ltochiri
DONE英智と桃李のバースデー後の『英智デー』にあんずが呼ばれた世界線の英あんです。癒しの象徴 会場の部屋に到着した瞬間、眩しいものが見えた。
「英智さま、どこか凝ってるところはない?」
英智の肩に手を置いた桃李が背中から顔を覗かせて英智に訊ねていた。
さながら天使を描いた西洋絵画のようだ。あんずは感動で震えていた。このまま彫刻にしたい。あんずが芸術家ならこの場で作業を開始して取り掛かっていただろう。
持ち前の天真爛漫で溌剌とした声に相手を労わる気持ちを乗せたらそこには優しい世界ができあがる。英智に体重をかけないようにしながらそれでも少し子どもっぽく無邪気な素振りを桃李は残していて——とにかく素晴らしいシチュエーションなのだ。
「う〜ん、レッスンで身体は動かしているつもりだけれど。それでもどうしても肩が凝ってしまうね」
4393「英智さま、どこか凝ってるところはない?」
英智の肩に手を置いた桃李が背中から顔を覗かせて英智に訊ねていた。
さながら天使を描いた西洋絵画のようだ。あんずは感動で震えていた。このまま彫刻にしたい。あんずが芸術家ならこの場で作業を開始して取り掛かっていただろう。
持ち前の天真爛漫で溌剌とした声に相手を労わる気持ちを乗せたらそこには優しい世界ができあがる。英智に体重をかけないようにしながらそれでも少し子どもっぽく無邪気な素振りを桃李は残していて——とにかく素晴らしいシチュエーションなのだ。
「う〜ん、レッスンで身体は動かしているつもりだけれど。それでもどうしても肩が凝ってしまうね」
ltochiri
DONE英智のバースデー後の『英智デー』にあんずちゃんが呼ばれなかった世界線の英あんです。健全です。バラの香りを味方につけて 朝の気配に、英智は目を覚ました。
白い光が、顔を照らす。その眩しさに顔を顰め、思わず寝返りを打っていた。
できることなら、もう少し眠っていたい。
上掛けを肩まで引っ張ると、バラの花の香りに包まれて、ますます心地いい気分になる。
時間的な余裕を欲しがるだなんて、贅沢な話だ。それだけ、穏やかな朝ということだろう。
まるで、夢みたいな世界だ。
横たわるベッドの隣には、温かな、自分以外の存在がある。
手を伸ばしたら触れられる距離に——同じベッドの中に、あの子が……。
ふと、英智は疑問を抱く。昨夜は何をしていたっけ。
——思い出せない。
英智が薄く目を開くと、横たわっているあんずの顔が間近に迫っていた。顔を覗き込むようにして英智の様子を伺っている。
3314白い光が、顔を照らす。その眩しさに顔を顰め、思わず寝返りを打っていた。
できることなら、もう少し眠っていたい。
上掛けを肩まで引っ張ると、バラの花の香りに包まれて、ますます心地いい気分になる。
時間的な余裕を欲しがるだなんて、贅沢な話だ。それだけ、穏やかな朝ということだろう。
まるで、夢みたいな世界だ。
横たわるベッドの隣には、温かな、自分以外の存在がある。
手を伸ばしたら触れられる距離に——同じベッドの中に、あの子が……。
ふと、英智は疑問を抱く。昨夜は何をしていたっけ。
——思い出せない。
英智が薄く目を開くと、横たわっているあんずの顔が間近に迫っていた。顔を覗き込むようにして英智の様子を伺っている。
ろじーにゃ
MOURNINGけっこう前の英あん。続き書かないけどなんかもったいないから供養英智くん長期戦のチェスみたいにじわじわあんずちゃんを絡めとる感じがすきだな〜ってのと、あんずちゃん何気にちゃんと気づいてるよね〜っていう。英智くん絶対ズ!の時から権力行使してお茶会してるよね!英あんの不思議な距離感すき「あんずちゃん」
ESビルの廊下を歩いていると、ふいに背後から”あの人”の声がした。反射で振り返れば、天祥院先輩がいつものように品のある柔らかい笑みをうかべてこちらへと近寄ってきた。気のせいか、かすかに穏やかな春の匂いがして、久しぶりに会う先輩の顔色が良さそうだった。...うん、すこし安心した。
「こんにちは、天祥院先輩。何かご用でしょうか?」
「こんにちは、あんずちゃん。今は急ぎの用事はあるかい?もし時間があれば、お茶に付き合ってくれないかな」
小首をかしげて私に尋ねる先輩は、少しいたずらっぽくてあどけない。以前は学院でよく見せてくれていた表情だけれど、今ではあまり見ることがない気がする。生徒会長よりも大きな立場に就いているからだと思う。
「春の紅茶と苺のミルフィーユを用意したんだ。マカロンもあるよ」
私を誘うように先輩が告げたラインナップに心がときめいた。先輩が用意してくれる紅茶とスイーツは感動するほど美味しくて大好きだから、ついつい頬がゆるんでしまう。そんな私の様子を見て、先輩がくすりと微笑んだ。...すこし恥ずかしい。
「ちょうど1時間ほど余裕があるので、ぜひお 1931