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    yun357

    @yun357のワンクッション置き場。

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    yun357

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    キスブラ
    お題「眼鏡」お借りしました。
    チューするときは…のはなし。
    #ksbr_60min

    Who's in the way「なぁ、ブラッド。」

    そう声をかけられ、ソファのスプリングが俺の方に少し沈む。読んでいた本から目を上げて声のした方へ顔を向けるとそっとキースの指が頬に触れて、それから唇が重なった。

    「んっ……」

    少しカサついたキースのそれが優しく触れて、少しだけ離れてはまたやわらかに塞がれる。また離れて、今度は大きく開いた口に噛むように包まれる。何度も、何度も啄むような、噛み付くようなキスに構えていなかった分身体の芯が昂って行く。
    ……まだ。
    まだ欲しい。もっと欲しい。招き入れるように唇を開いて、キースの首に回していた手を軽く引き寄せる。……が、来ない。浅く、優しいくちづけを繰り返すが、一向にそれ以上踏み込んでこない。いつもならそうやって応えれば深く噛み付いてくるし、ギラついたペリドットの視線は無遠慮に俺を暴き立てようと身体の隅々まで這い回るのに。
    キースは「うーん……?」だとか「んー?」だとか漏らしながら軽いキスばかり繰り返している。まるで何かを確かめているようだと気づき、その顔を力一杯押し戻した。
    「ぶへぇっ…っおっ…前なぁ…何すんだよ…。」
    「…それを言うべきは俺の方だろう。何をする。」
    翻弄されて、つい昂ってしまった心の内を隠すために思い切りキースの顔を睨んだ。これは、怒っていい。理不尽な思いをしたのは今、俺の方だ。
    そうするとキースはバツの悪そうな顔になり「あぁ〜…いや…」などと呻き、小さく「悪い。」と謝った。
    「なんの謝罪だ。」
    と追求すると、コレ。とキースは軽く俺のかけているメガネの弦に触れた。
    「…?眼鏡?」
    それと、今の一連の行為となんの関係がある。とさらに眉間に皺を寄せる。
    「いや顔こっわ……あー…いやほら、アレだよ。」
    とキースは眼鏡に触れた手をそっと頬まで滑らせる。引き寄せられた唇はまた重なって、離れていく。
    「…眼鏡してるとキスの時に邪魔っつーの、ホントかな…って。」
    そんなこと無かった。と鼻先が触れ合う距離で、ニヤリ、とキースが笑った。
    「…期待したんだろ。」
    「………調子に乗るな。」
    抗議のために開いた口は文句を継げないまま、今度は深く重なり合った。





    ==============




    「…される方は眼鏡邪魔とか思うか?」
    「…思ったことはないが。…誰からそんなことを聞いた?」
    「………一般論と好奇心だよ。」
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    yun357

    DONEwebオンリー「Sunlight Days」
    #生真面目な君と乾杯 にて展示作品その②
    ラジオスターの皮肉。朝起きて、静かな部屋にちょっと拍子抜けするなんて昔のオレなら思いもしなかった。静かな方がいい。怒鳴る声も、何かを壁に投げつける音も、強く自分を責める声もしない、静かな朝をずっと迎えたくて願ってばかりいた、家を飛び出した頃の自分なら。

    「……あー…そっか、全員いねぇのか…。」
    重たい体を引き摺る様にのそのそとベッドから這い出して、パンツ一枚とかろうじてベロベロのスウェットと着て大欠伸をしながらリビングへと出る。いつもなら「おいキース!だらしない格好で出てくんな!」なんてジュニアにギャンギャン吠えられるもんだが、広々とした空間にいつもの騒がしさはなくて。薄暗く、静まり返っていた。
    大晦日も近い冬の日、クリスマスリーグを終えたヒーロー達にもホリデーはやってくる。ディノもジュニアも、フェイスも。休暇をとって実家に帰って家族と過ごすと言っていた。休む予定も、帰る予定もないオレは「お〜、ゆっくりしてこいよ。」なんて、今とばかりにお気に入りのビールを空けて3人を見送ったのが、昨日の夜。特に休暇を取ることもしなかったオレは悲しくも通常勤務だ。
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