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    #シャディミオ

    はなねこ

    PROGRESSシャミプチオンリー新刊のおまけ本のサンプルです。ミオリネに生えちゃった猫耳を引っ込めようとするシャディクのおはなしです。
    成人向けですがサンプルは健全パートです(スレちゃんとサビ先生のパートです)
    キャラメリゼキティ 窓から見える空は雲ひとつなく、『天高く』という言葉の通りどこまでも青く澄みきっています。ソアリングをする鳥達さながらに、学校全体が祭りに向かって上昇していくような――ロッカーの内側からも立ち込める熱気とざわめきに、肌がちりちりします。段ボールや模造紙やスプレー缶で埋め尽くされた廊下をえっちらおっちら駆け抜けて、たどりついた保健室。失礼しますと入室の言葉をそえるのも忘れて、わたしはガラリと戸を開けました。
    「サビーナ先生! サビーナ先生、たいへんですっ!」
     保健室の中ほどに置かれた丸テーブルに腰を下ろして、何やら難しそうな書類をまとめていたサビーナ先生が、顔を上げてわたしに視線を向けました。
    「二年三組出席番号三十一番スレッタ・マーキュリー、廊下を走るな……と言いたいところだが、どうやら緊急事態のようだな。君の背中で眠っているのは同年同組出席番号三十六番ミオリネ・レンブランに見えるが……」
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    はなねこ

    TRAINING幼なじみ高校生現パロのシャディミオ小話です。バレンタインネタ第3話です。あと1話で完結予定です。一部グララジ要素を含みます(どうしてもこの台詞を入れたくて!!!!)
    ミオリネ・レンブランの冒険3 二月十四日の朝、教室で顔を合わせるなり、スレッタは興奮した面持ちでわたしに駆け寄ってきた。
    「ミオリネさん、おはようございます!」
    「いよいよ決戦のバレンタインですね」
    「昨夜はよく眠れましたか?」
    「クッキー、ちゃんと持ってきましたよね。お家に忘れちゃったりしてませんよね」
     矢継ぎ早にたたみかけてくるスレッタを「ちょっと、落ち着きなさいよ」と宥める。「子どもじゃないんだから」
     カーディガンの肩をすくめて、スレッタがてへっと舌を出す。
    「ミオリネさんがバレンタインに前向きになってくれたことが嬉しくて」
     ――そう。遡ること三日前の金曜日、シャディクと別れた後、わたしはスレッタに連絡し、日曜日にスレッタの家でチョコレートを作る約束を取りつけたのだ(『というわけで、あんたの家に行くからよろしく』『ええええわたしの家でですか?』『誘ったのはあんたなんだから責任取りなさいよね』みたいなやりとりがあったとかなかったとか)。なりゆきとはいえ、友達の家でお菓子を作るなんて初めてだったから、わたしはちょっとドキドキしていた。
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