t0mic0x0shi
DONE2部超えて、少し先の未来でフィの告白するファとフィのフィファ【フィファ】告げた言葉のその先で※二部を越え、それからも少し未来のはなし。
告げた言葉のその先で
「僕は、おまえの、あなたのことが、好きだよ」
黒い布の裂け目のように細く輝く<大いなる厄災>。それは遠く、それよりも小さく煌めく星たちの光のほうが空を彩る、そんな夜だった。
ふとした会話の切れ目。フィガロとファウストの会話においては多々訪れる、空白の時間。
落ちた沈黙がいやな重さを持つことは少なくなった。回答、返答、告げたい言葉、それらを探すときもある。口に含んだ酒の美味さを舌の上で転がしながらただ味わうような、ふたりの時間を堪能するかのようなときもある。そんな沈黙。
いま、口から転がり出た言葉は、いま思いついたものではない。いつのころからかファウストの中にあって、形となって、相手に渡す機会を待っていたもの。
3903告げた言葉のその先で
「僕は、おまえの、あなたのことが、好きだよ」
黒い布の裂け目のように細く輝く<大いなる厄災>。それは遠く、それよりも小さく煌めく星たちの光のほうが空を彩る、そんな夜だった。
ふとした会話の切れ目。フィガロとファウストの会話においては多々訪れる、空白の時間。
落ちた沈黙がいやな重さを持つことは少なくなった。回答、返答、告げたい言葉、それらを探すときもある。口に含んだ酒の美味さを舌の上で転がしながらただ味わうような、ふたりの時間を堪能するかのようなときもある。そんな沈黙。
いま、口から転がり出た言葉は、いま思いついたものではない。いつのころからかファウストの中にあって、形となって、相手に渡す機会を待っていたもの。
t0mic0x0shi
DONEアルテレーゴのフィファになりそうでまだなってないけどなりそうなフィファです。【フィガファウ】感情のあとさき『感情のあとさき』
窓の外、大きな声が聞こえた。テーブルをはさんで正面、そこに座っていた彼の視線が、フィガロを離れそちらについと向けられる。2階にあるこの部屋の窓からは、満開の落月華の様子はよく見えるが、階下の様子までは分からない。
フィガロにとっては威嚇にもならないようなそれは、耳障りではあるけれど聞きなれたものである。しかし治安の悪いこの街の中でも、暴力的なことにおいては表立っては秩序が保たれているこの花街の中では珍しいものだった。
華やかな大通りからすこしばかり離れ、この街で働くものたちが住まう家が建ち並ぶ地区。裏に小さな船一杯ほどならば走ることができる程度の水路があり、一階では妓楼や飲食店にも肉をおろすし、小売りもする肉屋が入っている。その二階が、いまフィガロがいる場所だ。
8067窓の外、大きな声が聞こえた。テーブルをはさんで正面、そこに座っていた彼の視線が、フィガロを離れそちらについと向けられる。2階にあるこの部屋の窓からは、満開の落月華の様子はよく見えるが、階下の様子までは分からない。
フィガロにとっては威嚇にもならないようなそれは、耳障りではあるけれど聞きなれたものである。しかし治安の悪いこの街の中でも、暴力的なことにおいては表立っては秩序が保たれているこの花街の中では珍しいものだった。
華やかな大通りからすこしばかり離れ、この街で働くものたちが住まう家が建ち並ぶ地区。裏に小さな船一杯ほどならば走ることができる程度の水路があり、一階では妓楼や飲食店にも肉をおろすし、小売りもする肉屋が入っている。その二階が、いまフィガロがいる場所だ。
icn
DONEhttps://x.com/icnicg/status/1779362751732977902?s=61&t=lQdmdOd1nW5ffNF5nM-a8Aの続きパラロイカイオエ🔞パスワード:18↑?(yes/no) 15
ミナツ
MENU追記画像あり3/17春コミのお品書きです
【賢者のマナスポット16 開宴の日3】
スペース 【東4ホール そ05a】
今回ノベルティ多めです
当日はよろしくお願い致します
サンプル→https://poipiku.com/2902481/9974346.html
pixiv他ブログでも告知します 3
8BhQznv2jh57264
DOODLEやや不健全なのでワンクッション。ほろ酔いでアウトな姿を賢者様に見られるシャイムルシャイ。
シャイさんの腰尻太もものラインが好みに描けました。
ベストの形が違うとか分かっていてもいい感じに直せなかった~
もふ_
PASTまほしめアフターchoipons_2さん(https://poipiku.com/7804683/)との合同誌掲載作品です。
※ルート分岐があるため、こちらへの掲載は分岐手前までとなります。
『紅に溶ける』暗くて、狭くて、じっとりと皮膚にまとわりつくような感覚が嫌い。
まるで土に溶けゆく死骸のように。そこの空気は澱み切っていたのを覚えている。
大嫌いなそこで見つけた一粒の果実は血よりも紅くて
「ははっ…こんな場所でドロドロにならずに育つなんて、よっぽど物好きなんだね。」
死ぬほど甘くて、頭が溶ける味がした。
***
「そういえば。」
それまでフライドチキンに齧り付いていたブラッドリーが口を開く。
「何でオーエンはそんな甘いもの好きになったんだよ」
視線を逸らして、僕はフォークを突き刺したそれを見る。
「味覚音痴なんじゃないですか。」
ボリボリと異様な音を立て消し炭を食らうミスラが言う。
「お前が言うな。」
不意にブラッドリーと言葉が重なる。
1992まるで土に溶けゆく死骸のように。そこの空気は澱み切っていたのを覚えている。
大嫌いなそこで見つけた一粒の果実は血よりも紅くて
「ははっ…こんな場所でドロドロにならずに育つなんて、よっぽど物好きなんだね。」
死ぬほど甘くて、頭が溶ける味がした。
***
「そういえば。」
それまでフライドチキンに齧り付いていたブラッドリーが口を開く。
「何でオーエンはそんな甘いもの好きになったんだよ」
視線を逸らして、僕はフォークを突き刺したそれを見る。
「味覚音痴なんじゃないですか。」
ボリボリと異様な音を立て消し炭を食らうミスラが言う。
「お前が言うな。」
不意にブラッドリーと言葉が重なる。
8BhQznv2jh57264
DOODLE未知~のムルちゃんの衣装におろおろしてるんですが、私の目が汚れてるからそう見えるのかポーズのせいなのか…。
セクハラみたいな感想なのでワンクッション。
(きのこの生態絶対間違えてる)
ミナツ
MENU11月23日のイベントに参加します。賢者のマナスポット14にて
スペース 【東4ホール 18b】スノウリキュールです
詳しくはpixivにて
https://www.pixiv.net/artworks/113425771 3
ミナツ
DONEオーエンの誕生日をカインが祝うだけの本ですほのぼのカイオエ
B5/22P/全年齢 400円(会場価格)
🐯https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031104787
🛁https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=2123848 9
jyu_mur
MEMOオーカイが喋ってるだけ。「ねぇ、騎士様はこっちでいいの?」
「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
520「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
ミナツ
INFOエアブー参加中です!良かったら覗いてみてね!https://air-boo.jp/367672/
ネップリもあります!
6月イベのノベ用に頒布したポスカです
【予約番号】84686663
【用紙サイズ】はがき (カラー)
【ページ数】1
【プリント料金】カラー:60円
【有効期限】2023/09/01 23:59
t0mic0x0shi
DONE2部20章のファとレノが話す前くらいの、フィとファカプ要素薄めですが、フィガファウの者が書いてます
【フィ+ファ】それが錯覚だとしてもそれが錯覚だとしても
地下水路で意識が闇に包まれた後、夢とうつつをいったりきたりしていた。無意識に完全に意識を失うわけにはいかない、死の淵までは覗くまい、と思っていたのかもしれない。深く沈むときもあれば、光のほうへ浮上し、そしてまた沈んではまた浮き上がるを繰り返している。
あるときは吹雪く雪原のなか、間近に見える黒い衣服と気配はレノックスのもの。だからこれは、地下水路からの続き。だというのに痛みは鈍く、寒さもまた遠かった。
獣の姿となったヒースクリフがついているとはいえ、ひとりきりにしてしまったシノは大丈夫だろうかとそればかりが頭をめぐる。いま彼がどこに向かっているのかまでは分からないけれど、シノのことはすでにレノックスには伝えているから、きっといいように動いてくれる。大丈夫だ、そう思うとまた、意識は闇へと沈んでいった。
3680地下水路で意識が闇に包まれた後、夢とうつつをいったりきたりしていた。無意識に完全に意識を失うわけにはいかない、死の淵までは覗くまい、と思っていたのかもしれない。深く沈むときもあれば、光のほうへ浮上し、そしてまた沈んではまた浮き上がるを繰り返している。
あるときは吹雪く雪原のなか、間近に見える黒い衣服と気配はレノックスのもの。だからこれは、地下水路からの続き。だというのに痛みは鈍く、寒さもまた遠かった。
獣の姿となったヒースクリフがついているとはいえ、ひとりきりにしてしまったシノは大丈夫だろうかとそればかりが頭をめぐる。いま彼がどこに向かっているのかまでは分からないけれど、シノのことはすでにレノックスには伝えているから、きっといいように動いてくれる。大丈夫だ、そう思うとまた、意識は闇へと沈んでいった。
t0mic0x0shi
DONE再会してちょっと経ったくらいのフィ→ファっぽいフィがファのこと考えたりレノとおしゃべりしたりする小話ですフィガファウの気持ちで書いてます…!
【フィガファウ】スプーン一杯分の幸せスプーン一杯分の幸せ
「また振られちゃった」
四階からの階段を降りながら、フィガロは手にした酒瓶を持ち上げ、誰に聞かせるわけでもなく小さくつぶやいた。
フィガロがいましがた尋ね、そしてにべもなくドアを閉じられたのは、ファウストの部屋である。
四百年前、フィガロが手を離される前に離れ、そしてその後行方の知れなかった唯一の弟子。自分の心にも、本人に向かっても弟子であると定めたのは、後にも先にも彼ひとりだけだ。
離れていた間に彼に起きた出来事は、その当時ではなく後から知ったことだけれど、知っている。いつかのワルプルギスの夜の会合で、フィガロへの接待のひとつとしてどこかの魔法使いから語られた、とっておきの噂話。その中で久しぶりに名前を聞いたかと思えば、当時の彼から想像もつかないような生業を冠してたから驚いたものだ。
4163「また振られちゃった」
四階からの階段を降りながら、フィガロは手にした酒瓶を持ち上げ、誰に聞かせるわけでもなく小さくつぶやいた。
フィガロがいましがた尋ね、そしてにべもなくドアを閉じられたのは、ファウストの部屋である。
四百年前、フィガロが手を離される前に離れ、そしてその後行方の知れなかった唯一の弟子。自分の心にも、本人に向かっても弟子であると定めたのは、後にも先にも彼ひとりだけだ。
離れていた間に彼に起きた出来事は、その当時ではなく後から知ったことだけれど、知っている。いつかのワルプルギスの夜の会合で、フィガロへの接待のひとつとしてどこかの魔法使いから語られた、とっておきの噂話。その中で久しぶりに名前を聞いたかと思えば、当時の彼から想像もつかないような生業を冠してたから驚いたものだ。
t0mic0x0shi
DONEこのあといつかフィガファウになって欲しい気持ちで書いてます。フィ→ファ風味だけど恋みたいな愛についてはまだ自覚なしみたい感じ【フィファ】フィガロ先生にはわからないフィガロ先生にはわからない
たとえば、とフィガロは思う。
設えられた大人が三人並んでも十分余裕のあるテーブルの上に広げた文献。己の前に置いたそれの手前に左手で頬杖をつき、その紙面を滑らせた右手の指を、重なってまとめられた紙の淵、それらを守る堅い表紙を飛び越えて、使い込まれた艶と使用者によってつけられたであろう小さな傷をもつテーブルの天板におろした。人差し指と中指を立て、板の上を歩くかのように動かして、隣に座るひとへと近づけてみる。
そこにいるファウストは、フィガロと同じようにテーブルに広げた文献を、けれどもフィガロとは異なり頬杖をつくこともなく、椅子に座ってもなおぴんと背筋を伸ばしたまま、文献の両脇でページを押さえるために手を添えて、視線をそこに綴られた文字に落としていた。指先を包む白い手袋には汚れひとつみあたらない。手のひらまでを守るその手袋が終われば素肌が見えるが、しかしそれも、すぐに黒く広い袖口の中に隠される。袖口はひろく、天板に置かれた腕の下で綺麗な形でもなく広がっていた。
3004たとえば、とフィガロは思う。
設えられた大人が三人並んでも十分余裕のあるテーブルの上に広げた文献。己の前に置いたそれの手前に左手で頬杖をつき、その紙面を滑らせた右手の指を、重なってまとめられた紙の淵、それらを守る堅い表紙を飛び越えて、使い込まれた艶と使用者によってつけられたであろう小さな傷をもつテーブルの天板におろした。人差し指と中指を立て、板の上を歩くかのように動かして、隣に座るひとへと近づけてみる。
そこにいるファウストは、フィガロと同じようにテーブルに広げた文献を、けれどもフィガロとは異なり頬杖をつくこともなく、椅子に座ってもなおぴんと背筋を伸ばしたまま、文献の両脇でページを押さえるために手を添えて、視線をそこに綴られた文字に落としていた。指先を包む白い手袋には汚れひとつみあたらない。手のひらまでを守るその手袋が終われば素肌が見えるが、しかしそれも、すぐに黒く広い袖口の中に隠される。袖口はひろく、天板に置かれた腕の下で綺麗な形でもなく広がっていた。
ミナツ
MENU6月25日のJUNE BRIDE FES 2023に参加致します👉開宴の日JB2023
スペース 東2ホール メ48b
⚠️ノベルティは数に限りがあります
ノベルティ等は不織布バッグに入れてお渡しします
状況を見ながらですが、13時過ぎに撤収予定です
当日はよろしくお願い致します
新刊サンプル→https://poipiku.com/2902481/8876156.html 3
t0mic0x0shi
DONEレノックスがファウストを想ってるはなし?かな。カプ要素ほとんどない
ストで出てきたりしてるところとかがあったらすみません…全ては捏造
【レノとファ】まどろむゆめの、その先にまどろむゆめの、その先に
「レノックス!!!」
行け、という意志の乗った自分の名前を呼ぶ声が、背中を押す。重心を低く落としていたレノックスは、その脚の筋肉をバネにして、大地を蹴った。最前線のその一歩先へ。
「つづけ!!!」
大きくてよく通る、まっすぐ伸びた力ある声。けれども、この声が大きくなくてもきっと自分は気づくだろう。思わずこぼれてしまったかのような小さな声だって、このひとの者であるならば決して取りこぼしたくはない。
声から連想された場違いな思考を頭の片隅におき、意識のかけらもそのひとに向けながら、メイスを大きく振った。脚からの勢いを殺さず、遠心力もかけあわせ、周囲の人間を薙ぎ払う。
揺らぎ、倒れ、起き上がろうとするものに後ろから追いついてきた仲間たちが駆けていく。陣形を崩し、道を作るのが、今回の戦場におけるレノックスの役目だった。
4757「レノックス!!!」
行け、という意志の乗った自分の名前を呼ぶ声が、背中を押す。重心を低く落としていたレノックスは、その脚の筋肉をバネにして、大地を蹴った。最前線のその一歩先へ。
「つづけ!!!」
大きくてよく通る、まっすぐ伸びた力ある声。けれども、この声が大きくなくてもきっと自分は気づくだろう。思わずこぼれてしまったかのような小さな声だって、このひとの者であるならば決して取りこぼしたくはない。
声から連想された場違いな思考を頭の片隅におき、意識のかけらもそのひとに向けながら、メイスを大きく振った。脚からの勢いを殺さず、遠心力もかけあわせ、周囲の人間を薙ぎ払う。
揺らぎ、倒れ、起き上がろうとするものに後ろから追いついてきた仲間たちが駆けていく。陣形を崩し、道を作るのが、今回の戦場におけるレノックスの役目だった。
t0mic0x0shi
DONE第23回フィガファウ版ワンドロライより『(フィの)誕生日』『流星雨』『特別』『体温』フィガロおめでとう!!
フィファとは?ですが、フィファのつもりで書きました!
魔法舎で再会したばかりのときの誕生日をイメージしています
【フィガファウ】フィガロ誕2023フィガロ誕2023
しこたま飲んでいる、という自覚がある。
身体が温かくてふわふわする。その感覚を楽しみながら、力の入らない指で掴んだグラスを落とさないためには、少しばかりの集中力が必要だった。
落とさない、こぼさない。そんなことに気を付けるために、手袋を外しすらしたのだ。
咥内から食道を通って胃に落ちる酒精の熱がここちよく、鼻に抜ける香りにため息をつきながら、コースターの上に空になったグラスを置けば、何を飲むのか問われることもなく新しいグラスと交換される。
「ありがとう」
ふわふわと芯のぼやけた頭の中、記憶の奥から聴こえる音楽に合わせ、身体を揺らした。気を緩めれば口から鼻歌でも飛び出しそうなほどに、気持ちも弾んでいる。
4444しこたま飲んでいる、という自覚がある。
身体が温かくてふわふわする。その感覚を楽しみながら、力の入らない指で掴んだグラスを落とさないためには、少しばかりの集中力が必要だった。
落とさない、こぼさない。そんなことに気を付けるために、手袋を外しすらしたのだ。
咥内から食道を通って胃に落ちる酒精の熱がここちよく、鼻に抜ける香りにため息をつきながら、コースターの上に空になったグラスを置けば、何を飲むのか問われることもなく新しいグラスと交換される。
「ありがとう」
ふわふわと芯のぼやけた頭の中、記憶の奥から聴こえる音楽に合わせ、身体を揺らした。気を緩めれば口から鼻歌でも飛び出しそうなほどに、気持ちも弾んでいる。
t0mic0x0shi
DONE魔法舎で猫と戯れるファウストを見たり、ぐるぐるしたりするフィガロな感じですフィガファウ?フィガファウな気持ちで描きました
【フィガファウ】猫になれば猫になれば
ふ、と集中力が途切れた。情報の塊として脳内で処理されていたものが紙面に書かれたただの文字の羅列に感じられ、フィガロが落としていた視線を上げると、俯く形で固定されていた首がわずかに軋む。筋を伸ばすように首を軽く回し、膝の上に広げていた書物を栞もはさまず閉じた。
フィガロが腰を落ち着けている1人掛けのソファは、中庭を臨むことができる窓際に置かれたものだ。右手で書物の分厚い表紙をなぞりながら、肘掛けに左腕で頬杖をつき、なんとはなしにガラスの向こうに目を向ける。天井高に大きく取られた窓には一定の量の光しか入らない魔法がかけられているため、図書室に比べて外は明るく見えた。
最近任務が立て込んでいたこともあり、たまには息抜きも必要だと、今日は授業も何もかも休みにすることにした。中央の国もそうしましょうとオズに持ちかけ休日を得たリケとミチルは中央の国の市場に行っている。カインとルチルとレノックスも共に出かけて行くのを見送ったのは、日が昇ってすぐのことだった。
5256ふ、と集中力が途切れた。情報の塊として脳内で処理されていたものが紙面に書かれたただの文字の羅列に感じられ、フィガロが落としていた視線を上げると、俯く形で固定されていた首がわずかに軋む。筋を伸ばすように首を軽く回し、膝の上に広げていた書物を栞もはさまず閉じた。
フィガロが腰を落ち着けている1人掛けのソファは、中庭を臨むことができる窓際に置かれたものだ。右手で書物の分厚い表紙をなぞりながら、肘掛けに左腕で頬杖をつき、なんとはなしにガラスの向こうに目を向ける。天井高に大きく取られた窓には一定の量の光しか入らない魔法がかけられているため、図書室に比べて外は明るく見えた。
最近任務が立て込んでいたこともあり、たまには息抜きも必要だと、今日は授業も何もかも休みにすることにした。中央の国もそうしましょうとオズに持ちかけ休日を得たリケとミチルは中央の国の市場に行っている。カインとルチルとレノックスも共に出かけて行くのを見送ったのは、日が昇ってすぐのことだった。
t0mic0x0shi
DOODLEフィガファウ版ワンドロライの第21回「清純派」「触れる」のお題をお借りしました。
とうとうに始まり唐突に終わります
【フィガファウ】「清純派」「触れる」「清純派、清純派うるさい」
怒りにも似た焦りの滲んだ声。フィガロをまっすぐにとらえる紫眼がすぐ間近に迫っていた。
そんなこといったって、きみのことを妖艶、あるいは汚濁とかそういうものと、清純と、どちらなのかといわれたら圧倒的に後者じゃないか。なんて言おうものなら、選択肢が極端すぎる。とか、いやもしかしたら、僕には汚濁が似合うに決まってる。なんて本気の目をして返してくるのかもしれない。少しばかりの怒りを添えて。
しかし、幸か不幸かフィガロはそれを言葉にしてファウストの怒りを買うことはなく、ただただ瞬きの間に頭の中でだけ巡った思考であった。
言葉を発するために唇が、塞がれていて声を出すことも開くことができなかったので。
1891怒りにも似た焦りの滲んだ声。フィガロをまっすぐにとらえる紫眼がすぐ間近に迫っていた。
そんなこといったって、きみのことを妖艶、あるいは汚濁とかそういうものと、清純と、どちらなのかといわれたら圧倒的に後者じゃないか。なんて言おうものなら、選択肢が極端すぎる。とか、いやもしかしたら、僕には汚濁が似合うに決まってる。なんて本気の目をして返してくるのかもしれない。少しばかりの怒りを添えて。
しかし、幸か不幸かフィガロはそれを言葉にしてファウストの怒りを買うことはなく、ただただ瞬きの間に頭の中でだけ巡った思考であった。
言葉を発するために唇が、塞がれていて声を出すことも開くことができなかったので。
t0mic0x0shi
DONE修行時代にフィガロが魔法を使うのをみて、すごーい!と思うファウスト。な感じですその輝きを その頭髪と同じ色の薄群青のまつ毛が縁取る眼が薄く細められた。ただそれだけだった。
それまで、ファウストを嘲笑う、まではいかずともまだまだ従えるには力不足、我らの力を借りたくばそれだけのものを見せてみろ、と煽るかのように縦横無尽、自由自在、まるで北の大地に荒れ狂う吹雪のように飛び回っていた精霊の気配が変わる。
風のない静かな夜の闇の中、白銀の大地にしんしんと降る雪のような静けさと、冷え切った空気のような張り詰めた気配。それは、自分達を支配することを認めた者の一挙手一投足を見逃さないためか、あるいは、一歩間違えたなら牙を剥いてやらんとする臨戦体制なのか、もしくは、その両方なのかもしれなかった。
箒の上に軽く腰かけた師が、右手を揺らして魔道具であるオーブを出現させる。手のひらからはあふれるけれど、小ぶりなそれをファウストが目にするのは、彼の元で修行を始めてから今日で二度目だった。
4297それまで、ファウストを嘲笑う、まではいかずともまだまだ従えるには力不足、我らの力を借りたくばそれだけのものを見せてみろ、と煽るかのように縦横無尽、自由自在、まるで北の大地に荒れ狂う吹雪のように飛び回っていた精霊の気配が変わる。
風のない静かな夜の闇の中、白銀の大地にしんしんと降る雪のような静けさと、冷え切った空気のような張り詰めた気配。それは、自分達を支配することを認めた者の一挙手一投足を見逃さないためか、あるいは、一歩間違えたなら牙を剥いてやらんとする臨戦体制なのか、もしくは、その両方なのかもしれなかった。
箒の上に軽く腰かけた師が、右手を揺らして魔道具であるオーブを出現させる。手のひらからはあふれるけれど、小ぶりなそれをファウストが目にするのは、彼の元で修行を始めてから今日で二度目だった。
kiiromidori
DONEミス晶♂の女がゆるやかにフィガロのリアコになりそうになって書きました。フィガロに色々言いたくなって、でもしんどくて無理だったけど、ミミなら言えた。
※晶はいません。なので、読むのに注意が必要です。 11
リル。
PASTカインが自分の気持ちに気づいて告白するまで。オーエンはカインが好きという前提。
一瞬傷オエ出ます
※R18要素はありませんがそうゆうお店が出てきます
気づいたら好きだったんだ中庭でいつものように鍛錬をしながら、考え事をしていた
(オーエンって...俺の事嫌いな訳ではないと思うだよな…)
オーエンの姿を頭の中で思い浮かべる
さらりと流れる銀糸の髪。色の違う…自分と同じ瞳。整った顔に浮かべる冷たい笑み。
その口から紡がれるのは、巧みに不安を煽り、心を支配するような言葉…
時折、大いなる厄災の傷によって普段の姿からは想像がつかないほど幼く純粋な子供のようにもなる
(傷の時に好かれていることは分かるんだが...)
騎士様と呼びながらあどけない笑顔を向けて駆け寄ってくる姿には調子を狂わされる
そもそも嫌いな相手の目玉を奪ってはめた挙句に、自分の目玉を代わりに埋め込んだりしないだろ......北だと普通なのか?
12629(オーエンって...俺の事嫌いな訳ではないと思うだよな…)
オーエンの姿を頭の中で思い浮かべる
さらりと流れる銀糸の髪。色の違う…自分と同じ瞳。整った顔に浮かべる冷たい笑み。
その口から紡がれるのは、巧みに不安を煽り、心を支配するような言葉…
時折、大いなる厄災の傷によって普段の姿からは想像がつかないほど幼く純粋な子供のようにもなる
(傷の時に好かれていることは分かるんだが...)
騎士様と呼びながらあどけない笑顔を向けて駆け寄ってくる姿には調子を狂わされる
そもそも嫌いな相手の目玉を奪ってはめた挙句に、自分の目玉を代わりに埋め込んだりしないだろ......北だと普通なのか?