sirome0_0☆quiet followDOODLE小さい頃、段ボールをかぶればいつでも星が見えると思っていた #オリジナルss 段ボールの穴小さな頃、いたずらをして怒られると思った時に段ボールをかぶっていたことがある。僕はただの荷物。ここにはいないよ。 そう思って。 段ボールの独特な匂いにいつの間にか寝てしまった僕は、目を開けた瞬間真っ暗な視界の中でいくつかの星を見つけた。 今思えばそれは、段ボールの隙間から入ってきた光なのだけれど。 その日から、夜空を見上げるのがほんの少し怖くなった。 地球、という段ボールの中に閉じ込められているような気がして。 誰かにこの星の上から本当はずっと監視されているような感じがして。 「本当は、いくつかを除いて星は存在しないのかも」 昼間の空に手をかざし、指のすき間から漏れる光を見てつぶやいた。 Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow sirome0_0DONEただ自分以外を好きな人に片思いするtksmくんが見たかったんです 623 sirome0_0DONE付き合ってないけど好きな人、の誕生日って覚えてますか?好きな子の誕生日当日と⚽️男子4️⃣1️⃣「誕生日、って聞いて…」 好きな子がお友達と話しているのをたまたま聞いてそれからずっと覚えてる。好きな子に関しての情報は本当によく覚えてそうな4️⃣1️⃣くん。 ただ、プレゼントとかは急に渡されても困るかなとか思って用意してない。 好きな子が一人のタイミングを見つけて、「今日、誕生日って聞いて…」って切り出す4️⃣1️⃣くん。 「おめでとう、ございます。」 「ありがとうございます」 「なんで疑問形なの」 「潔くんがなんか言葉に詰まってたから、合わせてみた。」 「ぷっ、なにそれ、俺疑問形じゃなかったでしょ」 なんて、どんなときでも会話を和ませてくれることろが4️⃣1️⃣くんが好きになったら理由だったりして。 1508 sirome0_0DONEライブの後こんな話があればいい。ライブの後ライブのあと、柊が泣いていた。柊は玄純がいうようにいつも突然泣き出す。だから慣れたっちゃ慣れた。ただきっと柊も会場にいた真冬を見つけたのだろう。 見たのだろう。真冬が大粒の涙をこぼしているのを。 それだけでこの曲をやってよかったと思えた。 伝えたいもの全部伝えることができたから。 「…柊、玄純」 「…ずびっ。」 「何だ」 まだ涙が引っ込まず鼻水をすすっている柊と、玄純の目が俺に向く。 「俺にこの曲を教えてくれてありがとう。バンドに参加させてくれてありがとう。」 「「」」 そう言うと二人は驚いた顔で俺を見つめるから、居心地が悪くなって目をそらす。 「おうっ」 「あぁ。」 「何だよ、上。やっと俺に感謝したくなった」 492 sirome0_0DONEあまーいあまーいお汁粉はいりませんか?お汁粉とwsrn斎藤「…甘い匂いがするな。汁粉か。」 「汁粉です。」 自主稽古から戻るとき甘い匂いがしてその匂いに釣られるようにやってくる斎藤さん。 「飲みますか」 と下女ちゃんが聞くと「…いいのかいや、違う。俺は最後でいい。」と。 飲みたい気持ちは山々なのに、咳払いをした後言い直す斎藤さん。 「…ところで、お前は味見をしたのか」 話をしている内に何かを見つけて訊くと恥ずかしそうな下女ちゃんが「少しだけ。」って答えるし、「なら、それを貰おう。」って口元についているあんこを口づけで取るのが斎藤さん。 平助「今日、汁粉があるって聞いてさ、急いで帰ってきたんだよ。っつってもちゃんと見回りはしてきたぞ。」 急いで帰ってきたんだよ、の部分まで聞いてジト目をする下女ちゃんに笑いながら付け加えるのが藤堂さん。 1653 sirome0_0DOODLEリョーマ君と朋ちゃんの会話ももっと見たいホントはね朋香「リョーマ様、あの時やっぱり怒ってたよね」 リョーマ「だから、何の話」 朋香「ほら、城西湘南とか言う学校の親衛隊とか言う女の子たちともめた時…」 リョーマ「………そうだっけ。強烈な監督さんに絡まれたことは覚えてる。」 朋香「またまた、照れちゃって〜。」 桜乃「………」 堀尾「竜崎、何してんの」 桜乃「朋ちゃん達なんの話してるんだろうって」 堀尾「小坂田と越前あの2人なんだかんだで仲いいよな。越前もそんな邪険にしてないし。小坂田の方も一線は越えないっつーか。」 桜乃「……うん。」 堀尾「そんなに気になるなら行けばいいだろ呼んでやろーかおーい、越むぐっ」 桜乃「呼ばなくていいよ、堀尾くん。」 堀尾「だったらなんでそんな顔してるんだよ。」 341 sirome0_0DONE好きって言わせたい🏐男子好きって言って欲しいんです。日向「〇〇さん、お願いがあるんですが…」 珍しく元気がなく肩にコツンって頭を乗せてくる日向くん。そんなに元気のない姿を見るのはなかなか無いものだから、すごくびっくりしちゃう彼女さん。 「どうしたんですか、日向くん。」 「1回だけ…好きって言ってもらえませんか…」 肩に乗せられた頭から伝わる熱で顔が赤いことが伝わってくる。 「好きですよ。凄く、凄く好きです。」 それに気づかないふりをしてそう口にすれば、ばっっと肩から熱が離れていく。 飛び退くように、離れた日向くんが「俺っ一回って言った」って勢いよく言うから「だめだった」って訊くと「駄目、じゃ無いけど…その…」思ったより嬉しくてどうしたらいいかわかんなくなる。 1931 related works sirome0_0DOODLE小さい頃、段ボールをかぶればいつでも星が見えると思っていた段ボールの穴小さな頃、いたずらをして怒られると思った時に段ボールをかぶっていたことがある。僕はただの荷物。ここにはいないよ。 そう思って。 段ボールの独特な匂いにいつの間にか寝てしまった僕は、目を開けた瞬間真っ暗な視界の中でいくつかの星を見つけた。 今思えばそれは、段ボールの隙間から入ってきた光なのだけれど。 その日から、夜空を見上げるのがほんの少し怖くなった。 地球、という段ボールの中に閉じ込められているような気がして。 誰かにこの星の上から本当はずっと監視されているような感じがして。 「本当は、いくつかを除いて星は存在しないのかも」 昼間の空に手をかざし、指のすき間から漏れる光を見てつぶやいた。 303 sirome0_0DOODLEきっと彼女は昔物語を作るのが好きだった。たまには、年老いた彼女のお話を当たり前にいた人はある日突然、ほんの些細なことで居なくなってしまう。 友達でも恋人でもそうなのかもしれない。家族でも同じだ。 だから私は大切な人をこれ以上増やさないと決めた。大切が増える分、なくなったときに心が痛くて痛くてたまらなくなるから。 こっちに来ないでくれ、そう思っても人間という生き物は一度外へ出ればいろんな人に出会ってしまう。時には言葉を交わし、相手との関係に名前をつけざるを得ない時だってある、ニンゲンだから。 ニンゲンなんて厄介だ、ひとりぼっち以外を知ればひとりぼっちには戻れない。 …あぁ、生まれ変わったら木になりたい。 木は色んな人の一生を見られるから、それでもその全部が他人事だから。言葉を交わさなくても構わないから。 491 sirome0_0MOURNINGもちろん、誰かにはみんな愛されてる。いつか気づける日まで愛されている自信がない、生きている価値もない。ただ何となく生きているだけの人生なのだろうと思っていた。 そもそも価値ってなんだ。どういう人に価値があるんだろう。 偉人以外は価値がないのか どうしたら価値のある人間になれる 自分に自信がつく 「世の為人のためになることをした人はそりゃあもうもてはやされると思うよ。でも、どんな小さなことでも、いてくれてよかったって思ってもらえる人がそうなんじゃない別にいいことをしなくたっていいんだよ。」 ほら、親にとってはどんな子も、生まれてきてくれてありがとう、の対象になるって聞くじゃん。 目の前の人間はこともなげにそんな事を言う。 この人間はきっと自分の価値を知っている。だから自信があるんだ。 437 sirome0_0MOURNINGただ、ひとり旅の予定がズレた日に思いついた話ひとり旅出かけようと思った。大切だと思っていた人を忘れるために。唐突に選んだ意味のない季節をぱっと指さして気づく。 本当に偶然、でもそれは必然のように意味のある季節であるように思える。 それくらい、大切な日だった。その日は、君と出会った季節だったから。 君の口にしていた名前の場所、多くの時間君が過ごしたらしい場所。全部見て回りたかった。 君がいたことを、どうしても感じたかった。 それだけで良かった、それだけで。 きっと、私は前へ進める。 初めての土地は、冷たくてつんと鼻の奥が痛くなるような空気をしていた。 秋、という季節がそうさせていたのかもしれないけど。 「さむ。」 小さく呟いて、歩を進める。 右も左も知らない景色が広がる世界へ。 319 sirome0_0TRAININGオリジナルのお話冬になると眠ってしまう女の子のお話二あなたは知らないのでしょう、本当の真っ暗がどれだけ怖いのか。 冬になると、どうしてか眠くなってしまう。 眠りたくなくても、もっと起きていたくても私の思いとは裏腹に冬は年々早くやって来る。 冬の間中夢を見ていられるのなら、どれだけいいだろう。 けれど、私が眠っている間あるのは真っ暗な闇だけだ。 生きているのかどうかすらわからない、このまま眠り続けたらもう死んでしまうのではないかと思ってしまう。 誰か、気づいてくれるのだろうか。 私がもしも眠ったまま二度と目を覚まさかった時、冷たくなってしまった時に。 真っ暗闇の中、私は泣いているのだろうか。頬に温かい感触がする。 あなたは、あなたは来てくれるだろうか。 冬の間に私のことなんと忘れてしまう… 572 sirome0_0DONE銀河鉄道の夜の後のジョバンニとザネリのお話を書きました。ザネリとジョバンニ「ザネリ、ねぇ。」 嗤いに来たのか、それとも責めに来たのか、 ジョバンニはそれでも何も言わずに立っている。ただ僕の返事をひたすらに待っているようだった。 「カムパネルラの父さんが言ってたんだ。一度二人で家に遊びに来てほしいって」 「…」 「ザネリ、行こう。きっとそれをカムパネルラも望んでる。」 …カムパネルラが、望んでる 「ジョバンニ、一体「わからないよ。その人が本当に望んでいることも、その人にとっての幸いも…僕らには到底わからない。」…」 「それでも、カムパネルラはカムパネルラのお父さんが望んだことを望むと思うんだ。だから、僕らは行くべきなんだよ。」 いつから、いつからジョバンニはこんなふうに話していたのだろう。 1263 sirome0_0DONEどうしても口説き(治し)たい人君は旅をするどうしても、どうしても口説けない人がいた。 その人は、いつも明るくてまるで病気なんてないような顔で診察室に入ってくる。 「せんせっ、今度沖縄に行くんだ」 「駄目だよ。」 その人は、僕の制止をなかなか受け止めてはくれない。 「今度こそ、治療を受けてもらう。」 「治療なら受けてるよ。」 「欠かさず処方薬は正しく飲んでるし、おかげで検査の結果も現状維持を続けてる。」 「だから、そうじゃなくて「いやだよ。」…」 「沖縄に行ってから。世界を見てから。どうせ私には私しかいないんだから。そんな私もそのうちいなくなるんだから。今、見に行くの。世界を。」 すぐにどうこうなる病気じゃない。ただ、彼女の病は確実にその小さな体を蝕んでいく。 719 sirome0_0TRAININGオリジナルのお話冬になると眠ってしまう女の子の話1僕の好きになった人は、冬になると眠りにつく。 そして、春が来れば目を覚ます。 彼女は、冬も、雪も知らずに過ごす。 粉雪が舞う季節、イルミネーションがきらきらと目に痛い季節を君と一緒にいられたらと願う僕と、私が冬を見れないのはね、冬を見る必要はないとあらかじめ決められたのよと笑う君。 ただ、あなたと出会ってから日々はあっという間に過ぎ去り木々の色も花の色もコロコロと色を変える。 まるであなたと過ごせない季節をさみしく思う私を嘲笑っているかのように、冬はすぐに訪れる。 長い長い冬。 「冬ってね、怖いの。他の人のことは分からないし冬眠している動物のことも分からないけれど。」 しんみりと語っていた君は急に無邪気な笑みを浮かべる。僕にとって君は見ているだけでコロコロと表情を変える季節のように思える。 574 sirome0_0MOURNING短い詩みたいなやつ夜のナイフ両親を看取ったら、自分は死ぬことを目標に生きてきたはずなのに、今すぐにでもと思う時がある。 正直、人がひとりいなくなってしまっても他の人の人生はいつもと変わらないまま続くのだろう。 ただそれだけのこと。 きっと、すぐに忘れてしまう、あんな人もいたなーという記憶ですら。 それでいいんだ。 誰かに悲しんでほしいわけじゃない。覚えていてほしいわけでもない。 そう思っていたのに、夜になって考え始めるとそれがたまらなく恐ろしくて涙が出てしまう。 自分は誰の何者でもないのだ、そう夜にナイフを突きつけられているようで。 261