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    Lupinus

    @lupi_eggplant

    テキストを投げ込むスペース/主刀/ファンチェズ

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    Lupinus

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    捜査でカップルのふりをするエドワードとジェイスン キスまでするけど付き合ってないエドジェイ ストーリー上のネタバレはないです

    ##バディミ
    #エドジェイ
    edj

    潜入任務中のエドジェイ「まったく、なぜよりによって私なんだ」
    「今回の潜入先は、男性二人のカップル限定のパーティなんでな。男女ペアとか複数人が条件なら他のやつに声をかけたよ」
    「男性にしたって、もっとこういう場に似合いの若手を誘えばいいだろう」
    「俺とカップルを名乗って同伴するんだぞ?
     若いイケメン刑事なんか連れてったら怪しまれるに決まってる、お前くらいの方がリアリティがあるんだよ」
    「それは、私ならお前と交際している設定でも不自然ではないという意味か?」
     適材適所と受け止めるには聞き捨てならない。要はこの男と同類扱いされているのではないか。
    「そうじゃないか? 年も近いし、なんたっていつも組んでる相棒だ……おっと、あそこが問題の店だな。
     しゃべるのは俺が引き受ける、ジェイスンは適当にうなずいておいてくれ」
     納得のいく説明をよこさないまま、エドワード・ウィリアムズはすたすたと歩き出す。
     たまたま同年代だとか、二人で行動する機会が多いとか、そんな理由で相棒扱いされてはたまらない……が、今回の目的はパーティの陰で行われている違法薬物売買の取り締まりだ。
     警察官として、もっとも優先すべきミッションを忘れてはならない。

    「あ、ちょっといいっすか、おにーさん」
     が、エドワードが偽造チケットと入店代を渡して通り抜けようとしたとたん、いかにも軽薄そうな受付の青年が立ち塞がる。
    「うん?」
    「見た感じ、お連れさんがあんまり乗り気じゃなさそうじゃないっすか?
     すいませんけど、うちは双方の合意が必須の健全なお店なんで~」
    「なんだなんだ、最近はずいぶん厳しいんだな」
     なれなれしくエドワードが腕を組んでくる。だがここから急にべたべたと親密さをアピールしても、かえって芝居と疑われるだけではないか。
    「こないだ、あとから実は合意がなかったとか言い出した客がいたんすよ。うちの店まで痴話喧嘩に巻き込まれて、だいぶ迷惑したもんで」
     ポケットに手を突っ込んだだらしない態度ながら仕事はしっかりしている。説明ができるまで通すつもりはなさそうだ。
    「なるほどなあ。
     まあ、確かにこいつはこの手の遊びは好きじゃないからな……ちゃんと説得して、今回だけは付き合うって言ってくれたんだが」
    「おにーさんが熱烈に口説き落としたってのはよゆーで想像できるっす。ただねー、お連れさんはどうにも照れ屋みたいですし」
    「い、いや……」
     同伴者としての演技が不十分だったのか。警察の内偵と見破られたわけではなさそうだが、こいつを納得させない限り話は先に進まない。
    「つまり、恋人同士だと証明すればいいんだな?」
    「もちろんっすよー。書類にサインとかはないんで、おれが納得できればオッケーっす」
    「? おいエド、何を言って……!?」
     いきなり両肩を掴まれ、気がつけば間近にエドワードの顔が迫っている。
    「そう言えば、人前じゃ初めてだな……まあやることはいつもと同じだし、目を閉じて俺に任せておいてくれ」
    「だ、だから何を……!!」
     途中で声を発せなくなり、唇を奪われたのだと気がつく。気がつくと同時に、エドワードの舌が遠慮もなく口内に押し入ってくる。
    「……!?」
     ろくに説明もない強引なキスはすぐに優しく穏やかな動きに変わる。がさつでいい加減な男も、恋人相手と想定すればこんな振る舞いに出ることができるのかと驚くほどに。
     肩に置かれた両手も乱暴な拘束とはほど遠く、振り払おうと思えばいつでも体を引き離せそうだ。ただし仲睦まじいカップルを演じている以上、この場で逃げ出すわけにはいかない。
     そう、これは捜査のために必要な演技なのだ。相手がエドであろうと、今だけはおとなしく話を合わせてやるしかない……

     そのまま一分近くが経過しただろうか、受付の男が耳障りな声を上げる。
    「っとと、大丈夫っすよお二人とも……つーかうちの店までへんに注目されそうなんで、そろそろ勘弁してもらえません?」
     唇を塞いでいた熱がふいに遠ざかる。何ごともなかったかのような顔でエドワードが答える。
    「ん、もういいのか? 俺はもう少し続けても構わないぞ」
    「十分っす! あんだけねちっこいのに嫌がりもしないし、お連れさんのトロトロっぷりを見てりゃわかりますって。いやマジで」
    「だ、誰が……」
     へらへら笑う青年に抗議したいが、満足に呼吸していないためか足下がふらつく。エドワードに腕を支えられるのは不本意だが、同伴して入店というポーズには都合がいい。

     入店するとろくに照明もない薄暗い通路に出た。取引の現場を押さえる前に、まず言っておきたいことがある。
    「……おい」
    「見取り図によれば、入って右手に洗面所があるはずだ。先にうがいをしていくか」
     念入りに口の中をゆすいでようやく人心地がついた。ハンカチで口元をぬぐいながらあらためて問い詰めにかかる。
    「他に手段はなかったのか」
     エドワードはといえば、一度ゆすいでからコートの袖口で口元を拭いて終わりだ。
    「時間はかけられなかったからな。それに、パフォーマンスは派手な方が疑いの目をそらしやすい」
    「確かに効果はあったが……そもそもああいうことは、実際に交際している相手とやるものだろう。まあ、お前にそんな相手ができるとも思えんがな」
     捜査中の警官というより教師のような口調になってしまったが、この男もこちらの言いたいことくらいはわかるだろう。潜入中でなければ、一晩かけて諭してやりたいところだ。
     レストルームを出て、取引現場と思われるパーティ会場へ急ぐ。
     打ち合わせは潜入前に終わらせてある。この場で話す必要など大してないだろうに、エドワードは妙に楽しげにささやきかけてくる。
    「なあ、ジェイスン」
    「なんだ」
    「さっきはありがとうな、俺を信じて任せてくれて」
     信じるも何も、勝手に話を進めていたのだろうがと内心で舌打ちをする。
    「しょうがないだろう、あそこで疑われては潜入どころでは……おい」
     突き当たりのドアで足を止める。雑談の時間はここで終わりだ。
    「ああ、ここだな。ずいぶんと盛り上がってる、場合によっては現行犯逮捕もありそうだ」

    <了>
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    主に可愛いと言わせたくてうさぎを買ってきたはんにゃさん
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    主に手渡すと胴を両手で持ちながらしげしげと眺めている。耳を触ったり目元の装飾をいじったり。予想よりだいぶ興味を示してるなぁと見ているときだった。
    「ああ、可愛いな」
    主が力を抜くように息を吐く。
    あ、これは思ったより面白くないかもしれない。そ 874

    Norskskogkatta

    PAST主くり
    鍛刀下手な審神者が戦力増強のために二振り目の大倶利伽羅を顕現してからはじまる主をめぐる極と特の大倶利伽羅サンド
    大倶利伽羅さんどいっち?!


     どうもこんにちは!しがないいっぱしの審神者です!といっても霊力はよく言って中の下くらいで諸先輩方に追いつけるようにひたすら地道に頑張る毎日だ。こんな頼りがいのない自分だが自慢できることがひとつだけある。
     それは大倶利伽羅が恋びとだと言うこと!めっちゃ可愛い!
     最初はなれ合うつもりはないとか命令には及ばないとか言ってて何だこいつとっつきにくい!と思っていったのにいつしか目で追うようになっていた。
     観察していれば目つきは鋭い割に本丸内では穏やかな顔つきだし、内番とかは文句を言いながらもしっかり終わらせる。なにより伊達組と呼ばれる顔見知りの刀たちに構われまくっていることから根がとてもいい奴だってことはすぐわかった。第一印象が悪いだけで大分損しているんじゃないかな。
     好きだなって自覚してからはひたすら押した。押しまくって避けられるなんて失敗をしながらなんとか晴れて恋仲になれた。
    それからずいぶんたつけど日に日に可愛いという感情があふれてとまらない。
     そんな日々のなかで大倶利伽羅は修行に出てさらに強く格好良くなって帰ってきた。何より審神者であるオレに信 4684

    Norskskogkatta

    PASTさにちょも

    審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん
    飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
    「小鳥、少しいいか」
    「なに」
     端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
    「うお!?」
     抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
    「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
    「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
     そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
     山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
    「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」 
     サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
    「や 1357

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    極になって柔らかくなった大倶利伽羅に宣戦布告する片想いしてる主
    ポーカーフェイスの君にキスをしよう


    「大倶利伽羅」

    ひとつ呼ぶ。それだけで君は振り向いて、こちらを見てくれる。
    それだけでどうしようもなく締め付けられる胸が煩わしくて、ずたずたに切り裂かれてしまえとも思う。

    「なんだ」

    いつもと変わらぬ表情で、そよ風のように耳馴染みの良い声がこたえる。初めて顔を合わせた時より幾分も優しい声音に勘違いをしそうになる。
    真っ直ぐ見つめる君に純真な心で対面できなくなったのはいつからだったっけ、と考えてはやめてを繰り返す。
    君はこちらのことをなんとも思っていないのだろう。一人で勝手に出て行こうとした時は愛想を尽かされたか、それとも気づかれたのかと膝から力が抜け落ちそうになったが、4日後に帰ってきた姿に安堵した。
    だから、審神者としては認めてくれているのだろう。
    年々距離が縮まっているんじゃないかと錯覚させるような台詞をくれる彼が、とうとう跪座までして挨拶をくれた。泣くかと思った。
    自分はそれに、頼りにしていると答えた。模範的な返しだろう。私情を挟まないように、審神者であることを心がけて生きてきた。

    だけど、やっぱり俺は人間で。
    生きている限り希望や 1288