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MOURNINGめちゃくちゃ短いランジクランプの灯灯を消した後の真っ暗な部屋、ベッドの中。
ジークフリートは横で寝るランスロットに向かって腕を伸ばす。
「え…っ」
そのまま抱き寄せるようにしながら、身体をずらしてランスロットの胸へ顔を寄せてみる。いつぞやの仕返しと言わんばかりに回した腕に力を入れ、抵抗させないよう固定すれば、上の方から困惑した声が聞こえた。
「ジークフリートさ…ん?」
トクトクと確かに聞こえる心臓の音と、服越しにじわりと伝わる体温が己の肌を通して中に浸透していくのがわかる。
俺、この音聞くの好きなんです。
前の夜、同じように抱きつきながら、同じベッドの上でランスロットはそう言った。幸せそうに微睡むランスロットの頭を、甘えた小動物にするように撫でてやれば、ゆっくりと首元にキスを落とされた。かと思えば、そのまま顔を埋めてこの男は眠りについた。
1221ジークフリートは横で寝るランスロットに向かって腕を伸ばす。
「え…っ」
そのまま抱き寄せるようにしながら、身体をずらしてランスロットの胸へ顔を寄せてみる。いつぞやの仕返しと言わんばかりに回した腕に力を入れ、抵抗させないよう固定すれば、上の方から困惑した声が聞こえた。
「ジークフリートさ…ん?」
トクトクと確かに聞こえる心臓の音と、服越しにじわりと伝わる体温が己の肌を通して中に浸透していくのがわかる。
俺、この音聞くの好きなんです。
前の夜、同じように抱きつきながら、同じベッドの上でランスロットはそう言った。幸せそうに微睡むランスロットの頭を、甘えた小動物にするように撫でてやれば、ゆっくりと首元にキスを落とされた。かと思えば、そのまま顔を埋めてこの男は眠りについた。
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DOODLEランジク10/31:トリックオアトリート「この人も悪戯を教えて欲しいんだって!」
無邪気な少女に連れてこられた人物を見た瞬間、ランスロットは時が止まった様に思考を停止させた。少女と同い年くらいの子供が来ると思っていたが、実際に目の前にいるのは尊敬する師その人だったからだ。
「悪戯の上級者というのはお前だったのか」
納得した口ぶりで言われてはいるが、そんな風に呼ばれていたことも今初めて知り、どうにか状況を把握しようとランスロットが脳内を整理している最中も、ジークフリートは構わず話を進めてしまう。
「丁度お菓子も切らした所だ。実践してくれても構わないから“悪戯”というものを俺に教えてくれ、ランスロット」
混乱する言動が次から次へと飛び出し、お菓子を貰うチャンスを伺っていた子供達はジークフリートの“悪戯”という単語のみに反応して、すぐにでもターゲットを変えようと勢いづいていた。
1440無邪気な少女に連れてこられた人物を見た瞬間、ランスロットは時が止まった様に思考を停止させた。少女と同い年くらいの子供が来ると思っていたが、実際に目の前にいるのは尊敬する師その人だったからだ。
「悪戯の上級者というのはお前だったのか」
納得した口ぶりで言われてはいるが、そんな風に呼ばれていたことも今初めて知り、どうにか状況を把握しようとランスロットが脳内を整理している最中も、ジークフリートは構わず話を進めてしまう。
「丁度お菓子も切らした所だ。実践してくれても構わないから“悪戯”というものを俺に教えてくれ、ランスロット」
混乱する言動が次から次へと飛び出し、お菓子を貰うチャンスを伺っていた子供達はジークフリートの“悪戯”という単語のみに反応して、すぐにでもターゲットを変えようと勢いづいていた。
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DOODLEランジク10/29:旬の味覚 目当ての武器屋での用事を済ませ、グランサイファーへ戻る途中のことだった。
通り道で見かけた、青果店に並ぶ様々な色や種類のカボチャからハロウィンの訪れを感じていると、店主と目が合い声を掛けられた。立ち寄ってみれば、今朝採ったばかりだという真っ赤に熟れた林檎を突然渡される。無償で頂くのは流石に忍びなくて、購入させて欲しいと伝えたら提示された金額以上の量の果物が入った紙袋を渡された。油断したら上から順に転がり落ちそうなくらい積まれている。
「凄い量ですね」
慎重に持ってはいるが、何がきっかけで崩れ落ちてしまうかわからない。せめて、上段に隙間を作れさえすればこの不安は消えそうだった。どうしようかと考えを巡らせていると、不意に、ランスロット、と隣を歩いていたジークフリートさんが自分の名を呼んだ。
1319通り道で見かけた、青果店に並ぶ様々な色や種類のカボチャからハロウィンの訪れを感じていると、店主と目が合い声を掛けられた。立ち寄ってみれば、今朝採ったばかりだという真っ赤に熟れた林檎を突然渡される。無償で頂くのは流石に忍びなくて、購入させて欲しいと伝えたら提示された金額以上の量の果物が入った紙袋を渡された。油断したら上から順に転がり落ちそうなくらい積まれている。
「凄い量ですね」
慎重に持ってはいるが、何がきっかけで崩れ落ちてしまうかわからない。せめて、上段に隙間を作れさえすればこの不安は消えそうだった。どうしようかと考えを巡らせていると、不意に、ランスロット、と隣を歩いていたジークフリートさんが自分の名を呼んだ。
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DOODLEランジク10/27:悪霊退散 ハロウィンの日は幽霊が現れやすくなる。しかし、それは当日に限ったことではないらしい。ハロウィンが近づけば近づく程、悪戯好きの霊は皆浮足立ち、理性を無くして人前に出てしまうという話をどこかで聞いたことがある。
立ち寄った村の長に相談されたのは、古い洋館に住み着いた大量の霊についてだった。霊達は洋館に近づいた村民を見つけては何かしらの悪戯をしかけ、人々を困らせていた。理由を知ろうにも、こちらの言葉が通じないのか、何を話しても霊は識別できない言葉で笑うだけだったそうだ。霊達が皆幼い子供の姿をしていることもあり、対処について村の中でも意見が分かれてしまい、このままでは埒が明かないと判断した村長は、グラン達に少年の霊についての調査を依頼した。
1317立ち寄った村の長に相談されたのは、古い洋館に住み着いた大量の霊についてだった。霊達は洋館に近づいた村民を見つけては何かしらの悪戯をしかけ、人々を困らせていた。理由を知ろうにも、こちらの言葉が通じないのか、何を話しても霊は識別できない言葉で笑うだけだったそうだ。霊達が皆幼い子供の姿をしていることもあり、対処について村の中でも意見が分かれてしまい、このままでは埒が明かないと判断した村長は、グラン達に少年の霊についての調査を依頼した。
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DOODLEランジク10/25:お菓子作り ある日。グラングランサイファーの厨房ではハロウィン用のお菓子作りが行われ、艇内がたくさんの甘い香りに包まれていた。
かなりの量を作るため、この日手が空いていた、ある程度料理のできる団員が多く呼ばれ、他の団員同様に声をかけられたランスロットとジークフリートは、クッキー作りを担当していた。
「っ……!」
焼き上がったクッキーが乗った鉄板を持っていたジークフリートが少し困惑した表情を見せたので、ランスロットは追加分の生地の材料を混ぜていた手を止めるとすぐに声をかけた。
「どうかしましたか?」
もしも火傷を負っていたらすぐに治療を、とあらゆる心配事への対処法が思い浮かぶ中、ジークフリートは困ったように唸る。
1427かなりの量を作るため、この日手が空いていた、ある程度料理のできる団員が多く呼ばれ、他の団員同様に声をかけられたランスロットとジークフリートは、クッキー作りを担当していた。
「っ……!」
焼き上がったクッキーが乗った鉄板を持っていたジークフリートが少し困惑した表情を見せたので、ランスロットは追加分の生地の材料を混ぜていた手を止めるとすぐに声をかけた。
「どうかしましたか?」
もしも火傷を負っていたらすぐに治療を、とあらゆる心配事への対処法が思い浮かぶ中、ジークフリートは困ったように唸る。
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DOODLEランジク※他のキャラも結構出ます
10/23:ミステリーフレーバー とある島に停泊していた時のこと。シェロカルテがハロウィンで売り出すための大量のお菓子をグランサイファーに持ち込んできた。店に並べる前に試食をして欲しいとのことだったので、留守番中だったルリアは、非番だったネネとその娘のヤエ。たまたま近くを通りかかったランスロットと、偶然出現したフェディエルに声をかけた。
ランスロットは、自分は場違いなのではないかと数回確認をしたが、色んな人の意見が欲しいというシェロカルテに押し切られた為、試食会という名のちょっとしたお茶会にそのまま参加することになった。
用意されたお菓子はどれも絶品なものが多かったが、中には悪戯用にと奇衒ったものもあったので様々な意見が飛び交った。
2381ランスロットは、自分は場違いなのではないかと数回確認をしたが、色んな人の意見が欲しいというシェロカルテに押し切られた為、試食会という名のちょっとしたお茶会にそのまま参加することになった。
用意されたお菓子はどれも絶品なものが多かったが、中には悪戯用にと奇衒ったものもあったので様々な意見が飛び交った。
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DOODLEランジク10/21:ランタン とある町に立ち寄った日のこと。グランはその町の長からある相談を持ちかけられていた。
町長は今年の収穫祭を前年よりも盛り上げたいと考え、近くの森をハロウィンのランタンで飾り付けるイベントを考案したらしい。しかし、他の催し物の準備に追われた結果、森の安全性についての調査までは手が回らず、腕の立つ騎空士に依頼をしようと考えているのだと。
グランが自分も騎空士であると話し、町長の相談を騎空団の団長として正式に依頼として受け、団員達と分担しながら森の調査を進めることになった。
明るい時間帯に確認した時点で、森の中に住む魔物は、こちらから手を出さない限り温厚に過ごす種類ばかりだということや、所々に散見する獣道に誤って入らないよう注意さえすれば問題はなさそうだった。
1388町長は今年の収穫祭を前年よりも盛り上げたいと考え、近くの森をハロウィンのランタンで飾り付けるイベントを考案したらしい。しかし、他の催し物の準備に追われた結果、森の安全性についての調査までは手が回らず、腕の立つ騎空士に依頼をしようと考えているのだと。
グランが自分も騎空士であると話し、町長の相談を騎空団の団長として正式に依頼として受け、団員達と分担しながら森の調査を進めることになった。
明るい時間帯に確認した時点で、森の中に住む魔物は、こちらから手を出さない限り温厚に過ごす種類ばかりだということや、所々に散見する獣道に誤って入らないよう注意さえすれば問題はなさそうだった。
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DOODLEランジク10/19:仮装の準備「今年も竜の仮装なんですね」
どことなく心楽しそうにランスロットが声をかけると、ジークフリートは小さく笑う。
「子供達もかなり気に入ってくれたからな」
去年のハロウィンでジークフリートが作成した衣装は相当好評だった。その時の衣装である、羽が付いたマントを子供達に貸し出したはいいものの、次々と自分にも貸して欲しいと申し出る者が現れ、ジークフリートの手元に衣装が戻ってきたのは随分時間が経ってからだったそうだ。
待っている間に何の仮装をしているのかと何度も尋ねられてしまったこともあり、今年はせめて、祭の間中誰かに貸せるようにと、マントをもう一つ作ることにしたらしい。
黙々と縫合するジークフリートの指の動きを、まるで学習するかのようにランスロットは見つめていた。
986どことなく心楽しそうにランスロットが声をかけると、ジークフリートは小さく笑う。
「子供達もかなり気に入ってくれたからな」
去年のハロウィンでジークフリートが作成した衣装は相当好評だった。その時の衣装である、羽が付いたマントを子供達に貸し出したはいいものの、次々と自分にも貸して欲しいと申し出る者が現れ、ジークフリートの手元に衣装が戻ってきたのは随分時間が経ってからだったそうだ。
待っている間に何の仮装をしているのかと何度も尋ねられてしまったこともあり、今年はせめて、祭の間中誰かに貸せるようにと、マントをもう一つ作ることにしたらしい。
黙々と縫合するジークフリートの指の動きを、まるで学習するかのようにランスロットは見つめていた。