sasa002525
DONE雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!12月26日雪原先生おめでとう〜な雪メイちゃん❄️
#雪原誕生日アドカレ2022
当日。「……随分と大荷物だな」
「いろいろあって……」
十二月二十六日。当日。
大量の荷物を両手に持つメイに、雪原は目を丸くした。
せっかくたくさんの意見をいただいたので、全部盛り込もうとしたらこうなってしまったのだ。
雪原は戸惑いつつもメイの持っている手荷物を受け取り、部屋の中に促す。
あまり部屋に帰らないと言っていただけあって、室内は殺風景で必要最低限の物しか揃えられていない。
メイはローテーブルの近くにちょこんと座ると、同じように腰を下ろした雪原を見た。
「ええと、ちょっと準備したいので目をつぶっててもらえますか」
「準備?」
「はい。お願いします」
「……わかった」
有無を言わせない勢いで頷くと、雪原はやや訝しげな目をした後で素直にまぶたを閉じた。
3122「いろいろあって……」
十二月二十六日。当日。
大量の荷物を両手に持つメイに、雪原は目を丸くした。
せっかくたくさんの意見をいただいたので、全部盛り込もうとしたらこうなってしまったのだ。
雪原は戸惑いつつもメイの持っている手荷物を受け取り、部屋の中に促す。
あまり部屋に帰らないと言っていただけあって、室内は殺風景で必要最低限の物しか揃えられていない。
メイはローテーブルの近くにちょこんと座ると、同じように腰を下ろした雪原を見た。
「ええと、ちょっと準備したいので目をつぶっててもらえますか」
「準備?」
「はい。お願いします」
「……わかった」
有無を言わせない勢いで頷くと、雪原はやや訝しげな目をした後で素直にまぶたを閉じた。
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DONE雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!……な雪メイのメイちゃんの12月25日❄️
#雪原誕生日アドカレ2022
一日前。 いよいよ明日に差し迫った雪原の誕生日を前に、メイは特対の三人を突撃していた。
忙しいなか、時間を割いてくれた三人には感謝してもしきれない。
「雪原先生の誕生日か」
「明日ですよね!」
春野と秋元がそれぞれ頷く。
「雪原先生の誕生日がどうしたの?」
夏井に訊かれてメイは定番となった質問を口にした。
「特対のみなさんが思うお誕生日って何ですか?」
「なにそれ、大喜利?」
夏井が怪訝そうな顔で首を傾げる。
「い、いえ、そういうわけでは……」
半分大喜利のようになっている気もするが、意図してのことではない。
慌てて手を横に振るメイに、春野が何か思い出すようにしながら候補を挙げていった。
「誕生日か。やはりプレゼントとケーキと……」
1370忙しいなか、時間を割いてくれた三人には感謝してもしきれない。
「雪原先生の誕生日か」
「明日ですよね!」
春野と秋元がそれぞれ頷く。
「雪原先生の誕生日がどうしたの?」
夏井に訊かれてメイは定番となった質問を口にした。
「特対のみなさんが思うお誕生日って何ですか?」
「なにそれ、大喜利?」
夏井が怪訝そうな顔で首を傾げる。
「い、いえ、そういうわけでは……」
半分大喜利のようになっている気もするが、意図してのことではない。
慌てて手を横に振るメイに、春野が何か思い出すようにしながら候補を挙げていった。
「誕生日か。やはりプレゼントとケーキと……」
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DONE雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!……な雪メイのメイちゃんの12月24日❄️
#雪原誕生日アドカレ2022
二日前。「雪原先生の誕生日?」
十二月二十四日。
まだ話を訊けていないジョージと山神の二人を捕まえて、メイはもはや定番となった質問を投げかけた。
「はい。なにかいい案があれば教えていただきたいです」
ぎゅっといつものペンとメモを握ったメイに、まず答えたのは山神である。
「エトワールが選んでくれたものならなんでも嬉しいさ」
それは直も似たようなことを言っていた。
ううん、と首を傾げるメイに言葉を足したのはジョージだ。
「そうだね。何かに関わらず、自分のことを考えて選んでくれたならとても嬉しいよ」
「そういうものでしょうか」
「そういうものさ」
再び山神が肯定し、メイはわかったようなわからないような顔で頷いた。
「二十六日は雪原先生と会うの?」
1201十二月二十四日。
まだ話を訊けていないジョージと山神の二人を捕まえて、メイはもはや定番となった質問を投げかけた。
「はい。なにかいい案があれば教えていただきたいです」
ぎゅっといつものペンとメモを握ったメイに、まず答えたのは山神である。
「エトワールが選んでくれたものならなんでも嬉しいさ」
それは直も似たようなことを言っていた。
ううん、と首を傾げるメイに言葉を足したのはジョージだ。
「そうだね。何かに関わらず、自分のことを考えて選んでくれたならとても嬉しいよ」
「そういうものでしょうか」
「そういうものさ」
再び山神が肯定し、メイはわかったようなわからないような顔で頷いた。
「二十六日は雪原先生と会うの?」
相 田
DONE #雪原誕生日アドカレ2022だいぶ主人公の様子がおかしいコメディSSです。
ぬいは人を狂わせる……
彼に似ている小さな彼 事の発端は、尾行帰りに通ったゲームセンターで、雪原先生そっくりのぬいぐるみを見かけたことだった。
まるで先生をモデルに作られたかと思うほど特徴が似通った二頭身のキャラクターは、デフォルメされた大きく簡易な瞳でこちらをじっと見ている――ように思えた。
気が付けば、私は数千円と引き換えにそのぬいぐるみを手に入れていた。普段ならばこの金額を費やすのにそこそこの葛藤が生じるはずだが、予想を遥かに上回る弱さのアームとの駆け引きに、つい夢中になってしまった。この手にあるのは魔性のぬいぐるみだ。強い魔力は却って魔除けになると山神さんが言っていた気がする。これは、常日頃病魔を滅ぼさんとすべく闘っている雪原先生にあげることとしよう。
2513まるで先生をモデルに作られたかと思うほど特徴が似通った二頭身のキャラクターは、デフォルメされた大きく簡易な瞳でこちらをじっと見ている――ように思えた。
気が付けば、私は数千円と引き換えにそのぬいぐるみを手に入れていた。普段ならばこの金額を費やすのにそこそこの葛藤が生じるはずだが、予想を遥かに上回る弱さのアームとの駆け引きに、つい夢中になってしまった。この手にあるのは魔性のぬいぐるみだ。強い魔力は却って魔除けになると山神さんが言っていた気がする。これは、常日頃病魔を滅ぼさんとすべく闘っている雪原先生にあげることとしよう。
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DONE雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!……な雪メイのメイちゃんの12月23日。
#雪原誕生日アドカレ2022
三日前。「火村さん、ケーキの作り方教えてくれませんか」
十二月二十三日。
ついに雪原の誕生日まであと三日に差し迫った今日、メイはやはりメモとペンを片手に意気込んでいた。
「珍しいな。どんなケーキが作りてえんだ?」
「雪原先生の誕生日ケーキを」
「ああなるほど。そういやもうそろそろか」
頷く火村にメイは持っていたメモを小さく掲げる。
「はい。みなさんにアイディアいただいて。手作りケーキが提案にあったので、火村さんに教えていただこうと」
「ハハ、そういうことなら任せとけ。雪原先生に喜んでもらえるようなケーキにしような」
「はい!」
ケーキを作るの自体は前日の夜にするとして、どんなケーキにしようか火村と膝を突き合わせて相談する。
1038十二月二十三日。
ついに雪原の誕生日まであと三日に差し迫った今日、メイはやはりメモとペンを片手に意気込んでいた。
「珍しいな。どんなケーキが作りてえんだ?」
「雪原先生の誕生日ケーキを」
「ああなるほど。そういやもうそろそろか」
頷く火村にメイは持っていたメモを小さく掲げる。
「はい。みなさんにアイディアいただいて。手作りケーキが提案にあったので、火村さんに教えていただこうと」
「ハハ、そういうことなら任せとけ。雪原先生に喜んでもらえるようなケーキにしような」
「はい!」
ケーキを作るの自体は前日の夜にするとして、どんなケーキにしようか火村と膝を突き合わせて相談する。
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DONE雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!……な雪メイちゃんの12月22日
#雪原誕生日アドカレ2022
四日前。「雪原先生のお誕生日ですか」
「あー、たしかにもうすぐだね」
十二月二十二日。
メイはもういっそのこと知り合い全員に相談をしようと決め、ナイトと東海林に向かい合っていた。
「そうなんです。そこで皆さんに意見をお伺いしていて」
ペンとメモを握りしめたメイに、ナイトが悩むように指を顎に当てる。
「やっぱり定番はケーキでしょうか」
ケーキ。
たしかに定番中の定番である。思いつかなかったことを不甲斐なく感じつつ、ナイトの隣にいる東海林を窺う。
「まあ……誕生日ケーキは欲しいよね。あと肉」
「やっぱりケーキは必須ですか」
「肉もだって」
頷くメイに東海林が強調して繰り返した。
「……お肉」
正直なところ、雪原が肉を喜んで食べる姿が浮かばない。
931「あー、たしかにもうすぐだね」
十二月二十二日。
メイはもういっそのこと知り合い全員に相談をしようと決め、ナイトと東海林に向かい合っていた。
「そうなんです。そこで皆さんに意見をお伺いしていて」
ペンとメモを握りしめたメイに、ナイトが悩むように指を顎に当てる。
「やっぱり定番はケーキでしょうか」
ケーキ。
たしかに定番中の定番である。思いつかなかったことを不甲斐なく感じつつ、ナイトの隣にいる東海林を窺う。
「まあ……誕生日ケーキは欲しいよね。あと肉」
「やっぱりケーキは必須ですか」
「肉もだって」
頷くメイに東海林が強調して繰り返した。
「……お肉」
正直なところ、雪原が肉を喜んで食べる姿が浮かばない。
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DONE雪原先生の誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!……な雪メイのメイちゃんの12月21日。
#雪原誕生日アドカレ2022
五日前。「雪原先生への誕生日プレゼントか」
「そーいやもうすぐ誕生日だもんなー」
風晴と空田が各々頷く。
十二月二十一日。
雪原の誕生日まであと五日に差し迫ってなお、メイはまだ悩んでいた。
「はい。所長にも聞いたのですが……」
あまり参考にならなかった、というのは心の中に留めておく。
「ちなみに所長はなんて?」
空田が興味津々でメイに訊いた。
「これです」
隠すことでもないので持っていたメモを二人に見せる。
一行目は揃ってスルーしたが、二行目で反応が分かれた。
「……七篠、これ本当にやるつもりか?」
「いいじゃんいいじゃん! 絶対喜ぶって!」
風晴は渋い顔をしているが、空田は結城の意見に全面賛成のようだ。
現状二対一で賛成票のほうが多い。
885「そーいやもうすぐ誕生日だもんなー」
風晴と空田が各々頷く。
十二月二十一日。
雪原の誕生日まであと五日に差し迫ってなお、メイはまだ悩んでいた。
「はい。所長にも聞いたのですが……」
あまり参考にならなかった、というのは心の中に留めておく。
「ちなみに所長はなんて?」
空田が興味津々でメイに訊いた。
「これです」
隠すことでもないので持っていたメモを二人に見せる。
一行目は揃ってスルーしたが、二行目で反応が分かれた。
「……七篠、これ本当にやるつもりか?」
「いいじゃんいいじゃん! 絶対喜ぶって!」
風晴は渋い顔をしているが、空田は結城の意見に全面賛成のようだ。
現状二対一で賛成票のほうが多い。
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DONEきたる12月26日、雪原先生のお誕生日をお祝いするためメイちゃんが東奔西走する――!#雪原誕生日アドカレ2022
六日前。「雪原への誕生日プレゼントぉ?」
めんどくさそうな結城の声が事務所に響いて、メイは小さく肩をすくめた。
十二月二十日。
雪原の誕生日があと六日に迫り、メイは焦っていた。
紆余曲折あって雪原と恋人という関係に落ち着いてから初めて迎える誕生日。
こんなに何も思いつかないものか、と自分を不甲斐なく思ったのは記憶に新しい。というか現在進行形で落ち込んでいる。
「はい。いいものが思いつかなくて……」
一ヶ月前からいろいろ考えてはいたが、どれもピンとこない。
雪原とそこそこ付き合いの長そうな結城なら、と思い切って訊いたのだが。
「そんなんお前、ハトのえさでもあげとけばいいだろ。喜ぶぞー」
「喜ぶのハトでは……?」
761めんどくさそうな結城の声が事務所に響いて、メイは小さく肩をすくめた。
十二月二十日。
雪原の誕生日があと六日に迫り、メイは焦っていた。
紆余曲折あって雪原と恋人という関係に落ち着いてから初めて迎える誕生日。
こんなに何も思いつかないものか、と自分を不甲斐なく思ったのは記憶に新しい。というか現在進行形で落ち込んでいる。
「はい。いいものが思いつかなくて……」
一ヶ月前からいろいろ考えてはいたが、どれもピンとこない。
雪原とそこそこ付き合いの長そうな結城なら、と思い切って訊いたのだが。
「そんなんお前、ハトのえさでもあげとけばいいだろ。喜ぶぞー」
「喜ぶのハトでは……?」