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    higuyogu

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    higuyogu

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    ナムらく。耳かき。
    これの耳かき部分を抜粋したものを全年齢向けに直したものです。→[R-18] キャラバンの子がデ・ナムさんに耳かきをせがまれて目を舐められてセックスする | かつかつ #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14546849

    「デ・ナム、なあ、寒い」
     ひやりとした何かに揺すられ目が覚める。すっかり夜も更けて、窓から入ってくる僅かな明かりが、ぼんやりと輪郭を浮かばせている。デ・ナムが声の方に寝転がると、白い影があった。
    「デ・ナム、寒い」
    「…なに」
     デ・ナムがゆっくりと布団がわりのボロ切れを開けると、そこそこの勢いで影が潜り込んだ。水のようなしなやかさで音もなく体にひっついてくるこれは、もしかしたら何かの獣かもしれない。いやただのセ・ジドだった。デ・ナムは冷たい髪の毛を撫でてやる。
     この小屋には研究者セルキーが1人暮らす分の、それも最低限しか物がない。湿原の夜の寒さを凌ぐための布も、厚手にはしたもののそれでも心許ない一枚しかない。むしろ(莚)があると言えばあるのだが、これも床板からの冷気を防ぐために必要なのもであり、やはり一枚しか編んでいない。
     つまり離れて寝る奴に貸すもう一枚なんてものは無かった。もっとも、意地になっているセ・ジドがデ・ナムからの施しを受け取ったかは疑問である。
    「つめたっ、よくこんな体冷えるまで耐えたなぁ。さすがキャラバン」
    「お前がすぐに寝ちゃうから走ったりとかしてたんだよ。でも寒みいし、魔物は多いし…」
    「こんな時間に外行ったのかよ。アホだな。しっかしお前触ってると冷た過ぎて目が冴えてきたんだが。服脱がしていいか?つか脱げ、冷たい」
    「ええ、もっと寒くなりそう」
    「やなら出てけ」
     デ・ナムの言葉にセ・ジドは黙り込む。デ・ナムはそんな彼の服の留め具を解く。胸のあたりで縛って服を留めていた紐を解ききると、セ・ジドはようやく自主的に服を脱ぎ出した。
     セ・ジドは特に不満を漏らすわけでもなく、あまり洗練されていない動きで方の毛皮やベルトを外し、サンダルと手袋も脱いだ。脱皮する芋虫のごとく筒状の服から体を抜いて、それからデ・ナムに体を寄せる。デ・ナムの胸に吐息がかかる。
    「で、耳かきすんの?」
    「ん〜、してくれるならしてほしい」
    「…耳かきの道具持ってこいよ」
     セ・ジドはデ・ナムにくっついたまま、そうのたまった。幸いにも耳かき棒もショートクリスタルも、手を伸ばせば届く位置に置いた袋の中だ。中には寝る前に柔らかくしておいたちり紙も入っている。
     デ・ナムが少し体を起こして目当てのものを取る。掛け布に冷たい空気が入り込んで、セ・ジドは身震いした。
     袋を開くと淡い光が漏れる。クリスタルが光を放っている。光を頼りに必要なものを取り出した。
     寒さに耐えながら、デ・ナムが袋を戻し布に潜り直すと、セ・ジドは相変わらず丸く縮こまっている。なんだか公平でないかんじがする。
    「ほら耳かき棒だ。あと明かりがわりのクリスタル。」
    「う、づめだい…」
     セ・ジドはデ・ナムから耳かき棒とクリスタルを受け取り、しぶしぶと体を少し起こす。肘で体を支え、布ごとデ・ナムの頭に覆いかぶさり覗き込む。
     クリスタルの光は耳の穴の中までは照らさないが、外側の形は溝まで明らかにする。
     するとデナムの冷えた腕が腰に回された。ただでさえセジドは両手の物体の冷たさに辟易しているというのに!思慮浅く肌を弄る指はせっかく湧いたやる気をごっそりそいでいく。
     とりあえず氷のようなクリスタルをデ・ナムの耳介に置くことにした。デ・ナムは呻いたが、セ・ジドは気にせず耳たぶを引っ張り中の様子を見る。光がちょうど穴周辺を照らしており、作業しやすそうである。

     セ・ジドははじめに穴周りを棒でかいた。デ・ナムの耳に、ひやっと冷たい点が当たる。その点は穴の周りを少し乱暴にひっかく。ぐりぐり、さりさり。まあまあ悪くない。
     ぐにぐにと柔らかい皮膚が匙に押されるのは気持ちが良い。それにさっきから耳にかかる吐息と指の熱が、暖かくていじらしい。デ・ナムは目をつむり、セ・ジドの腰と胸で指の暖をとりつつ、耳の感触に浸ることにした。
     一方のセ・ジドは、形が変わる以外の感触がない。一応粉みたいなものは出てきたが、しかし集めようにもなかなか集まらない。そんなに楽しくない。セ・ジドは集まらない粉を息で吹き飛ばすと、デ・ナムは肩をすくめた。吐息に穴の中の産毛がそよいでこそばゆいらしい。
     早くも飽き始めているセ・ジドは穴の中に棒を進めた。暗いが勘で棒を動かす。こいこい、と中の肌を探る。ごそりごそり。デ・ナムの耳の中では棒が動く音と、パリパリ薄いものが剥がれそうな音がする。セ・ジドが棒を引き出すとなにやら白いものが採れていた。棒を持っていない手にちり紙を握り、匙を拭く。そして再び穴を覗き込み、同じところをかく。かりかり、ぱしぱし。デ・ナムからも、何かが取れている感触はよく分からないが、なんとなく心地よい。寒さで滞った血液を、程よい力で解きほぐされているような気がする。
    「耳かき処女とは思えん…誰にやったんだよ」
     デ・ナムは思い出したように指先を動かす。普段は服に隠れている肌は滑らかだ。
    「家族。かーちゃんとか、とーちゃんとかにな。昔の話だけど。」
    「やったことないって言った」
    「んんっ、それくすぐったいからやだ。だってデ・ナム絶対変なことするじゃん。今みたいに」
     セ・ジドはデ・ナムにくすぐられても、気にしないように作業に集中する。
     棒を抜くと小さなかけらが採れている。拭って、今度はまた違うところをかく。かりかり、こりこり。
    「減るもんじゃないだろ?」
    「耳かきできない。」
    「できてるできてる、上手上手。」
    「勝手にしろ。耳が痛くなるのはお前なんだからな」
     こいこい、ごそごそ、手応えはないが採れなくもない。脱力しているデ・ナムの指先にたまに、うっかりなのか故意なのか、力がこもる。
     セ・ジドはため息をデ・ナムの耳めがけて吐き、くりくりと棒を動かす。くりくり、かりかり。ある程度ほじったら引き出し、また位置をずらしてかく。かしかし、かしかし、くいくい。
     静かに瞬きをする相手の目はいつもより穏やかそうだった。実際デ・ナムは体温と吐息に温められてまどろみ始めていた。クリスタルももう氷ではない。
    「デ・ナム、かいてほしいとこある?」
    「ん?あー、こっちのほう。」
     デ・ナムが指で指し示したほうに匙を向ける。匙の側面を当てて、なるべく広い範囲を刺激する。
    「この辺?」
    「もうちょい奥」
     セ・ジドは少し力を抜いて匙を奥に進めた。奥ほど痛みに弱いからだ。さりさり、くりくり。
    「ああ、その辺…」
     くにくに、こりこり。痒いわけではなかったところだが、痒いところに手が届いた感覚だ。なんとなくいじられたい場所はある。じわじわ広がる気持ちよさに、デ・ナムは垂れそうになったよだれを飲み込む。
     かりかり、さりさり。少し痛気持ちいくらいになるとセ・ジドはかく位置をずらす。その塩梅がちょうど良くて、デ・ナムは喉を鳴らした。
     そうやってセ・ジドが位置をずらしているとき、かち、と何かが当たる。途端にデ・ナムにむず痒さが走る。
    「ん、痒い。今のとこ」
    「なんか固いものがあった気がする。まって」
     セ・ジドは固い音がするところを重点的にかく。ちょりちょり、かりかり。異物感はあるが、いまいち手応えがない。引き抜いても何も採れていない。
    「張り付いてんじゃないのか?」
    「鱗とか生えたんじゃねえの」
    「アホ言え」
     セ・ジドはデ・ナムの言葉を頼り、件の位置の周辺を探る。ちょりちょり、パリパリ、何かが剥がれそうな音だ。デ・ナムは痒みに短く呻いた。セ・ジドはそのなにかを調べるように匙をゆっくり動かす。音に神経を集中させ、獲物を逃さないように息を潜める。かりかり、ちりちり。
     この地味な動きはデ・ナムの痒みを増幅させる。弱く刺激されるほど、物体に密着されている肌が気になってしまう。掴んでいる背中を揉むとデ・ナムの気は多少紛れるが、セ・ジドが舌打ちした。それでもセ・ジドは集中力を保ち、張り付く物体を探る。かちかち、こりこり、かりり。
     狙っているものはやや厚みがあるように思われた。この凸が軟骨とかでなければ、これがフチだろう。とっかかりはそこそこ奥の方にあったが、今現在ちょっかいをかけられているので、多少痛くなるくらいがおあいこだ。
     セ・ジドは一番力を加えやすそうなとっかかりに狙いを定め、ひっかけて力を加えた。するとその一点から肌に密着していた薄いものがペリッと剥がれる。デ・ナムに悪寒に似た快感が走る。思わず身震いする。
     セ・ジドは今しがた浮いたものを、慎重に剥がし、落とさぬよう引き上げた。デ・ナムは余韻に浸っていた。その折に耳から何かが生温かいものが出ていく感覚は妙で、癖になりそうだった。
    「うわ、かさぶた?本当に鱗だったんじゃね?」
     セ・ジドは引き出した物体を触ってはしゃぐ。5ミリ四方の薄い塊だった。デ・ナムも触って存在を確かめる。
    「ほう、こんなものが。やっぱり耳かきされなきゃだめだったんだな。」
    「こんくらいの耳糞が毎回採れんならやってやるけどな。手前とかぜんっぜんなかったから、お前の耳つまんない。」
    「まだ残りがあるかもよ。」
    「ええー、はぁ、しゃあねーな」
     セ・ジドは先程かさぶたと格闘したあたりを中心に匙を動かす。パリパリ、かりかり。痛気持ち良さとともに、残りカスのような薄いものがいくらか採れた。
     それからまた奥の方をかいていく。そろりそろり、撫でるように。この辺りまで来るとほぼ何も採れない。ただこの辺りはなんとなく気持ちが良いところのはずだ。
    「あー、そのへん」
    「ん、」
     セ・ジドはデ・ナムが唸ったあたりを多めに撫でた。さらにその少し奥をそうっと撫でられると、一層うっとりして脱力した体に妙な力が入る。匙が去った後に痛痒さが残るので、もう一度撫でてほしくなる。
    「でもやりすぎたら痛いだけだから。これで終わりな。」
     セ・ジドはそう言ってから耳かき棒を置き、ちり紙でデ・ナムの耳介を拭う。溝の方を紙で擦られるのは痛いが、耳全体を引っ張って揉まれるのは気持ち良かった。
     そしてセ・ジドは耳の穴に息を吹き込む。仕上げと言わんばかりである。
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