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    #弓場拓磨

    takumaBowaba

    水鳥の

    MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。
    「好きだよ、イコさん」
     時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
    「なんや、王子、どないしたん?」
    「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
    「それなら、ええ」
     にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
     
    「で、今も続いてる、と」
     生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
    「そうや」
     生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
     日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
    「王子も可愛いところあるじゃないか」
     嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
    「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
     嵐山の問いに柿崎が答える。
    「いや、そんなんないな」
     生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
    「ないのかよ」
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    palco_WT

    DONEオール・ダージュplus5

    二十歳になった弓場ちゃんと王子と記憶の中の神田。
    タイトルに困ったあげく、ブランデーの十五年もの+5で二十年って意味にこじつけた。゚(゚´Д`゚)゚。
    ランク戦と遠征選抜試験の三月が過ぎ、四月を迎え五月を控える、世間ではゴールデンウィークと呼ばれる頃、弓場は二十歳になった。
     一日早く二十歳になった生駒を含めた同輩のみならず、気のいい隊員や、元隊員たちはせっかくだからパーティでもしませんかなどと可愛いことを言ってはくれたが、せっかくのランク戦オフシーズンで任務だけしか決まった予定の入ってない貴重な時期、どうせなのだから巧くスケジュールをやりくりして、授業のない期間にしか出来ないことをしろ、ときっぱり断ったのだった。
    「……って俺は言ったはずだぞ、王子ィ」
    「承知してます。だからこれはぼく個人の用向きです」
     築二十年という、奇しくも弓場と同い年のアパートの玄関の前に立っているのは、かつての部下であり、今では同じB級隊長として競い合う好敵手でもある若者だった。明るい色のトップスにサマーカーディガンを羽織り、タッセルのついたバブーシュという少女めいたコーディネイトが似合う彼は、ひょい、と手にしていた小さめの可愛らしい紙袋を顔の高さまで持ち上げてみせた。
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