星むぎ
PAST先輩×後輩カプ。コンビニのモブ店員女子視点。
※ R18ではありませんが、コンドームの話が出てきます。
※数年前に二次創作で書いたものを一次創作としてリメイクしたものです。
コンビニ店員の私が深夜に目撃した男ふたり組の話。「ふぁー……あ、いらっしゃいませー」
真夜中は眠りにつく人が多いとは言え、コンビニに訪れる人はまばらでもいるし、そこには店員がいるわけで。かく言う私もそのひとりで、最寄り駅の終電も終えたこの時間に、時給の割のよさに惹かれ労働中だ。零れたあくびを誤魔化しながら、数十分ぶりに開いた自動ドアを振り返る。
客はふたり連れの青年たちだった。もうひとりに比べると少し背の低い黒髪の男が、エナジードリンクのコーナーで立ち止まった。茶髪でピアスをいくつも付けた連れがそれを後ろから覗きこみ、手に取ったのだろうドリンクを見て眉を顰める。
「あ、ケン。お前またそれ飲むのか?」
「っす。明日の生配信、ゲームクリアするまで終われないってヤツなんで。これないと無理なんすよね」
2921真夜中は眠りにつく人が多いとは言え、コンビニに訪れる人はまばらでもいるし、そこには店員がいるわけで。かく言う私もそのひとりで、最寄り駅の終電も終えたこの時間に、時給の割のよさに惹かれ労働中だ。零れたあくびを誤魔化しながら、数十分ぶりに開いた自動ドアを振り返る。
客はふたり連れの青年たちだった。もうひとりに比べると少し背の低い黒髪の男が、エナジードリンクのコーナーで立ち止まった。茶髪でピアスをいくつも付けた連れがそれを後ろから覗きこみ、手に取ったのだろうドリンクを見て眉を顰める。
「あ、ケン。お前またそれ飲むのか?」
「っす。明日の生配信、ゲームクリアするまで終われないってヤツなんで。これないと無理なんすよね」
有島 乙芭
DONE◆本編▶︎https://kakuyomu.jp/works/16817330652084933686・今回の前編は固定ツイートにもあります.(近々固定解除)
◆後半部はホワイトデーまでの期間限定公開
▶︎ホワイトデーの後、FANBOX/プチプランに移動します.
▶︎前編はツイノベとほぼ同じ内容。後編増量追加のため、加筆修正.
・リアクションいただけるとポイピク投稿しやすくなるので、ぜひ……
佐藤の誕生日(11/17)SS(ツイノベ)前編3月10日「砂糖の日」記念も兼ねて……
【Side ♠️ Sugar】
俺は今、目の前の幸せを噛み締めている────
汐見と同居……ちがった、同棲生活を開始して1ヶ月半が経過。
今日は俺の誕生日だ。
思えば片想い期間が長すぎた……7年半だぞ?! 俺ともあろう者が……いやまぁ、相手があの汐見だからな。
そもそもの話だが、男同士だからとか、親友だからという理由で俺が直接何も行動に移さなかったことが原因だし、今考えるとあの状況では仕方なかった。
とりあえず今日は週末休み前の平日だが、俺は今、会社から直帰している。
汐見が出向という形で別会社になり、同僚とは言い難くなったが、汐見と一緒に暮らしてみてわかったことが結構ある。
5255【Side ♠️ Sugar】
俺は今、目の前の幸せを噛み締めている────
汐見と同居……ちがった、同棲生活を開始して1ヶ月半が経過。
今日は俺の誕生日だ。
思えば片想い期間が長すぎた……7年半だぞ?! 俺ともあろう者が……いやまぁ、相手があの汐見だからな。
そもそもの話だが、男同士だからとか、親友だからという理由で俺が直接何も行動に移さなかったことが原因だし、今考えるとあの状況では仕方なかった。
とりあえず今日は週末休み前の平日だが、俺は今、会社から直帰している。
汐見が出向という形で別会社になり、同僚とは言い難くなったが、汐見と一緒に暮らしてみてわかったことが結構ある。
星むぎ
DOODLEポリセクを知らないふたりが結果的にポリセクみたいになってしまう話。同い年大学生カップル
陽キャ攻め 桃真(とうま)
ダウナー系受け 青也(せいや)
ポリセクもどき・1日目「あーお腹いっぱい!替え玉もう一回すればよかったぁ!」
「桃真はほんとよく食うよな」
「今日は特別腹減ったもん」
「替え玉はいつもしてるじゃん」
「えー?はは、確かに」
月曜日の街を、桃真と青也は並んで歩いている。大学が終わった後、フットサルのサークルでひと汗かいてラーメン屋に飛びこんだ。じゃんけんで勝った青也のチョイスで、味噌ラーメン。それぞれチャーシューを3枚トッピングしたが、青也は自分の分の1枚を桃真のどんぶりに入れた。本当は2枚で充分だったし、桃真の驚いた顔と嬉しそうな笑顔が見られたのだから儲けだ。
青也のひとり暮らしをするアパートに近づくほど、人通りは少なくなっていく。大きな信号をひとつ入って、コンビニを通り過ぎたらどちらからともなく手を繋ぐ。大学で出逢って付き合いだしたふたりの、いつの間にか生まれたいつも通りだ。
1401「桃真はほんとよく食うよな」
「今日は特別腹減ったもん」
「替え玉はいつもしてるじゃん」
「えー?はは、確かに」
月曜日の街を、桃真と青也は並んで歩いている。大学が終わった後、フットサルのサークルでひと汗かいてラーメン屋に飛びこんだ。じゃんけんで勝った青也のチョイスで、味噌ラーメン。それぞれチャーシューを3枚トッピングしたが、青也は自分の分の1枚を桃真のどんぶりに入れた。本当は2枚で充分だったし、桃真の驚いた顔と嬉しそうな笑顔が見られたのだから儲けだ。
青也のひとり暮らしをするアパートに近づくほど、人通りは少なくなっていく。大きな信号をひとつ入って、コンビニを通り過ぎたらどちらからともなく手を繋ぐ。大学で出逢って付き合いだしたふたりの、いつの間にか生まれたいつも通りだ。
星むぎ
DOODLE親友、同級生。片想い。陽太と皐月。
続く予定です。
親友に恋してもいいですか 野球部の活動で毎日くたくたの俺は、今日も今日とて日付が変わる前に布団に潜りこんだ。その瞬間から記憶は途絶えているから、ものの三秒で眠ったのかもしれない。ふと目が覚めたが、窓の外はまだ真っ暗だ。
目覚ましがわりのスマートフォンを確認すると、午前二時。このくらいの時間に一度起きると、たっぷりと二度寝が味わえるようで得した気分になる。
さあ、もう一度夢の中へ。そう思った時、手のひらの下のスマートフォンが光った。指のすき間から、緑のアプリアイコンが見える。LINEメッセージを受信した報せのようだ。
こんな時間に一体誰だろう。ロック画面を確認すると、友人の名前と共に、“電話してもいい?”のひと言。
「皐月(さつき)……?」
4029目覚ましがわりのスマートフォンを確認すると、午前二時。このくらいの時間に一度起きると、たっぷりと二度寝が味わえるようで得した気分になる。
さあ、もう一度夢の中へ。そう思った時、手のひらの下のスマートフォンが光った。指のすき間から、緑のアプリアイコンが見える。LINEメッセージを受信した報せのようだ。
こんな時間に一体誰だろう。ロック画面を確認すると、友人の名前と共に、“電話してもいい?”のひと言。
「皐月(さつき)……?」
七海みなも
MENU骨董屋の縁側でお話をする傑とアヤ。悶々している傑視点です。
英雄の器とは 手土産片手に訪ねた骨董屋。
パワーストーンだという貴石を惜しみなく敷いた中庭は、夏至の強い日差しを受け、今日も独特な色を放っている。
夏の盛りにも拘わらず縁側が涼しいのは、もしかしたらこの妖しささえ感じる庭の所為なのかもしれない。
そんな失礼な事を考えながら入道雲を眺めていると、不意に涼やかな声が耳膜を打った。
「『英雄と云うものは天と戦うものなのだろう』……」
「え?」
視線を落とせば、俺の膝を枕に昼寝を楽しんでいた筈のアヤさんが、くふくふと喉を鳴らしている。
いつ起きたのだろう。全く気づかなかった。
睡魔の残る瞳を撓ませる彼は、無言で驚く俺を見上げて言葉を繋ぐ。
「『英雄の器』に出てくる言葉だよ。急に思い出しちゃった」
2563パワーストーンだという貴石を惜しみなく敷いた中庭は、夏至の強い日差しを受け、今日も独特な色を放っている。
夏の盛りにも拘わらず縁側が涼しいのは、もしかしたらこの妖しささえ感じる庭の所為なのかもしれない。
そんな失礼な事を考えながら入道雲を眺めていると、不意に涼やかな声が耳膜を打った。
「『英雄と云うものは天と戦うものなのだろう』……」
「え?」
視線を落とせば、俺の膝を枕に昼寝を楽しんでいた筈のアヤさんが、くふくふと喉を鳴らしている。
いつ起きたのだろう。全く気づかなかった。
睡魔の残る瞳を撓ませる彼は、無言で驚く俺を見上げて言葉を繋ぐ。
「『英雄の器』に出てくる言葉だよ。急に思い出しちゃった」
七海みなも
1111共依存型ヤンデレ双子の一話冒頭です。まだ幼稚園生の頃の遣り取り。
一話丸ごと支部に投稿しておりますので、興味がありましたら宜しくお願い致します。
幸福論を蔑む足跡(冒頭) 白い山が平らになり、リビングのカーペットが見えてきた。
母さんのマグカップを割った罰として渡されたのは、取り込みたてのタオルの山。きっちり畳みきるよう命じられた俺は素直に頷き、広げた両腕より大きなそれを、せっせと四つ折りにしていった。
これさえやり切れば二葉を取り戻せる。
文句や言い訳を口にする時間すら惜しい。一秒でも早く二葉を迎えに行きたい。
その一心で手を動かしていく。
溺愛する双子の弟は、俺の邪魔になるからという理由で客間へ連れ去られてしまった。
基本的に聞き分けが良くて大人しい二葉だ、俺の邪魔などしないのに。
恐らく母さんは俺が二葉を連れて脱走すると考え、先手を打ったのだろう。
更にもう一つ。
2397母さんのマグカップを割った罰として渡されたのは、取り込みたてのタオルの山。きっちり畳みきるよう命じられた俺は素直に頷き、広げた両腕より大きなそれを、せっせと四つ折りにしていった。
これさえやり切れば二葉を取り戻せる。
文句や言い訳を口にする時間すら惜しい。一秒でも早く二葉を迎えに行きたい。
その一心で手を動かしていく。
溺愛する双子の弟は、俺の邪魔になるからという理由で客間へ連れ去られてしまった。
基本的に聞き分けが良くて大人しい二葉だ、俺の邪魔などしないのに。
恐らく母さんは俺が二葉を連れて脱走すると考え、先手を打ったのだろう。
更にもう一つ。
七海みなも
Reuse Halloween以前画像で上げた骨董屋さんのハロウィンSS🎃白バイ隊員の伊織と骨董屋二人のちょっとしたお話。
白バイ隊員の悪戯いつも通りの警邏。
いつも通りの休憩時間に、矢張りいつも通り相棒を放置して、俺は骨董屋へ向かった。
連続不審事故や餓鬼玉事件で世話になった骨董屋である。
何の因果か知らないが『はい、さようなら』と切れる縁ではなかったらしい。
否。
あの変わり者たちに進んで関わろうとしている自分も、多少いるのだが。
ただのオブジェと化している可哀想な軽自動車の隣に白バイを停め、見た目以上に重い引き戸を潜り店内へ踏み入る。
迎えてくれたのは白檀の香りと、普段は漂って来ない蓮華の匂い。
どうやら今日は『当たり』らしい。
広めなコンビニ程の店である、目的の場所は直ぐに現れた。
店の最奥。会計処の小机に向かって座る、二人の男性。
ジャージ姿の仏頂面と、蓮の浮く墨染めの着流しに身を包んだ麗人——店主のユウさんと従業員のアヤさんだ。
2054いつも通りの休憩時間に、矢張りいつも通り相棒を放置して、俺は骨董屋へ向かった。
連続不審事故や餓鬼玉事件で世話になった骨董屋である。
何の因果か知らないが『はい、さようなら』と切れる縁ではなかったらしい。
否。
あの変わり者たちに進んで関わろうとしている自分も、多少いるのだが。
ただのオブジェと化している可哀想な軽自動車の隣に白バイを停め、見た目以上に重い引き戸を潜り店内へ踏み入る。
迎えてくれたのは白檀の香りと、普段は漂って来ない蓮華の匂い。
どうやら今日は『当たり』らしい。
広めなコンビニ程の店である、目的の場所は直ぐに現れた。
店の最奥。会計処の小机に向かって座る、二人の男性。
ジャージ姿の仏頂面と、蓮の浮く墨染めの着流しに身を包んだ麗人——店主のユウさんと従業員のアヤさんだ。
うらひと
MEMO【天使×少年のBL】自称天使(地上にいるので堕天使)が少年を唆して暗殺者にするお話。怯える少年もやがて狂気を含むようになり、また寝床で優しくしてくる天使に依存していく。
天使×孤児BL 1「……♪」
「…………何さ」
孤児となった僕には、それは吉報だったのだろうか。目の前には天使がいた。
神の遣いらしく白い装いに『それらしい』羽。しかしながら、あまりにもこちらを舐めて見下したような、ふさわしくない表情。
「いいよ、続けなよ。ボクはその方が好きだから」
自暴自棄になって人に手を掛けている最中であった僕でも、一瞬手を放し、相手は逃げていく。これは、神の遣いの振る舞いではない。これだけは分かる。
「勿体ない、逃げちゃったね。さて、どうする? 成功しようがしまいが、キミは追われる身になっていたわけだけど」
652「…………何さ」
孤児となった僕には、それは吉報だったのだろうか。目の前には天使がいた。
神の遣いらしく白い装いに『それらしい』羽。しかしながら、あまりにもこちらを舐めて見下したような、ふさわしくない表情。
「いいよ、続けなよ。ボクはその方が好きだから」
自暴自棄になって人に手を掛けている最中であった僕でも、一瞬手を放し、相手は逃げていく。これは、神の遣いの振る舞いではない。これだけは分かる。
「勿体ない、逃げちゃったね。さて、どうする? 成功しようがしまいが、キミは追われる身になっていたわけだけど」