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    pomi710

    基本ユキモモの短いのか癖が強めなものをこちらに載せます!
    供養は本気で中途半端なので!すいませんっ🙏😂

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    pomi710

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    前にツイッターで上げた遊牧民パロ。
    乙嫁とか大好きなのです!
    吟遊詩人×羊飼い
    前前前世くらいのイメージ。

    #ユキモモ

    放牧民の朝は早い。貯めておいた水で顔と口を洗い、モモの一日は始まる。足と手の指でも足りない数の羊と一匹の犬を連れ、細長いしなる棒を持ち、何も無い草原を草を求め歩き続ける。もうじき一番寒い時期が来る。それまで出来るだけ沢山の草を羊たちに食べさせなくてはいけない、大切な財産であり、食料だから。モモはひたすらに草原を歩く。たまに見かける木の実を啄み朝食をとった。腹は膨れないが、栄養にはなるだろう。保存用にと少し多めにも採った。そして、また歩く。脇に外れそうな羊をたまに棒で戻してやるが、犬が優秀なためそこまで大きく外れる羊は出なかった。そんな毎日を物心ついた頃から過ごしている。心が沈むことはなかったが、浮き上がることもない。只ひたすら、同じことの繰り返し。この辺りはまだ草が残っている、今日はここで食事をさせよう。そう考えていると、微かに聞いたことのない音が耳に届いた。それは僅かだったがその一瞬でモモの視界がガラリと変わった。胸が熱くなり身体の中が踊る様で、草原の緑は見たことをないほどに鮮やかに映り、日の光は輝いて自分を照らしているかの様に見えた。この音はなんなのだろうか、モモの中にそれを現す言葉はない。夢中で聞こえる方向へ足を進める。それは枯れかけの大木の根本から聴こえていた。そこには髪の長い男がいた。ひとつに束ねた銀髪を風に揺らめかせながら、不思議な形の物を持ち柔らかに動かし、それと共に声を出している。瞳を閉じている彼はこちらに気付かない。モモは羊のことも忘れ、その場にしゃがみ目を瞑った。男の声は低いが優しくとても伸びやかで、モモの奥底から覚えの無い感覚を沸き上がらせる。内側にある何かが震えた。これを言葉にする術をモモは知らない。ただただこの感覚に身を任せた。暫くすると声も音もなくなり、モモはそっと目を開いた。灰のかかった青い瞳がこちらを見つめている。彼は小さく口の端を上げ、モモの傍へ来てモモの顔を指で撫でた。モモは泣いていた。モモですら泣いている理由はわからなかった。

    男はユキと言った。モモは家へユキを招待した。客人が家へ来るのはとても良いことだからだ。羊を連れ家路へ戻りながらユキのことを沢山聞いた。ユキは旅をしながら演奏をして唄を唄っている。モモは演奏も唄というものも知らなかった。聞けばユキが先ほど口ずさんでいたものが唄というもので不思議な形のモノを鳴らすことが演奏らしい。モモは己が知り得る言葉で先の感覚を何とか伝えようとした。だが感じたことの半分すら伝えることは出来なかった。もどかしく思ったがユキはそれでも喜んだ。

    食事は大したものは出せなかったが、そちらもユキは大層喜んだ。特に羊の乳の粥を気に入ってくれた。滞在中ユキはお礼といい、よく唄を唄った。食事の後や放牧での羊待ちの間、寝る前は焚き火を囲みながら。モモの日常はユキの唄で溢れた。それを聞くと胸の辺りがあたたかくなる。こんなことはいつぶりだろうか。ある時、両親が商工で出かけ戻らなくなってからモモはずっとひとりだった。喜びとは何か、そんなもの忘れてしまっていた。

    ユキが来て片手分の日が過ぎた頃、朝顔を洗う桶の前に立ったときに水面に映る己の口が弧をかいていることに気づいた。初めてみる顔だった。これはユキがする顔と似ていた。ユキはモモを見つめよくこの顔をする。ユキは幸福のために歌うと言っていた。これが幸福なのかもしれない。

    ユキはどれくらい居ただろうか。そろそろ東へ向かわなくてはならないらしい。旅人とはそういうものだ。出来る限りの乾物を持たせ、モモはユキを見送る。最後にと演奏と共にユキはモモへの感謝の唄を唄った。とても清らかで澄んでいて、どこまでも羽ばたいて行けそうだった。唄が終わる頃にはモモの視界は歪んでうまく見えなくなっていた。ユキは初めて逢った日にしたように、指先でモモの涙を拭った。この唄はモモだとユキは言った。

    これはモモを唄ったんだ。お前の心はどこまでも行ける、それを忘れないで。

    そしてユキは去って行った。また逢えるだろうか、いつか逢えればいい。モモは今日も羊たちと犬を連れ道なき道を行く、ユキの唄ったモモの唄を口ずさみながら。
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    😭😭❤💖😭😭😭😇💕😭🙏🙏😭😭💕
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    pomi710

    Happy New Year全然えっちではありません(笑)
    付き合ってもいないユキモモの話!
    おかしなおかしな搾乳の話ですが、搾乳もしてはいません😂がミルクはちょっと出ます……!
    あと気持ちバンモモ風味ありますが、全然絡んでませんので固定派の方もご安心ください!
    モモちゃんもーもー牧場へようこそ ……キー、起きてー!ねぇってば!もう時間だって!
    「ん…………あとごふん……」
     僕は、ぼんやりと聞こえたモモの声にいつものごとく甘えるように答えた。モモのことだ、きっと三十分は余裕を持って起こしに来ているはずだから、あと三十分は眠れるはず。そう思って、少し眩しく感じる瞼裏の視界を暗くするため布団にもぐる様に寝返りを打つ。
     だけどモモの声は止むことはない。まぁこれもいつものことだ。僕はあまり気にせず、微睡む意識をもう一度深く落とそうしとした、が。
    ユーキー!もう搾乳の時間になっちゃう! オレ我慢できないよ、起きて!
    「……んー…………ん? さく、にゅう……? 」
     聞き慣れない単語に、薄っすらと目を開けると、そこには青空が広がっていた。朝日の眩しさに眉をしかめる。だが、影が出来たことで目はすぐに開くことが出来るようになった。
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    pomi710

    DONE先日のサイテク姫妄想の続きでございます。。ほんと捏造すごいし甘いです…!ツキの国の王宮の離れ、そこの窓辺へ頬杖をつく銀髪の美しい青年、カゼの国の皇子ユキは、淡桃色の髪をした従者の少年へ不満を隠しもせず問い掛けた。
    「ねぇ、どうしてモモとふたりっきりで逢えないの」
    「ご自身の胸に手を当てて考えてください」
    「…………わからないな」
     素直に胸に手を当てて真剣な顔で呟く主に少年こと天はわざとらしく大きなため息を吐いた。一見ふざけているように見えるが彼は本気なのだ。
    「まぁ、貴方がああなるのは予想の範囲でしたけど」
     天と向こう方の従者が止めなければ、あのまま口吸いのひとつやふたつしていただろう。そんな天の小言を気にもせずユキは次を紡いだ。
    「せっかく両想いなのもわかったのに、これじゃ生殺しだよ」
    「結納もまだだというのに何をおっしゃっているんですか。結納が済み次第カゼの国に戻って式の準備もあります。…がもうじきですよ。若様の願いが叶いそうで僕等もほっとしているんです、これでも」
    「わかさま、最初は断られるなんておもってもなさそうだったもんな。昨日の落ちこみ、やばかったし」
     もうひとりの従者、水色の髪の少年、環も腕を組みながら呟いた。
     そう、あれは昨日のこと 5475

    pomi710

    DONEサイテクUR最高でしたね…!
    モモチャンが姫過ぎて捏造に捏造を重ねて姫パロが出来上がりました…!モモちゃんは姫でユキさんは皇子ですが性別は特にない世界ですっ
    大丈夫でしたら読んでもらえたら嬉しいです😊
    ここは、ハナ、トリ、カゼ、ツキと4種のヒトに分けられているとある世界。数万年前、彼らはそれぞれの種で国を作った。それらは分断の道を辿っていたがここ数百年の間で少しずつ国境を開き始めた。特にツキの国の現国王は、国を開くことに積極的だったのだが…。

    「はぁ…」
     ここはツキの国の王宮の一室。香りの良い黒木の梁や柱を丁寧に組み、素材から丹精込め職人が仕上げたい草を編んだ床、所々には三日月に蝶の舞う透かし彫りが掘られている。応急と言うには簡素な造りかもしれないが、それでも素人目からも一級品なことがわかるほどの出来だった。そんな部屋に住まうはツキの国の一の姫であるモモだ。
     そして、ため息の理由だが、モモはこの度カゼの国の第一皇子の元へ嫁ぐことが決まっていた。何故だかはわからないがアチラ側より是非ともモモを嫁に、行く行くは皇子が王となるため后として迎えたいとの事だった。この申し出を喜んだのはモモの父である国王だ。父は他国の王からは変わり者だと評されているが、とても頭が良く心根も優しいヒトだった。国民だけでなく他国民の為にも国交を広げ、世界全土を発展させていくべきだと考え進んできているのだ。ツキ 4777

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