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    hiz_tb

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    hiz_tb

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    #無言で途中放棄した作品をあげる見た人もやる

    出来立て門梶のゆ~だいがばくさんとお喋りする話 突然始まって突然終わる

    酔った勢いで……という訳ではない。
     当然である。
     何故なら、酒など一切飲んでいないのだから。


     なのでこれまた当然の事ながら、昨晩自分が何をしたかも全てしっかり覚えている。
     今現在横で寝息を立てている己の専属会員を散々喘がせ、泣かせ、弄くり倒した挙げ句に半ば意識を失うような形で眠りに就かせたという事を。
     目線だけで横を見やると、シーツから覗く梶の首筋に幾つもの鬱血の跡が残っている。

    (……幾ら何でもこれはやりすぎと違うかワシ……)

     賭郎会員とその専属立会人というお互いの立場を考えると誘いに乗るべきでは無かったと思う。
     そもそも門倉自体、本来ならば梶のような子供に誘われた所でそれに乗るような男ではない。
     ならば何故こんな事になったのか。
     子供の懇願を無碍にするのが忍びなかった、或いは性欲が溜まっていてその捌け口が欲しかった……それらしい理由は幾つか思い浮かぶ。
     だが、そんなものは言い訳にしかならない事を門倉は分かっていた。
     何故かなどと簡単な事だ。
     ただ単純に、梶に求められて嬉しかっただけ。
     惚れた相手に求められて断る術を持たなかっただけなのだ。
     しかしこの惚れた相手、というのがまた問題を産んでいた。
     専属立会人が会員と関係を持つというのは大して珍しい話でも無い。
     とは言え大抵は体だけの付き合いであるし、それに関しては皆示し合わせたように公然の秘密という形を取っている。
     つまりは今回の門倉と梶に関しても、別段誰かに何かを報告する必要は無いのである。
     ーーそれが、体だけの関係であったならば。
     体だけの関係だと割り切れたのであれば門倉とてこんなに苦悩はしなかった。
     それこそ子供の望みを叶えてやっただけだと、この一度きりで終わらせる事も出来た。
     それが出来ないと思う程に門倉は梶を好いているし、ならば相応の筋を通したいと考えるのが門倉雄大という男だった。

    (お屋形様に報告するとして……その後どうなるんじやろうか)

     何せそんな報告をした立会人など、少なくとも門倉が賭郎に入ってからは見たことも聞いたことも無い。
     イカサマに加担した訳では無いのだから粛正とまではいかずとも、専属の解任ぐらいはあるかもしれない。
     そこまで思案して、門倉は煙草に火をつけた。

    (……解任、か)

     吸い込んだ煙をフゥ、と吐き出す。
     それは煙草を吸う一連の動作のようであり、溜息を誤魔化すようでもあった。
     梶の勝負に立ち会うのは楽しかった。
     初めて彼を見た時は貧弱な男だと思ったものだったが、暫く後に再会した時には随分と逞しくなっていた。
     その変わりように心が踊り、一時だけの専属だった筈が正式な専属立会人となり彼の勝負に立ち会ってきた。
     梶はまだまだ化ける。
     屋形越えを成す、というのもただの夢では終わらないだろうと思う。
     出来ればその過程を一番近くで見ていたいと思っていたがこうなった以上解任は免れないだろう。
     しかし梶が屋形越えに挑戦する勝負での立ち会いは誰にも譲るつもりは無い。
     命と実力さえあれば何とでもなるのが倶楽部賭郎という組織だ。
     ならば己の成すべき事に大きな変更点は無い。
     気が付くとすっかり短くなってしまった煙草をベッドサイドに常設してある灰皿へ押し付け、門倉は決意を新たにした、その時。

    「……っ!?」

     灰皿の横に置いてあった門倉の携帯から着信を告げる機械音が鳴り響いた。
     画面を確認すると、そこには現お屋形様である斑目貘の名前が表示されていた。
     貘と門倉は個人的な連絡を取り合うような仲では無い。
     ならば賭郎関係の連絡だろうか、もしそうなら……隣に居る梶は未だ寝息を立てているがいつ起きるとも分からないし、話を聞かせるべきでは無いかもしれない。
     門倉は着信音をミュートにして梶を起こさないようにベッドから立ち上がり、寝室を後にした。

    「はい、門倉です」

     リビングへ移動し、ついでに今日話したい事がある旨も伝えておこうか、と考えつつ改めて電話を受ける。

    『あっもしもし門倉さん?ごめんねーこんな朝早くに。
    いきなりなんだけどさ、そっちに梶ちゃん居る?居るよね?』

     しかし携帯の向こうから返ってきたのは予想していない内容だった。

    「……ええ、梶様はこちらにおりますが……?」

     梶?何故突然梶の名前が出てくるのか?
     ああそうか、そう言えば梶は最初に『貘と喧嘩をしたからホテルに帰りにくい』と言っていたような気がする。
     それにしても成人男子が一日帰らなかっただけでわざわざ所在を確認するような真似をする必要はあるのか?

    『んーそっか居てるのか、じゃあ今はまだ寝てるのかな。
    えっとね、実は昨日門倉さんの所に梶ちゃんけしかけたの俺なんだよね』
    「けしかけ……?しかし梶様は確か貘様と喧嘩をした、と」
    『えっ梶ちゃんそんな事言ってたの?してないしてない!けどそうか、梶ちゃんだったらこっちに帰れない理由が必要だもんねぇ』

     イマイチ話の展開が分かっていない門倉をよそに、貘は一人納得したように続ける。

    『いやね?梶ちゃんが門倉さんとの事で思い悩んでたみたいだからさ?じゃあもう抱いて貰えば良いじゃんって』
    「はぁ!?」
    『半ば冗談だったしまさか本当に行くとは俺も思って無かったんだけどね!?
    でも今一緒に居るって事はそう言う事で良いのかな?』

     何という事だ。貘にどう説明するかと考えていたのに発端が貘本人だったらしい。

    「……そう、ですね。どうやら私は梶様の作戦に嵌まったようです」

     これでは下手な言い訳も出来ない。門倉は諦めて全てを話す事にした。
     しかしまだ根本的な所が解決していない。

    「ところで貘様、私と梶様は専属立会人と賭郎会員という間柄なのですがそれはーー」

     一線を越えてしまい、ましてやそれをトップが知っているというのは如何なものか。

    『門倉さんもそこ気にする人なんだ?
    別に良いよそんなの。専属立会人と会員って仲良くなりやすいし、付き合っていようがいまいが勝負の時に余計な事しなきゃそれで問題無くない?』








    『あ、一応確認だけど……場合によっては梶ちゃんを取り立てて貰う事になるけどそれは大丈夫?』
    「当然です。むしろ私以外の人間が手に掛けるのかと思うと虫酸が走ります」

     ……それに、アレの正真正銘最期の顔を目に焼き付けらるなどどれほどの僥倖か。
    そう続けようとしたが、心の中で呟くに留めておいた。
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    hiz_tb

    DOODLE門梶 たかおみに赤リップを塗るゆ〜だいの話💄
    おねショタ風味になっちゃった
     何気ない会話の途中の、ふと笑った瞬間。突然、僕の下唇に鋭い痛みが走った。
    「痛……ッ」
     反射的に指先で痛みの元に触れると、そこにはうっすらと赤い血が付いていた。
    「どうした?」
    「唇切れちゃったみたいです」
     最近乾燥してたからかな。口を動かす度にピリピリと傷口が痛む。我慢出来ない痛みではないにせよ、口を開くと思い出したように痛むのが煩わしい。一緒に話していた門倉さんの心配そうな問いに、僕は余り口を開けないように口ごもりながら答えた。
    「ほーん。見せてみ」
    「や、大丈夫ですよ。舐めときゃ治りますこんなの」
     この程度、よくある事なんだし何でもない。必要以上に心配されるのも良くないと思った僕は、門倉さんの誘いを断り、まだ滲んでいるだろう血を手の甲で拭ってから、唇をペロリと舐める。まだちょっとだけ痛みは残るけど、とりあえずこれで水分は補給されたと思う。うん、口もさっきよりは動くようになっている。
    「アホか、そんな事したら余計酷なるわ。いいからこっち向きんさい」
     でも門倉さんはそれじゃ納得出来なかったようで、僕の顎に手をかけて上を向かせる。
     大丈夫だって言ったのに、とか僕に拒否権は無 1185

    hiz_tb

    MOURNING #無言で途中放棄した作品をあげる見た人もやる

    出来立て門梶のゆ~だいがばくさんとお喋りする話 突然始まって突然終わる
    酔った勢いで……という訳ではない。
     当然である。
     何故なら、酒など一切飲んでいないのだから。


     なのでこれまた当然の事ながら、昨晩自分が何をしたかも全てしっかり覚えている。
     今現在横で寝息を立てている己の専属会員を散々喘がせ、泣かせ、弄くり倒した挙げ句に半ば意識を失うような形で眠りに就かせたという事を。
     目線だけで横を見やると、シーツから覗く梶の首筋に幾つもの鬱血の跡が残っている。

    (……幾ら何でもこれはやりすぎと違うかワシ……)

     賭郎会員とその専属立会人というお互いの立場を考えると誘いに乗るべきでは無かったと思う。
     そもそも門倉自体、本来ならば梶のような子供に誘われた所でそれに乗るような男ではない。
     ならば何故こんな事になったのか。
     子供の懇願を無碍にするのが忍びなかった、或いは性欲が溜まっていてその捌け口が欲しかった……それらしい理由は幾つか思い浮かぶ。
     だが、そんなものは言い訳にしかならない事を門倉は分かっていた。
     何故かなどと簡単な事だ。
     ただ単純に、梶に求められて嬉しかっただけ。
     惚れた相手に求められて断る術を持たなかっただけなのだ。
     しかし 2689

    hiz_tb

    DOODLE2021年かどかじ書き初め!
    丑年といえば、なお話し。些か不穏
    「今年って丑年なんですね」

     年が明けた日の昼間、何をするでもなくテレビを観ていた梶がポツリと呟いた。
     その声に反応して、門倉もテレビの方へ顔を向ける。

    「あぁ……そうみたいやねぇ」

     梶が観ているのはバラエティ番組の正月特番なのだろう。テレビ画面には、最近売れ出したばかりの芸人が今年の干支である牛の着ぐるみを着ておどけている姿が映っていた。
     干支などさして気にした事も無い門倉は適当に返事をしたが、梶はとてもバラエティ番組を観ているとは思えない神妙な表情でテレビ画面を見つめている。
     しかしその目に芸人の姿は写っておらず、門倉の声も届いてはいない。
     今の梶が見ているのは、彼の脳裏に焼き付いて離れない……青銅製の雄牛の姿だった。
     どれだけ経とうが忘れられない、忘れてはいけない記憶。自らが焼かれた熱、自らで火を着けた熱。
     鳴けなくなった雄牛の中から引きずり出された、もう動かない筈の巨体が恨めしそうに此方を見る。
     梶を見据えた巨体はゆっくりと口を開き、そしてーー

    「梶?」
    「……ッ!」

     そこから発せられるであろう呪詛を聞く前に、梶の意識は門倉の声によって現実へ引き戻さ 1290

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    出来立て門梶のゆ~だいがばくさんとお喋りする話 突然始まって突然終わる
    酔った勢いで……という訳ではない。
     当然である。
     何故なら、酒など一切飲んでいないのだから。


     なのでこれまた当然の事ながら、昨晩自分が何をしたかも全てしっかり覚えている。
     今現在横で寝息を立てている己の専属会員を散々喘がせ、泣かせ、弄くり倒した挙げ句に半ば意識を失うような形で眠りに就かせたという事を。
     目線だけで横を見やると、シーツから覗く梶の首筋に幾つもの鬱血の跡が残っている。

    (……幾ら何でもこれはやりすぎと違うかワシ……)

     賭郎会員とその専属立会人というお互いの立場を考えると誘いに乗るべきでは無かったと思う。
     そもそも門倉自体、本来ならば梶のような子供に誘われた所でそれに乗るような男ではない。
     ならば何故こんな事になったのか。
     子供の懇願を無碍にするのが忍びなかった、或いは性欲が溜まっていてその捌け口が欲しかった……それらしい理由は幾つか思い浮かぶ。
     だが、そんなものは言い訳にしかならない事を門倉は分かっていた。
     何故かなどと簡単な事だ。
     ただ単純に、梶に求められて嬉しかっただけ。
     惚れた相手に求められて断る術を持たなかっただけなのだ。
     しかし 2689

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