1「確たる証拠も無く人の家に押し掛け散々荒らした挙句立証出来なかった、なんて警察も落ちぶれたものだね」
「っ……」
「さて、今回の件で君たち警察には濡れ衣を着せられてしまったわけだけれど、この落とし前はどうつけてくれるのかな?」
にこりと笑って見せれば、今回の家宅捜索を指揮していただろう警察官が苦虫を噛み潰したような顔をする。残念ながら、証拠となるブツは全て避難したから見つかるはずもない。こうなる様に偽の噂を流して乗り込むよう誘導したんだ。これで暫くは、警察も静かになるだろう。
まぁ、今回の目当ては他にあるのだけれど。
「そういえば、貴方には高校生のお子さんがいらっしゃいましたよね?」
「っ、…なぜ、それを……」
5836