芝桜。
MOURNING留メフィ。obm留♂×メフィストフェレス。
名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。
※メフィスト家族の捏造あり
往年の名曲、レ○ッカのフレ○ズ。その歌詞です。
貴族様もきっと、口づけを交わした日はパパの顔さえも見れなかっただろうなぁ、という話。
口づけを交わした日は ぼんやりとして、目の前のことに集中できない。
自分が今どこで何をしているかという現実よりも、脳内で何度も繰り返し再生される場面の方に意識を全て持っていかれる。
新聞部。放課後。本棚。留学生。……唇。
『メフィスト、好きだよ』
「……メフィストフェレス。聞いているのか」
父の声に呼ばれ、私は慌てて顔を上げた。
「はい、父上」
若干の苛立ちをはらんだ父の声は、何度か呼びかけても反応が無かった私の態度によるものだろう。父は夕食を食べる手を止め、テーブルの斜向かいから訝しそうに私を見つめていた。
テーブルの上にはメインディッシュの魚。家族揃ってダイニングテーブルに着席している。父と兄の様子を見て、まだ幼い顔をした弟も向かい側から心配そうに私の顔色をうかがっている。
1624自分が今どこで何をしているかという現実よりも、脳内で何度も繰り返し再生される場面の方に意識を全て持っていかれる。
新聞部。放課後。本棚。留学生。……唇。
『メフィスト、好きだよ』
「……メフィストフェレス。聞いているのか」
父の声に呼ばれ、私は慌てて顔を上げた。
「はい、父上」
若干の苛立ちをはらんだ父の声は、何度か呼びかけても反応が無かった私の態度によるものだろう。父は夕食を食べる手を止め、テーブルの斜向かいから訝しそうに私を見つめていた。
テーブルの上にはメインディッシュの魚。家族揃ってダイニングテーブルに着席している。父と兄の様子を見て、まだ幼い顔をした弟も向かい側から心配そうに私の顔色をうかがっている。
芝桜。
DONE留学生♂×メフィストフェレス「始まりは別れの手紙から」
企画に参加させていただきました。
私のことをどうか忘れてください、
という手紙から始めるストーリーです。
#obm_始まりは別れの手紙から
悪魔の心臓『俺のことをどうか忘れてください』
机の上には、そう書かれた手紙と一枚の写真がある。メフィストフェレスを斜め後ろから撮影した写真だ。RAD新聞部の部室でデスクに向かって椅子に腰掛けているメフィストフェレス。そのほかには特に何も写っていない。
自室の整理をしている時にたまたま見つけた写真だった。学生時代のものをまとめて保管している箱の中に入っていた。クローゼットの奥から引っ張り出した箱の、そのさらに下の方に入っていた封筒の中身だ。
この写真がどのタイミングで撮られたものなのか、なぜこんな手紙と一緒にここにあるのか。思い出そうとしても、その出来事はもう完全にメフィストフェレスの記憶からは忘れ去られていた。
3157机の上には、そう書かれた手紙と一枚の写真がある。メフィストフェレスを斜め後ろから撮影した写真だ。RAD新聞部の部室でデスクに向かって椅子に腰掛けているメフィストフェレス。そのほかには特に何も写っていない。
自室の整理をしている時にたまたま見つけた写真だった。学生時代のものをまとめて保管している箱の中に入っていた。クローゼットの奥から引っ張り出した箱の、そのさらに下の方に入っていた封筒の中身だ。
この写真がどのタイミングで撮られたものなのか、なぜこんな手紙と一緒にここにあるのか。思い出そうとしても、その出来事はもう完全にメフィストフェレスの記憶からは忘れ去られていた。
芝桜。
DONE留メフィ。obm留♂×メフィストフェレス。
名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。
うっかり呪いのアクセサリーを買ってしまった話。
悪魔は意外にも過保護なのか 放課後、俺はウキウキしながら新聞部へと向かった。
今日は制服を着崩さずにきちんと着ている。きちんとした服装をすると、心なしか背筋もしゃきっと伸びるような気持ちがする。普段は面倒な制服のネクタイもキレイに締めている。
コンコンコン
ノックを三回。中からメフィストの返事が聞こえる。俺はうやうやしくドアを開けて部室に入った。
「どうしたんだ? 今日はやけに礼儀正しいな」
礼儀正しいことは良いことのはずだが、普段と様子の違う俺にメフィストは身構えた。
「いやだなぁ、そんな顔で見ないでよ。何も企んでないからさ」
俺は苦笑いを浮かべる。そして、奥のデスクでパソコンに向かうメフィストのそばに颯爽と近づき、胸を張って自分のネクタイを指差した。
1733今日は制服を着崩さずにきちんと着ている。きちんとした服装をすると、心なしか背筋もしゃきっと伸びるような気持ちがする。普段は面倒な制服のネクタイもキレイに締めている。
コンコンコン
ノックを三回。中からメフィストの返事が聞こえる。俺はうやうやしくドアを開けて部室に入った。
「どうしたんだ? 今日はやけに礼儀正しいな」
礼儀正しいことは良いことのはずだが、普段と様子の違う俺にメフィストは身構えた。
「いやだなぁ、そんな顔で見ないでよ。何も企んでないからさ」
俺は苦笑いを浮かべる。そして、奥のデスクでパソコンに向かうメフィストのそばに颯爽と近づき、胸を張って自分のネクタイを指差した。
芝桜。
DONE留メフィ。obm留♂×メフィストフェレス。
名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。
お題「ウエディング」
#obm男MC版深夜の創作一本勝負
#obmプラスB攻
悪魔は誓いを立てるのか バタバタと廊下を駆け抜けて新聞部の部室のドアを勢いよく開く。
「ひゃー、メフィストごめんっ」
「なっ……! ちょっと待て、そこを動くな!」
メフィストは俺が大声をあげながら騒々しく部室に入ってきただけでも驚いたに違いない。それに加え、大洪水に流されてきたようにびしょ濡れに濡れた俺の姿を見て、きっと目眩がしただろう。
しかし、それでも卒倒したり激怒したりせずに、急いでタオルを取りに走ってくれた。大切なのは俺のことだろうか、それとも、紙だらけで水分に弱い新聞部の方だろうか。
メフィストは奥の部屋から白い大きなバスタオルを持って俺の前に帰ってきた。どうしてそんな物まで部室にあるのだろう。考えている間に、俺は洗われたあとの犬のようにわしゃわしゃと体中の水滴を拭き取られる。
721「ひゃー、メフィストごめんっ」
「なっ……! ちょっと待て、そこを動くな!」
メフィストは俺が大声をあげながら騒々しく部室に入ってきただけでも驚いたに違いない。それに加え、大洪水に流されてきたようにびしょ濡れに濡れた俺の姿を見て、きっと目眩がしただろう。
しかし、それでも卒倒したり激怒したりせずに、急いでタオルを取りに走ってくれた。大切なのは俺のことだろうか、それとも、紙だらけで水分に弱い新聞部の方だろうか。
メフィストは奥の部屋から白い大きなバスタオルを持って俺の前に帰ってきた。どうしてそんな物まで部室にあるのだろう。考えている間に、俺は洗われたあとの犬のようにわしゃわしゃと体中の水滴を拭き取られる。
芝桜。
DONE留メフィ。obm留♂×メフィストフェレス。
名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。
お題「傘」
#obm男MC版深夜の創作一本勝負
#obmプラスB攻
悪魔は雨にも濡れるのか ♪〜〜
自動ドアが開くと、呑気な入店音が鳴って店内に迎え入れられた。
(ふざけているのか)
メフィストフェレスはあからさまに不機嫌な顔をした。
新聞記事のための取材を終え、RADに帰ろうと歩いていた時、突然の雨に降られた。予想外のことで傘は持っていなかった。しばらく雨に打たれてしまったが、やっとのことでコンビニエンスストアを見つけて大急ぎで飛び込んだところだった。
額に垂れる雨粒の飛沫を手の甲で拭い、張り付く前髪を後ろに掻き上げる。ドアマットで軽く足踏みをして靴底の泥水を落とした後、入口のすぐそばに並べられたビニール傘を一本手に取った。
メフィストフェレスがビニール傘を手にするのは初めてのことだった。さらに言えば、コンビニに来ること自体ほとんどなかった。傘を持って、そのまますぐにレジに行こうとしたが、せっかくなので話のタネに少し店内を見て回ろうと思い直した。
1936自動ドアが開くと、呑気な入店音が鳴って店内に迎え入れられた。
(ふざけているのか)
メフィストフェレスはあからさまに不機嫌な顔をした。
新聞記事のための取材を終え、RADに帰ろうと歩いていた時、突然の雨に降られた。予想外のことで傘は持っていなかった。しばらく雨に打たれてしまったが、やっとのことでコンビニエンスストアを見つけて大急ぎで飛び込んだところだった。
額に垂れる雨粒の飛沫を手の甲で拭い、張り付く前髪を後ろに掻き上げる。ドアマットで軽く足踏みをして靴底の泥水を落とした後、入口のすぐそばに並べられたビニール傘を一本手に取った。
メフィストフェレスがビニール傘を手にするのは初めてのことだった。さらに言えば、コンビニに来ること自体ほとんどなかった。傘を持って、そのまますぐにレジに行こうとしたが、せっかくなので話のタネに少し店内を見て回ろうと思い直した。
芝桜。
DONE留メフィ。obm留♂×メフィ。
名無し留学生(俺)とメフィスト先輩。
センパイの悪魔姿が早く見たい。
悪魔は尻尾を隠したいのか(light)「は!? 悪魔本来の姿を見てみたいだと!?」
本棚に向かって書類の整理をしていたメフィストが大きな声を上げ、目を丸くして隣りに立つ俺を見た。
メフィストはどんな姿の悪魔なのだろうか。俺は、まだ一度もその姿を見たことがなかった。それで、何気なく「見てみたいな」と言ってみただけだったのだが、思った以上に動揺された。
でも、見せてくれるのなら見てみたい。
「悪魔姿って、みんなそれぞれ個性的だから気になるんだよ」
角はどんな形だろうか、羽はあるのだろうか。尻尾は。
悪魔たちのほとんど全員に角は生えているから、メフィストにもきっと角はあるに違いない。翼や尻尾はどうだろう。ルシファーやマモンには翼がある。レヴィやサタンには翼はない。その代わり、尻尾が生えている。俺は兄弟たちの悪魔姿をそれぞれ思い出す。
2035本棚に向かって書類の整理をしていたメフィストが大きな声を上げ、目を丸くして隣りに立つ俺を見た。
メフィストはどんな姿の悪魔なのだろうか。俺は、まだ一度もその姿を見たことがなかった。それで、何気なく「見てみたいな」と言ってみただけだったのだが、思った以上に動揺された。
でも、見せてくれるのなら見てみたい。
「悪魔姿って、みんなそれぞれ個性的だから気になるんだよ」
角はどんな形だろうか、羽はあるのだろうか。尻尾は。
悪魔たちのほとんど全員に角は生えているから、メフィストにもきっと角はあるに違いない。翼や尻尾はどうだろう。ルシファーやマモンには翼がある。レヴィやサタンには翼はない。その代わり、尻尾が生えている。俺は兄弟たちの悪魔姿をそれぞれ思い出す。
芝桜。
DONE留メフィ。育成イベントの留♂×メフィスト。
昨日イベスト読んで、これしか思いつきませんでした。
即興で書いたのでお見苦しい部分は目をつぶって下さい……
たまごはすごい、すごいイベントだ。
悪魔は意外にも子煩悩なのか(センパイのつわりが重い……)
自室のベッドで卵を抱え、うずくまるようにして座り込むメフィストの腰を、俺は何度も手のひらでさすった。隣りに腰掛けて顔を覗くと額には汗が滲んでいた。
「メフィスト、大丈夫?」
俺はポケットからハンカチを出して軽く押し付けるようにして汗を拭いてやった。人間界にいた頃はハンカチなんて持ったことは無かったが、魔界に来てからは常に制服のポケットに入っている。RADの紳士教育とルシファーの躾の賜物だ。まさか、こんな時に役に立つとは思わなかった。
「ふぅ……」
メフィストは息をするのも苦しそうだ。
「なんか、ごめんね。俺が卵を一緒に育てようなんて言わなければ……」
議場で殿下から卵を預かった後、俺はメフィストにも見せてあげようと思い、彼の邸宅へと向かった。
1932自室のベッドで卵を抱え、うずくまるようにして座り込むメフィストの腰を、俺は何度も手のひらでさすった。隣りに腰掛けて顔を覗くと額には汗が滲んでいた。
「メフィスト、大丈夫?」
俺はポケットからハンカチを出して軽く押し付けるようにして汗を拭いてやった。人間界にいた頃はハンカチなんて持ったことは無かったが、魔界に来てからは常に制服のポケットに入っている。RADの紳士教育とルシファーの躾の賜物だ。まさか、こんな時に役に立つとは思わなかった。
「ふぅ……」
メフィストは息をするのも苦しそうだ。
「なんか、ごめんね。俺が卵を一緒に育てようなんて言わなければ……」
議場で殿下から卵を預かった後、俺はメフィストにも見せてあげようと思い、彼の邸宅へと向かった。
芝桜。
DONE留メフィ。5/22 イベント用展示②
obm 留♂×メフィストSS。
キスあり。
(2000字程度)
悪魔のキスは特別なのか 放課後の図書館で新聞部の資料を集めている。
果てしなく背の高い本棚を見上げると、翼を持った悪魔が羨ましくなる。背伸びをして手を伸ばし、ギリギリで届いた背表紙に指を引っ掛かけ、目当ての本を手元に引き寄せる。何とか無事に取り出せた。
(ふぅ……)
本を手に、俺は獲物を獲った猫のように得意げに後ろを振り向いた。しかし、そこで成果を見ているとばかり思っていたその人は、退屈そうに閲覧コーナーの椅子に腰掛け、白い手袋の指先を遊ばせていた。
「セーンパーイ」
俺が呼びかけると、メフィストはめんどくさそうに顔を上げた。
「終わったか?」
「終わったよ」
メフィストの目の前に集めた資料をドンと積み上げる。メフィストは一冊一冊タイトルを確認し頷いた。
1839果てしなく背の高い本棚を見上げると、翼を持った悪魔が羨ましくなる。背伸びをして手を伸ばし、ギリギリで届いた背表紙に指を引っ掛かけ、目当ての本を手元に引き寄せる。何とか無事に取り出せた。
(ふぅ……)
本を手に、俺は獲物を獲った猫のように得意げに後ろを振り向いた。しかし、そこで成果を見ているとばかり思っていたその人は、退屈そうに閲覧コーナーの椅子に腰掛け、白い手袋の指先を遊ばせていた。
「セーンパーイ」
俺が呼びかけると、メフィストはめんどくさそうに顔を上げた。
「終わったか?」
「終わったよ」
メフィストの目の前に集めた資料をドンと積み上げる。メフィストは一冊一冊タイトルを確認し頷いた。
芝桜。
DONE留メフィ。5/22 イベント用展示。
obm 留♂×メフィストSS。
(4000字程度)
悪魔の髪の毛は伸びるのか「失礼しまーす」
今となっては勝手知ったるドアを開け、俺は新聞部の部室(ぶしつ)の中に入る。
正面のデスクに向かうメフィストフェレスがチラリと顔を上げてこちらを見たが、すぐに目線を戻した。今日も部室には彼の他に誰の姿もない。
迷わず真っ直ぐ突き当たりまで進み、デスクに向かうメフィストの斜め後ろの壁に寄りかかって腰を下ろした。視線を上げると、椅子の背もたれの向こうにメフィストのうなじが見える。綺麗に刈り揃えられた紫紺色の毛髪に褐色の肌が凛々しく眩しい。
「今日は何を?」
タイピングの手は止めずにメフィストが言う。
「今日は読書。サタンから借りてきた推理小説」
「そうか」
短い挨拶の後はお互いにほとんど何の干渉もしない。
3774今となっては勝手知ったるドアを開け、俺は新聞部の部室(ぶしつ)の中に入る。
正面のデスクに向かうメフィストフェレスがチラリと顔を上げてこちらを見たが、すぐに目線を戻した。今日も部室には彼の他に誰の姿もない。
迷わず真っ直ぐ突き当たりまで進み、デスクに向かうメフィストの斜め後ろの壁に寄りかかって腰を下ろした。視線を上げると、椅子の背もたれの向こうにメフィストのうなじが見える。綺麗に刈り揃えられた紫紺色の毛髪に褐色の肌が凛々しく眩しい。
「今日は何を?」
タイピングの手は止めずにメフィストが言う。
「今日は読書。サタンから借りてきた推理小説」
「そうか」
短い挨拶の後はお互いにほとんど何の干渉もしない。