「こら、クレー、まずは準備運動をしような」
    「はーい!」

    元気よく返事をして準備運動を始めたクレーを、眩しくてつい閉じてしまいそうになる目を頑張って開けて見つめる。今日は、近くに住む小さな友人クレーに誘われ、近所の人達と共に海に来ている。日差しが強い。先に日焼け止めを塗ってくればよかったな、と溜息を吐いて自身の体を見下ろした。少し気合を入れすぎたかもしれない。露出が多い水着を選んだのは、隣で黙々とパラソルを立てている男──ディルックに少しでも意識してもらいたかったから。蛍は近所のお兄さんであるディルックに幼い頃から恋をしている。初恋だ。他の人たちは皆褒めてくれたのに、肝心の彼は「どう?」と聞いてもああ、と一言だけ素っ気ない返事で終わってしまった。幼い頃から知っているからか子供扱いする彼に少しでも女として意識して欲しくて背伸びをしたデザインを選んだというのに、ディルックの表情は何一つ変わらなかった。完敗だ。
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