ワンドロ【スケッチ】【片付け】 絵にあって写真機にはないもの。そのひとつは、描いた本人から見えている世界を好きに反映できることが挙げられると思う。
写真は日常のワンシーンをまるで時間を止めたように切り取ることができ、その瞬間に息づいていたもの、もう戻らないものも閉じ込めることができる。絵にもそれは可能だが、日常を描いた人がどう感じているかで映し出されるものは大きく変わるだろう。
「…………」
もう長いこと、カーヴェは手に持った一枚の紙を見下ろしていた。
朝焼けが窓の向こうに顔を出し始めた時間。昨晩寝た時間は覚えていない。ティナリとセノと、コレイと旅人とパイモンと一緒にランバド酒場で学院祭のお疲れ会をして、アルハイゼンが帰ってきて、持ち帰ってきた料理を食べてるあいつを見ながら酒をあけて。
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