惚れ薬の効果効能にご注意ください「で、できた……!」
完成した液体をカーテンの隙間から差し込む光に掲げると、瓶の中でとろんと淡くピンク色に発光する液体が悩まし気に揺らめいた。これは調合成功時特有の反応だ。
そう、何を隠そうこれは我が家に伝わる秘伝の魔法の書にあった『惚れ薬』だ。
勘違いされては困るが、俺はかなりモテる方だ。容姿は整っているし、成績も優秀の生徒会長で由緒正しい家の生まれで将来も有望。
ならばなぜこんな惚れ薬など作っているのか。いや、作ってしまったのか。
「うわっ、空気が邪悪で陰湿! また怪しげな黒魔術でもやってたのかよ」
ノックもなしに、見慣れた髭野郎が生徒会室の倉庫部屋にズカズカと入り込み。窓を開けた。
この男は腐れ縁のフランシス。俺はこいつのことを生まれた時から嫌いだが、同じ学校の生徒会の副会長としてなぜかこうして一緒に仕事をしている。
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