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    あおと

    DOODLEプロヒかっちゃんと大学生デクくん
    飲み会で酔っぱらったデクくんを迎えに行って、ポロりと零された本音の一端を知るかっちゃん
    (出したいなぁ、と書いている原稿の一部より)
     書き終えた報告書を送信し、ノートパソコンを閉じる。少しばかり凝った首を解しながら、どれだけ却下しようともこれは絶対に掛けたいんだと出久が断固として譲らず結局俺が折れたオールマイトモデルの掛け時計へと視線を向ければ、針が間もなく二十二時を示そうとしているのを認めて、眉間に皺を寄せた。

     遅せぇ。

     学部の飲み会だとは聞いている。だが今朝出ていく際、「始まる時間は早いから、二十一時までには帰ってくるよ」と宣言していったはずだ。
     一時間オーバーしてんぞ、おい。
     机の脇に放置していたスマホにも連絡は来ていない。別に自分だって、仕事が長引いて帰りが遅くなることはままある。野郎の帰りが遅いくらい、いちいち気にする必要なんざ本当なら全くないが、ひとりにするとふらりといなくなる前科があるだけに、こと出久に関しては放置し難い。かといってGPSまでは流石にやり過ぎだろうと思い、代わりにお互い仕事であれバイトであれ、予定よりも帰宅が遅れる場合は必ず連絡を入れるよう、同居時のルールのひとつとして設けたのだ。誰の為に決めたルールなのか知ってか知らずか、かっちゃんって意外とそういうところ厳しいよね、なんて呑気かつ無礼な発言をしながらもあいつだってこれまで律儀に守り通してきた。
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