高級幹部たちの走り出せ!デートRTA スターピースカンパニーは忙しい。周知の事実である。窓際族とかなんとか言われている伝統事業部を除けば──どこの部署だって日々てんてこ舞いの大騒ぎ、白目に目薬代わりのエナドリをさす始末。
そしてそれは、高級幹部だろうと、付き合ったばかりのカップルだろうと、高級幹部かつカップルだろうと同じこと。
「に、二時間!?!?!?デートに行くのに!?!?」
高級幹部かつカップルのトパーズとアベンチュリン、久々に揃った休暇はまさかの約二時間だけであった!
「いやいやいや、ちょっと待って。計算間違えたかもしれないし」
「君が間違えることなんてある?」
「私、四徹目だから」
トパーズは愕然とした。
大規模プロジェクトによるウン十連勤を乗り越え、必死にパズルゲームの如くスケジュールを調整したのは全て恋人とのデートのため。しかしなんとか残せた空白期間はたった二時間である。学生の放課後デートでももうちょっと時間があるだろう。んな訳ない、とキーボードを叩くが画面の数値は変わらなかった。
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