Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ろじーにゃ

    ろじ(@hitxti)のTwitterじゃ置きにくいあれそれ?投げるところ!らくがき/進捗/推しドルあん語り/小説とかそんなの🌟スタンプありがとう〜!ニコニコしあわせやる気もあっぷ!😚🌟

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 38

    ろじーにゃ

    ☆quiet follow

    けっこう前の英あん。続き書かないけどなんかもったいないから供養
    英智くん長期戦のチェスみたいにじわじわあんずちゃんを絡めとる感じがすきだな〜ってのと、あんずちゃん何気にちゃんと気づいてるよね〜っていう。英智くん絶対ズ!の時から権力行使してお茶会してるよね!英あんの不思議な距離感すき

    #英あん
    britishPlan

    「あんずちゃん」



    ESビルの廊下を歩いていると、ふいに背後から”あの人”の声がした。反射で振り返れば、天祥院先輩がいつものように品のある柔らかい笑みをうかべてこちらへと近寄ってきた。気のせいか、かすかに穏やかな春の匂いがして、久しぶりに会う先輩の顔色が良さそうだった。...うん、すこし安心した。

    「こんにちは、天祥院先輩。何かご用でしょうか?」
    「こんにちは、あんずちゃん。今は急ぎの用事はあるかい?もし時間があれば、お茶に付き合ってくれないかな」

    小首をかしげて私に尋ねる先輩は、少しいたずらっぽくてあどけない。以前は学院でよく見せてくれていた表情だけれど、今ではあまり見ることがない気がする。生徒会長よりも大きな立場に就いているからだと思う。

    「春の紅茶と苺のミルフィーユを用意したんだ。マカロンもあるよ」

    私を誘うように先輩が告げたラインナップに心がときめいた。先輩が用意してくれる紅茶とスイーツは感動するほど美味しくて大好きだから、ついつい頬がゆるんでしまう。そんな私の様子を見て、先輩がくすりと微笑んだ。...すこし恥ずかしい。

    「ちょうど1時間ほど余裕があるので、ぜひお言葉に甘えさせてもらいます」
    「それは良かった。じゃあさっそく行こうか。あんずちゃん、お手をどうぞ」

    先輩が嬉しそうにこちらに手を差し出すから、つい手をのせて応えてしまった。すると先輩は一瞬、ほんのわずか驚いた表情をしたけれど、すぐに「では、こちらへ」と上機嫌に私をガーデンにエスコートしてくれた。触れ合った手先がくすぐったくて少し落ち着かなかったけれど、先輩がご機嫌なので私も楽しくなってしまった。
    ......道中何人かに二度見されてしまったのは、さすがに恥ずかしかったけれど。



       ♬



    先輩が上品な手つきで私のカップに紅茶を注ぎ入れてくれるのを見つめながら、お茶をするのはおよそ3週間ぶりになるなと気づいた。ESビルが発足してから数ヶ月、お互いに立場を得て忙しかったからだ。...私の立場は先輩から頂いた物だけれど。

    先輩が夢ノ咲にいたときから、いつからかゆるやかに続いているお茶会はいつも先輩からお誘いがある。初めて”皇帝”からお声がかかった時はまだ恐ろしさがあって緊張していたけれど、今では普通にそばにいられるようにようになったのだから不思議だ。
    先輩からお誘いがあるとき、私はいつも手が空いている。それはきっと偶然じゃなくて、私の手が空いているときに先輩が声をかけるのだ。この人はそんな人だから。


               ♬


    「わあ...!」
    「ふふ、気に入ってくれたかい?」
    「春らしくて素敵です」


    僕がティーセットを用意して紅茶やスイーツを並べているあいだ、あんずちゃんはまるで宝物を前にした子どものようききらきらと目を輝かせていた。素直で、純粋で、愛らしい。

    天祥院家の嫡男がひとりの女の子のためにお茶会の準備をしているなんて、もし家の者が見たら眉をしかめるだろう。分かりやすい反応が返ってくるだろうから、想像してつい笑いそうになってしまう。
    僕が手ずから紅茶を淹れる人物はfineのみんなと元紅茶部の凛月くんと創くん、そしてあんずちゃん。サークルのみんなも加わったけれど、僕自らが”振る舞ってあげたい”と思う人物は限られている。
    あんずちゃんはその中の1人。何でもない子から、とくべつな子へと昇華した稀有な存在。今ではいつしか、その”とくべつ”に2つ理由がついていた。一つは周知の事実だけれど、片方の理由は彼女は知る由もない。


    「はい、どうぞ。召し上がれ」
    「ありがとうございます。いただきます」


    いったいどれから食べようか、と視線を彷徨わせている彼女の姿が可愛らしくて自然と口元がゆるんでしまう。彼女の感情が分かりやすく表に出るところは美点だけれど、これからを考えると致命的な欠点でもあるから少し心配してしまう。この心配は杞憂に終わればいいのだけれど。

    「あんずちゃん、最近はどう?評判は聞くけれど無理をしていないかな?」
    「...できる限り、休むようには、しています」
    「あんずちゃんは嘘が下手だねぇ」
    「うっ」

    あんずちゃんが分かりやすく視線をそらして、僕の追及から逃れるように紅茶を口に含んだ。その稚拙な仕草が単純で愛らしい。
    僕も同じく紅茶に口をつけると、甘酸っぱい木苺と花々、うつくしい春の香りがひろがった。この日のために特別にブレンドした、彼女をイメージした春の紅茶。
    彼女が「美味しいです」と微笑んだので、僕も「そうだね」と素直に返した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖☺☺💖💘☺😍💕💯👏👍🙏😭💞💞💞💞🙏🙏😭💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    ろじーにゃ

    MOURNINGけっこう前の英あん。続き書かないけどなんかもったいないから供養
    英智くん長期戦のチェスみたいにじわじわあんずちゃんを絡めとる感じがすきだな〜ってのと、あんずちゃん何気にちゃんと気づいてるよね〜っていう。英智くん絶対ズ!の時から権力行使してお茶会してるよね!英あんの不思議な距離感すき
    「あんずちゃん」



    ESビルの廊下を歩いていると、ふいに背後から”あの人”の声がした。反射で振り返れば、天祥院先輩がいつものように品のある柔らかい笑みをうかべてこちらへと近寄ってきた。気のせいか、かすかに穏やかな春の匂いがして、久しぶりに会う先輩の顔色が良さそうだった。...うん、すこし安心した。

    「こんにちは、天祥院先輩。何かご用でしょうか?」
    「こんにちは、あんずちゃん。今は急ぎの用事はあるかい?もし時間があれば、お茶に付き合ってくれないかな」

    小首をかしげて私に尋ねる先輩は、少しいたずらっぽくてあどけない。以前は学院でよく見せてくれていた表情だけれど、今ではあまり見ることがない気がする。生徒会長よりも大きな立場に就いているからだと思う。

    「春の紅茶と苺のミルフィーユを用意したんだ。マカロンもあるよ」

    私を誘うように先輩が告げたラインナップに心がときめいた。先輩が用意してくれる紅茶とスイーツは感動するほど美味しくて大好きだから、ついつい頬がゆるんでしまう。そんな私の様子を見て、先輩がくすりと微笑んだ。...すこし恥ずかしい。

    「ちょうど1時間ほど余裕があるので、ぜひお 1931

    recommended works

    ろじーにゃ

    MEMOフィチャ月永話とレオあんパロ抜粋(ろじさんの妄想ではあんずちゃん、レオさんが3年のときしてたネクタイを卒業式に「お守り!」って渡されてるといいなーって!それ見たセナが「あんずが校則破るわけないでしょ〜」「ならセナの!セナのネクタイ渡して!お守り!」「はぁ?」「セナのなら安心!あんずに悪いやつが近寄ってこない呪いがかかってそうだから!」って結局セナも海外行くしあんずちゃんが心配だから、泣いて鼻すんすん言わしてるあんずちゃんのリボン解いてネクタイしたげて「はいコレお守り。最終学年だし、プロデュース科本格始動するんだから。頑張りなよ」ってお守りに渡してたらいいな〜☆)(レオさんが「セナなら安心!!」とか言ってあんずちゃんのアレコレ頼んだりするの最高にだいすきライハあん...🙏)

    フュチャでパロあるとしたら、完璧に天才作曲家アマデウス•モーツァルトならぬレオ•ツキナガしか出てこない‼️
    幼馴染の女の子あんずちゃんと幼いながらも結婚を誓い合うんだけど、あんずちゃんが戦争の影響で国を離れなきゃいけなくなるの🥺必ずまた会おう、その時にかならず結婚しようって約束するのね?その時にお互いのリボンを交換し合うの...!
    レオくんの 955