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    kikhimeqmoq

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    kikhimeqmoq

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    五条お誕生日の続きです!

    #伏五
    volt5

    恵お誕生日2023電話のボタンをずっと眺めていた。さっきまで小言ばかり言っていた津美紀はさすがにもう寝たらしい。
    それはそうだ。あと10分で今日が終わる。小学生は寝る時間だし、正直なところ自分も眠い。誕生日なんて諦めて寝てしまえばいいい。
    何回も自分に言い聞かせているのに体は一向に動かない。先月、呪霊から金縛りを受けた時よりも酷い。あの時は頭だけが動いたから、初めての金縛りに焦ってキョロキョロ顔を振る自分を見て彼が大笑いしていたっけ。しょぼい金縛りにかかる御三家術師なんて初めて見たとデカい声で笑っていたけど、俺だって漫画みたいに腹を抱えて笑う大人なんて初めて見た。
    ほら。電話なんかしたって多分笑われるだけだ。誕生日を祝うタイプじゃないだろ絶対。間違いない。
    動かせばギギギ、と音のしそうな緊張した指に力を込め、電話を切ろうとしたが震える指は何故か通話のボタンを押していた。
    プルルルルル。夜の呼び出し音はどうして不安を煽るんだろう。早く切らなきゃと焦るものの、金縛りのように固く緊張した自分の指はやっぱり上手く動かない。
    「めぐみ?起きてんの?おねしょでもした?」
    「あ……や……」
    「え?なに?本当におねしょなの?」
    「ちがう!」
    思いがけず彼と繋がってしまったことと、つまらない揶揄い方をされたことに苛つきが止められなかった。夜中なのに大声を出してしまう。
    「ふーん、そんなに否定するなら本当におねしょした?」
    「だから違えよ」
    不貞腐れるのもダサいと感じながら、上手く言葉が出てこない。そもそも本当に電話をかけるつもりもなかったから、何を言ったらいいか分からなかった。まさか誕生日だから祝ってくれとは言えない。そんな、恥ずかしいことを言うなら死んだ方がましだ。
    「じゃあなに?子供がこんな夜中に電話してきて。なんか困ってんの?」
    「大丈夫」
    「ふーん。僕の声でも聞きたかった?」
    そう、と肯定したくなる気持ちを抑え、唇を噛んだ。
    「めぐみ?図星?さみしんぼなの?」
    揶揄われているといえば揶揄われているのだが、彼はなんだか嬉しそうだった。この間のこの人の誕生日に玉犬を呼び出せたことを喜んでくれたことを思い出す。シャーペンよりも術式を喜んだ時の彼の静かな笑顔が綺麗だったことも。
    「あの、ボ……」
    「ボ?」
    ボールペンください、と言えばいいと思いつき、即座にそんなことは言えないと打ち消し、でも会話の行き場がないことに気がついてやはりボールペンの話をした方が良いのかと迷った。だってこの間言っていただろう。俺がシャーペンを渡したからボールペンをくれると。
    「ボ、ボ、ボ……」
    「ボボボーボ・ボーボボ?」
    「違う!」
    「それも違うの?わっかんないなあ。用がないなら子供はボーボボ読んでから寝な!」
    寝ろと言われた自分が黙ったままでいるのを、受話器の向こうの彼はくすくすと笑っていた。本当は俺が何で電話をしたのか分かっているのかもしれない。さっきの質問が図星だってことを。
    「電話して満足した?」
    ほらみろお見通しだ。俺が誕生日だってことも知っているんだろうか。知っているんだろうな。そういう声だ。あえて言わないことで俺が戸惑っているのを楽しんでいる声。
    「明日、こっち来るんでしょ。さっさと寝なよ」
    「うん」
    「じゃあおやすみ」
    挨拶なんて滅多にしない人なのに、おやすみと言って電話を切った。俺も小さくおやすみと言ったけど、もう電話は切れていたかもしれない。時計を見たらちょうど〇時だった。俺の七歳の誕生日は終わって、七歳と一日になった。

    翌日、予定通り高専に行く。冬休みはしごいてやると、彼だけでなく、夜蛾先生をはじめとした大人達が自分を鍛える予定になっていた。
    「伏黒」
    稽古場に向かう前、家入さんに呼び止められた。促されるまま保健室に入る。
    「五条から預かってるんだけど」
    あの馬鹿は今日も急に外出になって、と言いながら家入さんは筆箱くらいの箱を差し出した。
    受け取り、お礼を言って廊下に出た。ちょっと駆け足になってしまったような気がするけど、家入さんに気づかれただろうか。
    包み紙を乱暴に除くとビリリと大きな音がした。人が少ない高専建物内では反響が大きいような気がして脇に汗をかく。しゃがんで丸まり、小さくなってから箱を覗いた。それは本当に筆箱のようで、上下に開閉する蓋がついている。そっと開けると、赤っぽくフワフワとした布の中にメタリックな紺色の棒が輝いていた。ボールペンだ。
    一応、箱を裏返してみたがもちろんメッセージなんてない。誕生日を知っていたのか、この間の約束を覚えていたのか、確信のないままボールペンの青い輝きを見つめた。
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    kikhimeqmoq

    DOODLE伏五の五条が直哉と話しているだけの落書き。たぶんなんか、あんまり良いネタじゃない。恵が高一の五月くらい。誤字脱字衍字および重複は見直してないです。「君さあ、なんでずっとムカついた顔してんの?」
    久しぶりに御三家の会合があった。うちの当主は二日酔いで欠席するとだらなことを言い出し、次期当主である自分に名代を務めるよう言いつけてた。それはいい。それはいいが、なんでこいつと控え室が一緒やねん。俺、ほんま嫌いやねんけどら
    「悟くんはなんで似合わへん東京弁を使ってるの?」
    「似合ってるでしょ。君の金髪よりはずっと似合ってるし。直哉って昔は可愛い顔してたのに、いつのまにか場末のヤンキーみたいな金髪ピアスになったのは社会人デビューなの?」
    ハハッと乾いた笑いを付け加えた男といえば白髪が光っていた。銀髪というほど透けていないが、真珠みたいに淡く柔らかく発光している。下ろした前髪から覗く青い目はこれまた美しく輝いていたが、柔らかさなんて一欠片もなく世界を圧倒する力を放っている。それは自分が呪術者だから感じる力であって、その辺の猿どもが見たってガラス玉みたいに綺麗だと褒めそやすだけなんだろうが、こいつの真価はそんな見た目で測れるものじゃない。まあ、えげつない美しさっちゅうのは事実やけど。
    「もうすぐ禪院の当主になるっていうもんが、いつまでも五条家に 3020

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    DOODLE第3回 お題「半分こ」 伏五版ワンドロワンライ「恵さ、前僕にプロポーズした時僕の人生半分背負うって言ってたよね」
    「唐突に何なんですか」
    「なんかふと思い出して」
    「言ってませんね。記憶違いです。あとプロポーズはまだしてません」
    「え~言ったよ~」

    ごろごろとベッドの上を転がる五条の姿は、今から色事に及ぼうとしている人の様には全く見えない。
    伏黒が浴室から戻ってくると、五条は既に全裸にサングラスという傍から見れば異様な格好で布団もかけずにスマホを弄りながら転がっていた。
    その姿は伏黒の欲を煽るというよりも、だらしがないという印象しか与えなかった。

    「ほらあの時さ、人生がどうとか時間どうとかそういうの俺にくれみたいな事なんか言ってたじゃん」

    あの時、とは勢い余って五条に自身の想いを伝えてしまった時のことだろうか、と伏黒は当時の状況を思い返す。

    「まぁ似たような事は言いましたけど」

    伏黒は言葉を紡ぎながら五条が転がるベッドへと腰かけると五条の髪を指で梳く。やっぱりちゃんと乾かしていなかったんだな、と伏黒はひとりごちた。

    「人生半分背負うなんて言ってません。アンタの人生なんて半分にしたところで通常の1人分以上の重さあるんです 1190

    すぬぴ

    MOURNINGキスの日なので拍手お礼に上げてた伏五のキス上げ直し
    #伏五
    珍しくR指定もないので逆に恥ずかしくてそのうち消すと思う
    「…ねぇ恵、…ディープキスのやり方知らないの?」



    「…ああ?」



    唇が触れ合ったのは二度目だった。

    一度目は、悟の方からほんの一瞬。

    悪戯にしたって性質が悪い。

    反射的に拳を振り上げたトコロで、悟の身体がふっと後ろに下がってそれを避けた。

    術式を使うまでもない、というトコロに余計腹が立つ。



    「…いただきました。」



    そう言ってクルリと背中を向けて去っていく後姿をどうして黙って見送る気になったのか、

    今でもわからない。


    そのまましばらく、普通に時間が過ぎて、

    そして、今またこうして、不意に唇が触れ合った。




    「舌、入れるようなキス、したことないの?」

    赤い舌をつい、と突き出して、悟が悪戯っぽく身体に触れてくる。



    「…くだらない…なんのつもりだよ…」



    悟の真意が全く読めずに恵は絡みついてくる悟の腕を無理やり引きはがした。


    「ただ舌入れたらいいって思ってるでしょ?」


    下から覗き込むように顔をのぞかせながら、からかう様に悟が言う。


    「この間から…アンタほんと何がしたいんだ?!」


    いい加減頭に来て、恵が声を荒げる。


    「何 1431