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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    敦太800字。ストリップってこれでええんか……?

    ##文スト
    #敦太
    dunta

    君の上で踊る 粘る水音がアパートの一室に響いている。
     敦と太宰は二人で家に帰ってきた後、もつれるようにして布団に転がった。今は、太宰が覆いかぶさるような形でくちづけをかわしている。
    「はっ……太宰さんっ」
     太宰の手慣れた様子に圧され気味の敦は、思わず制止をかける。太宰の肩を軽く押して、唇が離れた隙にじっと太宰の目を覗き込んだら、その鳶色の瞳には熱に浮かされた自分の顔が映り込んでいた。思わず、顔を逸らしてしまう。
     それを見た太宰は、体を起こして敦の腰のあたりに跨る。そうして敦が驚く間もなく、ループタイに手をかけると、挑発的な笑みを浮かべた。
    「ストリップをご所望かな?」
     ごくり、と敦の喉が鳴る音すら聞こえそうな距離。太宰は満足げに微笑むと、するりとループタイを外して放った。いつもの砂色のコートはすでに脱いでいる。次はベスト。ボタンをひとつひとつ外していく。
     その間も太宰の瞳はずっと敦を捉えている。今にも食らいついてきそうなほど物欲しげなのに、じっと堪えている様がいじらしくて、太宰はすっかり気を良くしてしまった。敦の額にくちづけを落とす。ベストを脱いで放ってしまうと、次はシャツのボタンに手をかけた。
     上からひとつずつ、ボタンを外していくが、露わになるのは包帯の巻かれた肌。
    「君がいつも跡を残すから、この包帯、外すに外せなくなっちゃったね」
     太宰はシャツのボタンを外し終わると肩から落とす。わざとそのまま脱がず、敦の腹を服越しに撫でた。
    「ねえ。私が欲しい?」
     つ、と太宰の指先が敦の腹から股間までをなぞる。そこで初めて気づいて、敦は顔を真っ赤にする。当然のごとく、そこはすでに痛いほどに張りつめていたのだから。
    「欲しいのなら、君の好きなようにしてみたまえよ」
     言うが早いか、敦は身を起こして太宰の体を押し倒していた。さっきまでとは逆転した体勢。
     飢えた獣のような荒い息遣い。夜明け色した瞳が欲情に染まっている。ぐり、と押し付けられる敦の屹立した熱量。それらに太宰は腰のあたりからぞくぞくするほどの快楽が上ってくるのを覚えて、めまいがするほどだった。
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    高間晴

    DONEチェズモクワンライ「ダンス」。
    酔っ払ってジターバグを踊る二人。
    ■ジターバグ


    「モクマさん、私と踊っていただけますか?」
     リビングのソファで晩酌をしていたモクマの横顔を見ながら、隣でチェズレイは言った。突然のお誘いに、モクマはぐい呑みを手にしたままぽかんと口を開ける。
    「踊る、って……」
    「社交ダンスです。アルコールが回ったせいか、いささか興が乗りましたので――少々お付き合いいただけないかと」
     そう言いながらチェズレイは左目の花をたゆませて微笑んだ。モクマは、その顔でお願いされると弱いんだよな、ともう何度目かになる心の声に正直に従うことにする。
    「いいけど、おじさんそういうのやったことないよ?」
    「大丈夫ですよ。仮にもショーマン。少し手ほどきして差し上げれば、すぐに踊れるようになるかと」
     そうチェズレイが言って立ち上がるとモクマの手を引く。飲みかけのままでぐい呑みをテーブルに置くと、引っ張られるままにモクマは立ち上がった。
     少しスペースの空いたリビングの片隅に連れて行かれる。
    「何、踊るの?」
     社交ダンスと一口に言ったって、タンゴやワルツ、その他色々あるのだということくらいはモクマも知っている。
    「そうですね、初心者でも比較的踊りやす 1612

    ▶︎古井◀︎

    DONE横書きブラウザ読み用!
    猫に出会ったり思い出のはなしをしたりするチェモのはなし
     やや肌寒さの残る春先。早朝の閑静な公園には、ふたりぶんの軽快な足音が響いていた。
     現在、チェズレイとモクマが居を構えているこの国は、直近に身を置いていた数々の国の中でも頭一つ飛び抜けて治安が良い。借り受けたセーフハウスで悪党なりに悪巧みをしつつも優雅な暮らしをしていた二人が、住居のほど近くにあるこの公園で早朝ランをするようになって、早数週間。
     毎朝、公園の外周をふたりで一時間ほど走ったり、ストレッチをしたり。そうするうちに、お互いに何も言わずとも自然と合うようになった走行ペースが、きっちりふたりの中間点をとっていた。
     数歩先で軽々と遊歩道を蹴るモクマに、チェズレイは平然を装いながら素知らぬふりでついていく。『仕事』が無い限りはともに同じ時間、同じような距離を走っているはずなのに、基礎体力の差なのかいつもチェズレイばかり、先に息が上がってしまう。
     今日だってそうだった。そしれこれもまたいつも通り、前方を走っている相棒は、首だけで振り返りながらチェズレイをちらりと見遣っただけで、仮面の下に丁寧に押し隠した疲労をあっさりと感じ取ってしまい、何も言わずにゆったりペースを落とした。
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