t0mic0x0shi
DONEマナ石とレノックスのはなし革命軍時代で、後半はファウスと火刑のあとがでてきます
マナ石とレノックス かつて仲間の姿をしていたその石を、レノックスは袋に入れて持ち歩いている。
皆口々に『死んだら食べてほしい』と願っていた。その気持ちもわかる。そう簡単に命を落とすつもりはないのだけれど、レノックスだってそう願うだろう。だが、マナ石を食べるということがうまく想像できなかった。想像できなくとも実践してみればよかったのだろうが、なんとなく、で口にしていいものとも思えず、かといってどこかにしまっておくこともしてくなくて、炭坑夫をしていた頃から身に馴染んでいる、質量と大きさを変える魔法を使って小さく、軽く、一見マナ石にも見えないような小石にしたそれを、腰に下げた革袋に溜め込んでいる。
だから、それを叶えてやれていないのは、自分が薄情だからだろうかと考えたこともあった。誰よりもそれを食べられることを望まれ、そして叶えてきたレノックスの主人であるファウストにそう、こぼしたこともある。
3146皆口々に『死んだら食べてほしい』と願っていた。その気持ちもわかる。そう簡単に命を落とすつもりはないのだけれど、レノックスだってそう願うだろう。だが、マナ石を食べるということがうまく想像できなかった。想像できなくとも実践してみればよかったのだろうが、なんとなく、で口にしていいものとも思えず、かといってどこかにしまっておくこともしてくなくて、炭坑夫をしていた頃から身に馴染んでいる、質量と大きさを変える魔法を使って小さく、軽く、一見マナ石にも見えないような小石にしたそれを、腰に下げた革袋に溜め込んでいる。
だから、それを叶えてやれていないのは、自分が薄情だからだろうかと考えたこともあった。誰よりもそれを食べられることを望まれ、そして叶えてきたレノックスの主人であるファウストにそう、こぼしたこともある。
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DONE革命軍時代にマナ石を食べるファウストのはなしマナ石とファウスト 乗せたばかりの時には冷たさを感じさせていたそれは、指を閉じて握りしめていたこともあり、ぬるく温まっていた。
重さは、その大きさから想像するよりは少しばかり重たいのだと思う。初めて手にした際にはそう感じた。何度目かの今となっては、このくらいの重さということはわかっている。わかっていても、やはり、少し重い。
元のおおきな塊から砕けたはずのものであるのに、指で撫でるその表面はつるりとしてなめらかである。長く川底にあった石のように、指を、手を、そしてこれからそれを含む口の中を傷つける鋭さはない。
不思議な石。命のかけら。マナ石、と呼ばれる、かつて魔法使いであったもの。
かつて、といってもそれは昔のことではない、今日の戦いで命を落とし、石となったもの。戦いが始まる前まで、始まってからも、同じ目標を掲げ、肩を組み合った仲間であったもの。
2700重さは、その大きさから想像するよりは少しばかり重たいのだと思う。初めて手にした際にはそう感じた。何度目かの今となっては、このくらいの重さということはわかっている。わかっていても、やはり、少し重い。
元のおおきな塊から砕けたはずのものであるのに、指で撫でるその表面はつるりとしてなめらかである。長く川底にあった石のように、指を、手を、そしてこれからそれを含む口の中を傷つける鋭さはない。
不思議な石。命のかけら。マナ石、と呼ばれる、かつて魔法使いであったもの。
かつて、といってもそれは昔のことではない、今日の戦いで命を落とし、石となったもの。戦いが始まる前まで、始まってからも、同じ目標を掲げ、肩を組み合った仲間であったもの。
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DONEネロファウになりきれないネ+ファくらいのある夜の晩酌の話カプ要素薄薄の薄だけど、気持ちはネロファウ
ある晩酌のこと 緩やかに体内に回る酒精を感じながら、またひとくち、赤ワインの注がれたグラスを傾け、視界の端に映っていた相手を横目で見る。
夜の闇に溶けそうな、それと同じ色の服に身を包み、ボトルとつまみのはいったバスケットを挟んで隣に座っているそのひとは、くるくるとグラスの中身を回して香りを堪能していた。口元は普段よりもゆるんでいるように見える。彼の姿を隠すような、守る強固な結界のような上着と帽子は身にまとっておらず、サングラスもまた、外されて弦を折りたたまれた状態で、彼の隣に置かれていた。
膝の上では一匹の白猫がくつろいでいる。時折その背に手袋をしていない手で触れながら、普段は帽子とサングラスで隠されている菫色の目はいま、空に向けられていてこちらを向いてはいない。真っ直ぐに通った鼻梁と、薄く小さな唇。尖った顎と、高い襟からわずかに覗く首と喉仏。
5105夜の闇に溶けそうな、それと同じ色の服に身を包み、ボトルとつまみのはいったバスケットを挟んで隣に座っているそのひとは、くるくるとグラスの中身を回して香りを堪能していた。口元は普段よりもゆるんでいるように見える。彼の姿を隠すような、守る強固な結界のような上着と帽子は身にまとっておらず、サングラスもまた、外されて弦を折りたたまれた状態で、彼の隣に置かれていた。
膝の上では一匹の白猫がくつろいでいる。時折その背に手袋をしていない手で触れながら、普段は帽子とサングラスで隠されている菫色の目はいま、空に向けられていてこちらを向いてはいない。真っ直ぐに通った鼻梁と、薄く小さな唇。尖った顎と、高い襟からわずかに覗く首と喉仏。
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DONEフィガファウ風味。出来上がってるような出来上がってないような。フィガの頭の中がラブコメしてます。
キスくらいします
こたえはいち チョコレートがついている。
隣に座ったファウストの、フィガロの前に立つときには比較的下がり気味で、東の国の魔法使いや子供たち、猫などを前にした時には上がっていることもある口の端、口角の右側についた茶色のそれを横目に見ながら、フィガロは手にしたグラスに口を付けた。
薄い唇が縁取る彼の口は、その大きさからどうしてあれだけの音量と芯のある声が出るのかが不思議でならないほどには小さい、と思う。本当は大きいのだろうか、食べるときにはそれほど開かないだけで。
それに、若いころから食事の仕方は綺麗だった。偏見も含むことを承知しつついうならば、大分昔の辺境の村の出身であるにもかかわらず。当時、外見の年齢のままにしか生きていなかったころから。ということは、生まれ育った家でそう躾られたのだろう。テーブルマナーは苦手です、決まりごとがたくさんあって。なんて、フィガロが魔法で用意した料理たちに対して可愛らしく恥じらっていたこともあったけれど、使うカトラリーの種類と順番を一度教えてやればそれ以降、ほとんど 間違うことはなかった。
5736隣に座ったファウストの、フィガロの前に立つときには比較的下がり気味で、東の国の魔法使いや子供たち、猫などを前にした時には上がっていることもある口の端、口角の右側についた茶色のそれを横目に見ながら、フィガロは手にしたグラスに口を付けた。
薄い唇が縁取る彼の口は、その大きさからどうしてあれだけの音量と芯のある声が出るのかが不思議でならないほどには小さい、と思う。本当は大きいのだろうか、食べるときにはそれほど開かないだけで。
それに、若いころから食事の仕方は綺麗だった。偏見も含むことを承知しつついうならば、大分昔の辺境の村の出身であるにもかかわらず。当時、外見の年齢のままにしか生きていなかったころから。ということは、生まれ育った家でそう躾られたのだろう。テーブルマナーは苦手です、決まりごとがたくさんあって。なんて、フィガロが魔法で用意した料理たちに対して可愛らしく恥じらっていたこともあったけれど、使うカトラリーの種類と順番を一度教えてやればそれ以降、ほとんど 間違うことはなかった。
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DONEネロファウ未満のネ2023年バレンタインのネタが少しあり
晩酌準備は軽やかに せっかく賢者さんにもらったしな。というのはこじつけで、そもそも今宵は一緒に晩酌しようと示し合わせていたのだ。
ふたりでの晩酌の始まりは偶然だった。
しばらくして、言葉での問いかけになった。「今晩どう?」とか「いい酒が手に入ったんだ」とかそういう誘いの言葉。
それから、段々と言葉がへっていった。なんとなく目線を合わせたり。例えば顎で中庭をさしたり、酒のボトルを持ち上げてみたり、グラスをもって飲むジェスチャーをしてみたり。
いいよ、という言葉だったり、小さくうなずくだけだったり、いつもかぶっている帽子のつばを少し上げるだけだったりと、表現は様々だけれど、不思議と言いたいことは伝わってくる。
ネロのほうといえば、いいね、という言葉だったり、同じく小さくうなずくだけだったり、人差し指と親指で丸をつくってみたりするが、言いたいことは伝わっていると思っていた。
2139ふたりでの晩酌の始まりは偶然だった。
しばらくして、言葉での問いかけになった。「今晩どう?」とか「いい酒が手に入ったんだ」とかそういう誘いの言葉。
それから、段々と言葉がへっていった。なんとなく目線を合わせたり。例えば顎で中庭をさしたり、酒のボトルを持ち上げてみたり、グラスをもって飲むジェスチャーをしてみたり。
いいよ、という言葉だったり、小さくうなずくだけだったり、いつもかぶっている帽子のつばを少し上げるだけだったりと、表現は様々だけれど、不思議と言いたいことは伝わってくる。
ネロのほうといえば、いいね、という言葉だったり、同じく小さくうなずくだけだったり、人差し指と親指で丸をつくってみたりするが、言いたいことは伝わっていると思っていた。
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DONEネロファウ未満の、ファ。ひまわり〜の1話あたりです。やさしいあじ それらすべてに気遣いがつまっていた。
太陽が高く空にあろうが、<大いなる厄災>が闇夜を明るく照らしていようが外の明かりを一切部屋に取り入れる気のない、分厚く黒いカーテンのかけられた部屋の中で、ファウストはテーブルの上に広げたバスケットの中身を前に、ベッドの上に腰かけそっと息をつく。
持たされたバスケットの中身を広げるには机の上は心もとなかったので、魔法でとりだしたテーブルをベッドの前に置いていた。
パンとチーズ、蒸した野菜とキッシュに、おまけのワイン。
昨夜は浅いながらに多少は眠ることができたから、今すぐに眠りを欲しているわけでもない。夢も見ないほど深いわけではなく、けれども夢を見るには浅い、あと少し眠りが深まれば夢を見ていたかもしれないくらいの、眠りの薄氷の上。けれども、いまのファウストにとってはそのくらいの眠りが一番安心できる。
2927太陽が高く空にあろうが、<大いなる厄災>が闇夜を明るく照らしていようが外の明かりを一切部屋に取り入れる気のない、分厚く黒いカーテンのかけられた部屋の中で、ファウストはテーブルの上に広げたバスケットの中身を前に、ベッドの上に腰かけそっと息をつく。
持たされたバスケットの中身を広げるには机の上は心もとなかったので、魔法でとりだしたテーブルをベッドの前に置いていた。
パンとチーズ、蒸した野菜とキッシュに、おまけのワイン。
昨夜は浅いながらに多少は眠ることができたから、今すぐに眠りを欲しているわけでもない。夢も見ないほど深いわけではなく、けれども夢を見るには浅い、あと少し眠りが深まれば夢を見ていたかもしれないくらいの、眠りの薄氷の上。けれども、いまのファウストにとってはそのくらいの眠りが一番安心できる。
t0mic0x0shi
DONE2023/2/11 フィガファウワンドロライ第19回「巻き毛」「どうせ苦いよ」
※両片思いで身体の関係だけ先に出来上がっているフィガファウ。事後です。
そのばかぎりのぬくもりを ふわりと柔らかなものが鼻をくすぐった。
ゆるやかに浮上していた意識が、その感触によって一気に覚醒する。重たい瞼を押し上げれば、寝ぼけ眼でまだ焦点の合わない視界に、薄群青が見えた。
カーテンのない部屋の窓からは、明るい朝日が差し込んでいる。光に透ける薄群青は、ふだんのそれよりも色合いを明るく見せていた。
その色合いからか、持ち主にただよう厳しくも美しい冬の雰囲気からか、いや後者はファウストの抱く彼への印象ゆえだろうか、一見硬質そうな緩く巻いたその髪は、印象に反してその実、肌に優しく柔らかい。
昔は首の後ろで結いていて立派な巻き毛だったけれど、いまは巻き毛というには短い。癖っ毛なんだよね、と本人がなにやら可愛こぶって主張していたが、巻き毛と何が違うのか分からなかった。
6102ゆるやかに浮上していた意識が、その感触によって一気に覚醒する。重たい瞼を押し上げれば、寝ぼけ眼でまだ焦点の合わない視界に、薄群青が見えた。
カーテンのない部屋の窓からは、明るい朝日が差し込んでいる。光に透ける薄群青は、ふだんのそれよりも色合いを明るく見せていた。
その色合いからか、持ち主にただよう厳しくも美しい冬の雰囲気からか、いや後者はファウストの抱く彼への印象ゆえだろうか、一見硬質そうな緩く巻いたその髪は、印象に反してその実、肌に優しく柔らかい。
昔は首の後ろで結いていて立派な巻き毛だったけれど、いまは巻き毛というには短い。癖っ毛なんだよね、と本人がなにやら可愛こぶって主張していたが、巻き毛と何が違うのか分からなかった。
よむぎ
DONEそういうブラネロ8開催おめでとうございます🎉などと言っておきながらこれブラネロじゃなくて仲良しと元相棒じゃんと言うことに先程気づきました。pixivのまとめはガッツリブラネロだから許して…😇
今回間に合いませんでしたがこれの続き(ちゃんとブラネロ)を描いています。そのうちTwitterかどこかで公開します〜 2
t0mic0x0shi
DONEフィガファウのつもりで書きはじめたけど、師弟時代のフィガ+ファウですファウスト誕生日おめでとう
たどりついた祝福はたどりついた祝福は
わずかな、かすかな、魔法の気配がした。
それは北の大地で千年を超えて生きている魔法使いである己にとっては、取るに足らないような些細なものであった。けれどそんな些細なものでも設定している領域を越えたものは、否応なく神経に触れてくる。掃除をなまけたゆえに、棚の上から舞落ちた埃に鼻をくすぐられるくらいのささやかさで。
数か月前までのフィガロであったなら、気配があると認識するだけで歯牙にもかけなかったであろう。不意をつかれなければおいそれと敗けることはない。
けれども、そのわずかな気配に対してここまで神経質になってしまうのは、今現在、このフィガロが住まいとしている屋敷にはもう一人住人がいるからであった。
4683わずかな、かすかな、魔法の気配がした。
それは北の大地で千年を超えて生きている魔法使いである己にとっては、取るに足らないような些細なものであった。けれどそんな些細なものでも設定している領域を越えたものは、否応なく神経に触れてくる。掃除をなまけたゆえに、棚の上から舞落ちた埃に鼻をくすぐられるくらいのささやかさで。
数か月前までのフィガロであったなら、気配があると認識するだけで歯牙にもかけなかったであろう。不意をつかれなければおいそれと敗けることはない。
けれども、そのわずかな気配に対してここまで神経質になってしまうのは、今現在、このフィガロが住まいとしている屋敷にはもう一人住人がいるからであった。
arei_ash
MOURNING革命時代捏造フィガファウです。飲酒の描写があります。少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
無題「気になる?」
「えっ」
予期せぬ問いにファウストは手にしていたボトルを取り落としそうになった。その様子に、口元を緩めたフィガロが軽くグラスを揺らして見せた。
「君も呑んでみる?」
その動作で彼が何を伝えたいのか直ぐに分かった。
ーー気付かれるくらいに見てしまっていたなんて。
フィガロが酒を呑んでいる所を。正確にはお酒を呑んでいるフィガロの姿に見蕩れてしまっていたなんて、とてもじゃないが言えない。熱くなった頬を誤魔化すように慌ててファウストは首を振った。
「っいえ、僕は大丈夫です。……フィガロ様がいつも美味しそうにお酒を呑んでいるので少し気になってしまって」
「そう? …そういえば君ってもう成人してるんだっけ?」
1711「えっ」
予期せぬ問いにファウストは手にしていたボトルを取り落としそうになった。その様子に、口元を緩めたフィガロが軽くグラスを揺らして見せた。
「君も呑んでみる?」
その動作で彼が何を伝えたいのか直ぐに分かった。
ーー気付かれるくらいに見てしまっていたなんて。
フィガロが酒を呑んでいる所を。正確にはお酒を呑んでいるフィガロの姿に見蕩れてしまっていたなんて、とてもじゃないが言えない。熱くなった頬を誤魔化すように慌ててファウストは首を振った。
「っいえ、僕は大丈夫です。……フィガロ様がいつも美味しそうにお酒を呑んでいるので少し気になってしまって」
「そう? …そういえば君ってもう成人してるんだっけ?」
plenluno
DONE1/14「そういうことにしてるつもり!」8~New Year Party~展示作品②読んでいただきありがとうございました!ぜひアフターでもお楽しみください!
元相棒と野球拳。
魔法舎です。最後だけ微微えちです。
まほやく世界にじゃんけんが輸入されてたのを公式で確認した(どのストか忘れた)のでそのあたりを修正したりしています。
それだけじゃ足りない 「野球拳?」
とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
1827とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
ミナツ
MENU12月18日の「COMIC CITY SPARK 17 賢者のマナスポット10」に参加します配置【南3 ほ35b】スノウリキュール
当日はよろしくお願い致します
⚠️ノベルティ不要な方はお申し付け下さい
先に通販で購入した方もポスカ差し上げます
お気軽にお声掛け下さい
11日と同様ですノベあり
新刊サンプル
https://poipiku.com/2902481/7896350.html 2
かき揚げ
INFO12/11【DR22】ミスルチ新刊漫画 さようなら A5 / 70p 【東6 グ35a】月花妖異譚にて、神狐チレッタと、その遣いだった竜のミスラ、チレッタの息子である妖狐のルチルの3人の縁にまつわる話。
★会場頒布価格¥1000
★通販 https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031025733/ 12
plenluno
DONE泣けないアシストロイドは誕生日の夢を見るか。ネロさん誕生日おめでとうございます!!!
色々あって大遅刻ですが、パラロイのブラネロでお祝いさせていただきます!
ブラッドリーがネロと出会った日をお祝いしようとしてジタバタする話。
視点の切り替わりごとに章区切りをしていて、全8章になります。
誕生日要素ふんわりな感じで、温めてたネタをちょこちょこ昇華した仕様になりましたが楽しく書けました😊
アシストロイドの落涙Ⅰ
ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
7084ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
plenluno
DONE何百年たっても変わらないものの話。盗賊時代の手下以上相棒以下くらい&再会後
ネロにはブラッドリーによしよしされながら眠ってほしい
いつも頑張ってるからね
盗賊時代捏造、ブラネロ事後描写あるのでご注意ください!
変わらないものの話 「し、失礼、します…」
「おう」
良いから来いよ、と促されて、俺は寝台のちょうど1人分空けられたスペースに横になった。ボスの睡眠の邪魔をしないようにとなるべく端の方に寝転んだのに、すぐにがっしりとした腕に包まれて引き寄せられてしまう。思わずわっと素っ頓狂な声が出てしまった。
ぎゅっと抱きしめられて、俺は離れようと必死にもがいた。俺なんかがボスの隣で寝てるってだけでも落ち着かないのにこんな密着して眠るなんて無理だ。しかも向かい合わせの体勢で。
「おいおい暴れんな」
せめて向きだけでも変えたかったが、脚まで使ってホールドされては為す術もなかった。どうあっても逃れられないとわかって、俺は諦めて力を抜いた。
1384「おう」
良いから来いよ、と促されて、俺は寝台のちょうど1人分空けられたスペースに横になった。ボスの睡眠の邪魔をしないようにとなるべく端の方に寝転んだのに、すぐにがっしりとした腕に包まれて引き寄せられてしまう。思わずわっと素っ頓狂な声が出てしまった。
ぎゅっと抱きしめられて、俺は離れようと必死にもがいた。俺なんかがボスの隣で寝てるってだけでも落ち着かないのにこんな密着して眠るなんて無理だ。しかも向かい合わせの体勢で。
「おいおい暴れんな」
せめて向きだけでも変えたかったが、脚まで使ってホールドされては為す術もなかった。どうあっても逃れられないとわかって、俺は諦めて力を抜いた。
ka_ki_mo_ri
DOODLEカイオエ/現パロ/カインの死ネタ/捏造過多/「無.花.果とムーン」の一部パロディ【カイオエ】生きて、元気に暮らせ カインがツリーナッツ類のアレルギーだったということは、周囲の大抵の人物が知っていた。ハイスクールの友人はもちろん、教師も寮監も直接関わったことがない近所のキオスクの店員も把握していたほどである。
ナイトレイ一家はカインが寄宿制学校に編入すると同時に、古い持ち家を売却して引越しをしているが、当時公立小学校に通っていたカインが、クリケット大会で振る舞われたパイ料理を食べ、隠し味に使われていたアーモンドペーストで発作を引き起こし、みるみるうちに顔面蒼白と呼吸困難に陥って救急車で運ばれたエピソードは、近隣では知られただったそうだ。
そうでなくとも、カインは有名な子どもだった。ごく平凡な家庭に生まれたが、常に恒星のような輝きを放っていた。運動神経がよく、あらゆるスポーツの代表になった。快活な性格で友人も多かったし、整った顔立ちで女の子にも人気だった。誰に対してもわけ隔てなく接し、いじめや不正を嫌った。人の上に立つよりは、人の中心に立つことに長けていた。その光は成長と共により明るさを増す。未来永劫愛し、愛される人生を送るのだろうと、誰もが確信していた節がある。
4685ナイトレイ一家はカインが寄宿制学校に編入すると同時に、古い持ち家を売却して引越しをしているが、当時公立小学校に通っていたカインが、クリケット大会で振る舞われたパイ料理を食べ、隠し味に使われていたアーモンドペーストで発作を引き起こし、みるみるうちに顔面蒼白と呼吸困難に陥って救急車で運ばれたエピソードは、近隣では知られただったそうだ。
そうでなくとも、カインは有名な子どもだった。ごく平凡な家庭に生まれたが、常に恒星のような輝きを放っていた。運動神経がよく、あらゆるスポーツの代表になった。快活な性格で友人も多かったし、整った顔立ちで女の子にも人気だった。誰に対してもわけ隔てなく接し、いじめや不正を嫌った。人の上に立つよりは、人の中心に立つことに長けていた。その光は成長と共により明るさを増す。未来永劫愛し、愛される人生を送るのだろうと、誰もが確信していた節がある。
ymy_bnyr
DOODLEまほや腐らくがき晶♂シャイ ラスクロ ブラネロ
サン●オキャラがふつうに出てきますが深く考えないでください。
のちにコラボイベントがあってとても嬉しかったです(サン●オのオタク) 5
wasui_awira119
SPUR MEあいしら0529現パロ🔞 フィガネロ サンプル
どこまで書けるか分かりません!!!
頑張ります!!!
⚠ド直球センシティブ!閲覧注意⚠️
↓第1話書き上がりました!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17678330 2
wasui_awira119
SPUR ME2022.3.27.Sunピクスク開催フィガブラWebオンリー
不屈の誇りにオーブをかかげて
開催おめでとうございました🎉🎉🎉
新作ですが終わる目処が立たないため一旦提出します!
※ビックリするくらい途中で終わります
⚠⚠⚠痛くないけど痛そうなこと注意!⚠⚠⚠
⬇応援・感想・尻叩き
https://onl.bz/2VxPUAt 6520
wasui_awira119
DONE2022.1.23.Sunピクスク開催北師弟Webオンリー
HAPPY北師弟DAY
開催おめでとうございます🎉
スペース:氷 い5
新刊情報
『Something akin to Storge』
R18/新書サイズ/ページ数未定/値段未定
北師弟4人のCP総当り短編集です
CPなしのお話もあります
表紙はてんちゃん(@te_n09)から頂きました
パスワードは会場リンク先にて公開中です
wasui_awira119
DONE2022.1.23.Sunピクスク開催北師弟Webオンリー
HAPPY北師弟DAY
開催おめでとうございます🎉
スペース:氷 い5
新作展示:白衣【スノフィガ】
パスワードは会場リンク先にて公開中です
良かったら感想ください!
はぴして スノフィガ 新作展示『白衣』「じゃーん、見てみて、似合う?」
「なにしてるんですか……」
部屋に戻ると大人姿のスノウ様が俺の白衣を纏っていた。はあ、いつもの事だがこの人たちはやることに本当に脈絡がない。たち、と言っても今日は一人のようだが。
「ホワイト様はどうしたんです?」
「今日は別行動の日じゃ」
「なるほど」
暇つぶしに来たのだろう。スノウ様もホワイト様も、しばしば俺やオズを暇潰しに使いに来る。弟子だからって何をしてもいいと思っているのだろうか?
……思っていそうだな。
「それ、楽しいですか?」
「すげない態度をとるでない。少しくらい師匠孝行してくれてもよかろう」
「随分してきたと思うんですけどね……」
ひらり、と白衣を翻し、その場でくるりと回ってみせる。大人姿ならば背格好もさほど変わりない。サイズも申し分なく、それは長身の彼に非常によく似合っていた。
1274「なにしてるんですか……」
部屋に戻ると大人姿のスノウ様が俺の白衣を纏っていた。はあ、いつもの事だがこの人たちはやることに本当に脈絡がない。たち、と言っても今日は一人のようだが。
「ホワイト様はどうしたんです?」
「今日は別行動の日じゃ」
「なるほど」
暇つぶしに来たのだろう。スノウ様もホワイト様も、しばしば俺やオズを暇潰しに使いに来る。弟子だからって何をしてもいいと思っているのだろうか?
……思っていそうだな。
「それ、楽しいですか?」
「すげない態度をとるでない。少しくらい師匠孝行してくれてもよかろう」
「随分してきたと思うんですけどね……」
ひらり、と白衣を翻し、その場でくるりと回ってみせる。大人姿ならば背格好もさほど変わりない。サイズも申し分なく、それは長身の彼に非常によく似合っていた。
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DONE2021.12.12.Sunブラッドリー受けオンリー『地底に沈む』
開催おめでとうございます🎉🎉🎉
魔法舎:お1
新作展示です!
#右ブラ60分一本勝負
よりお題だけお借り致しました
当初はワンライ程度の予定でしたが伸びました🥳
冒頭「ミ、ミスブラ……?」みたいな感じですがフィガブラです!(?)
よろしくお願いします🙇♀️🙏🏻
良かったら感想ください!
地底沈 フィガブラ 新作展示『移り香』「……ブラッドリー」
「あ?」
ミスラに呼び止められる。何の用だ。完全に無視すると後がめんどくせえ。一応返事をしながら俺は警戒態勢をとる。ミスラ相手だとお茶会に誘われるのも、突然攻撃されるのも、同じくらいの確率であり得ることだ。
ミスラは無遠慮に俺の肩を掴むと、ぐいと引き寄せ顔を寄せてくる。おいおいおいなんだなんだ。
混乱している俺をよそに、ミスラは俺の首筋に顔をうずめ、すん、と鼻をすする。まるで匂いでもかぐみたいに。皮膚に伝わるミスラの呼吸と、あと少しで触れてしまいそうな人肌の熱を感じて、俺はぶわりと鳥肌を立てる。
「おい! んだよ」
「あなた、いつもと違う匂いがしますね」
獣か。思っても口にはしない。振り払おうともがくも、なぜだか知らないがどうしても気になるようで、全く離そうとしない。まじでなんなんだ。
3888「あ?」
ミスラに呼び止められる。何の用だ。完全に無視すると後がめんどくせえ。一応返事をしながら俺は警戒態勢をとる。ミスラ相手だとお茶会に誘われるのも、突然攻撃されるのも、同じくらいの確率であり得ることだ。
ミスラは無遠慮に俺の肩を掴むと、ぐいと引き寄せ顔を寄せてくる。おいおいおいなんだなんだ。
混乱している俺をよそに、ミスラは俺の首筋に顔をうずめ、すん、と鼻をすする。まるで匂いでもかぐみたいに。皮膚に伝わるミスラの呼吸と、あと少しで触れてしまいそうな人肌の熱を感じて、俺はぶわりと鳥肌を立てる。
「おい! んだよ」
「あなた、いつもと違う匂いがしますね」
獣か。思っても口にはしない。振り払おうともがくも、なぜだか知らないがどうしても気になるようで、全く離そうとしない。まじでなんなんだ。
wasui_awira119
DONE2021.11.23.Tueオズフィガオンリー 悠久のヘリオスフィア
新作展示 『雷』
オンリー開催おめでとうございます🎉㊗️
遅刻ごめんなさい!
短いですが、よろしくお願いします🙇♀️🙏🏻
楽しんで頂けましたら幸いです✨
悠スフィ オズフィガ 新作展示 『雷』 俺はオズの機嫌を空模様ではかるのが、結構好きだった。
あれはいつ頃だっただろうか。よく覚えていないが世界征服真っただ中だったように思う。結構長いこと抵抗していた街を一つ落として、俺は上機嫌だった。酒でも飲もうか、なんて話になって、オズと二人で酒を飲んでいたのだ。
◇◇◇
「あそこが落ちればあの辺一帯はもう手に入ったも同然だね」
「そうか」
「いや~、いい達成感」
「そうだな」
相槌しか返ってこないが、大昔を考えれば相槌が返せるようになっただけでも成長したというものだ。俺は機嫌良くグラスを傾けていく。今日調達してきた高い酒を、一本いくらの安酒のように空ける。
「久しぶりに手応えのあるところだったね」
「ああ」
1149あれはいつ頃だっただろうか。よく覚えていないが世界征服真っただ中だったように思う。結構長いこと抵抗していた街を一つ落として、俺は上機嫌だった。酒でも飲もうか、なんて話になって、オズと二人で酒を飲んでいたのだ。
◇◇◇
「あそこが落ちればあの辺一帯はもう手に入ったも同然だね」
「そうか」
「いや~、いい達成感」
「そうだな」
相槌しか返ってこないが、大昔を考えれば相槌が返せるようになっただけでも成長したというものだ。俺は機嫌良くグラスを傾けていく。今日調達してきた高い酒を、一本いくらの安酒のように空ける。
「久しぶりに手応えのあるところだったね」
「ああ」