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    百合子

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    POIPOI 23

    百合子

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    2020/11/11
    夏スバポッキーの日ネタ

    #夏スバ##夏スバ

    今日はいつにもましてバルくんのテンションが高い。寮内で色んな人の懐に潜り込んでは、「ねぇ、ポッキーちょうだい?」とあざとくおねだりし、見事ゲットした棒状の菓子をさくさくと口にくわえるバルくん。その姿はまさしく、誰にでも尻尾をふり愛想をばらまく浅ましい犬ぴったりだ。おかしいな、一応人間のはずの彼に飼っている犬そっくりな耳と尻尾がついて見えてしまう。愛玩動物のような振る舞いを見せる彼を見て、深く溜息をつき、自分の腕に下げた袋をちらりと見た。その中にはポッキーを魔法の杖に見立て、魔法をかけるポーズをとっているボク達Switchがパッケージとなったお菓子の箱。味も三人にならって苺、レモン、ブルーベリー、の三種のチョコソースがそれぞれカカオの生地にコーティングされた特別仕様。しかもランダム特典で、ボク達のサイン入りブロマイド入り。そのせいかボク達のファン含む若い女子たちは、コンビニやスーパーでポッキーを買い漁り、奪い合っていると小耳に挟んだ。今日のニューストレンドは、ポッキー祭りならぬ、ポッキー大戦争~Switchの乱~となることだろう。気が重くなり、また溜息が出てしまう。

    正直、こういう大手菓子メーカーの策略に踊らされる行事は好ましく思えない。無理やりな語呂合わせで、売り上げを叩き上げようとする考えが見え見えだからだ。まぁ、自分たちの知名度を上げるため、その商売戦略に加担してしまったが。俗っぽいことに首を突っ込めばろくな目に合わないと痛感させられた。せめて少しでもボク達を求める女の子達の手元に、ボク達の菓子が渡ればいいなと祈りながら、部屋から出てきた。しかし、何故かバルくんがポッキーちょうだい妖怪に。共有ルームでくつろぐ人、廊下ですれ違う人、総当たりに求めるほど。どうしてこんな奇行をしているんだ?ってげんなり思いつつ、自分の部屋にも例のお菓子があったことを思い出し、取りに行った。きっとボクが持っていることに気づけば、バルくんの青空みたいな澄んだ目がきらきらと輝き、一目散に駆け寄ってくれるに違いない。でもすぐにあげてしまうのはつまらないな。”マテ”と命令して、どれだけ健気に待ってくれるのか試してみたい。きっと早く食べたくて仕方ないって身体を揺らすけど、ボクが下した命令を守るため必死に唇を噛み締めて耐えるだろう。でも段々我慢できず、縋るように腕を伸ばし再度おねだりをするはず。

    「ま、まだ?早く欲しいよぉ夏目…」

    って赤い舌を覗かせ悩ましい表情を浮かべる彼。

    調教プレイもいいなと新しいバルくんの可能性に期待しつつ戻ってみれば、自分以外の人に媚を売ってポッキーを何本かもらってる姿を目撃することに。大きく開く口には何本もポッキーを咥え。腕には溢れそうな箱を抱えている。
    別のポッキーを口につめてやろうかな。なんて、ヤバい発言が浮かんでしまうほど、苛つく。でも一番腹を立っているのは、壁によりかかったまま向こうからやってくるのを試している自分。人懐っこい彼が沢山の人と戯れるのは分かっていることなのに、それでも最後はボクの元へやってくるはずだという気持ちを抱いてしまう。だから主人の元へ無事忠犬が戻ってくるか待ち続けているが、未だ他の人へ愛想を振りまき続けている。

    ダメだ、我慢の限界。

    「バルくん。ちょっとこっちおいデ」
    「ん?なになに!どうしたの夏目!」

    努めて明るく声を出し、彼の名前を呼ぶ。まんまるな青い瞳がやっとこちらへ向き、ぱたぱたと近づいてくる。あと一歩。もう少しでボク達の距離が縮まるところ、ボクからもう一歩踏み出し、顔を近づけた。向こうが驚いて下がらないよう後頭部をがっしり掴んで。彼の咥えてる菓子をかじり、折ってやった。一センチ残しという、配慮を持って。苺味か。ぽりぽりと口でかみ砕いたお菓子を味わっていると、目を大きく開いたバルくんの口からポッキーの欠片が落ちそうになった。床に落ちる前に反射で掴んだ。手の平で転がるポッキーのはじっこ。どうしようか悩んで、自分の口に放り込んだ。すると、あっ、と声を出し真っ赤に染めあがったバルくんの顔。そう、その顔が見たかったんだ。ボクに翻弄され慌てふためく姿が。見られたことに満足し、自分の腕にぶら下がったままだった袋から、ポッキーの箱を取り出した。

    「ごめんネ。キミの大事なおやつ取り上げちゃっテ。代わりに新しいのあげるかラ。ちゃんと名前呼ばれて来てくれたご褒美。だから機嫌直してネ。good bye~♪」

    バルくんがぎゃーぎゃー騒ぐ前に退散をした。追加でボクからのお菓子も渡したことだし、きっと満足するはず。でも最後まで分からなかったのは、どうしてあんなにポッキーを食べたかったんだろうか。まっ、ただの食い意地が張ったわがままか。憶測をつけて、自分の部屋へと戻っていった。

    一方残されたスバルは、夏目からもらったポッキーの箱をじっと見つめていた。『キミに甘い魔法を』という歌い文句と共に写っているSwitchの逆先夏目。ぺりぺりとミシン目に沿って箱を開ければ、苺チョコ味のポッキーと夏目のサイン入りブロマイドが入っていた。それらをじっと見つめ、嘆息する。
    「…近くの店全部売り切れだったから、諦めてたのに。せめてポッキーでも食べて、買えなかったモヤモヤ発散したかったのに。ずるいよなぁ、夏目って」
    まさか本人から貰えるだなんて、予想してなかったプレゼントと共に射貫くような黄色い閃光。ぎりぎり触れなかった唇をなぞった。
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    正直、こういう大手 2260

    今夏_

    DOODLE花火の概要はもちろんWikipedia様から抜粋させて頂きました
    花火眺めてる時の思考フフフ…ヤァ、ボクだヨ。
    ファンの皆、見てるかナ。
    (そりゃあまァ見てるんだけド…●万人?そかそか、ESも大きくなったもんだネェ…(?)ここに立って、眺める、ト…。このボクの背中からSwitch、そしてもし良かったらボク自身の生き様も感じ取ってほしいナ。花火とは火薬と金属の粉末を混ぜて包んだもので、火を付けて、燃焼・破裂時の音や火花の色、形状などを演出するもノ。火花に色をつけるために金属の炎色反応を利用しており、混ぜ合わせる金属の種類によっテ様々な色合いの火花を出すことができル。つまリ、ボクたちアイドルや、ファンの皆との交流、今はこうして画面越しだけド…でも確実に触れ合えているこト。それらは人と人との融合であリ、そこからどんな化学反応を起こすかはわからなイ。勿論、実際に反応を起こした時に様々な可能性が広がるようニ、切磋琢磨して己を磨く、ボクたちは言ってしまえバ金属だ。それぞれの色を持チ、アイドル…いヤ、1人の人間として成長を遂げ、ファンの皆と一つになった時、炎色反応が起きル。ふふ、長くなったけど、要するに花火とボクたちは似てるよネ。いつかSwitchのライブにもこんな演出ヲ…と思うけどもうそろそろ時間だネ。ん…いやあと2分くらいあるカ…長いナ…)
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    百合子

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    ポッキーの日デュリド
    若干スカラビアの二人(ジャミカリ)でキス匂わせ
    部活動や各々のんびり過ごす放課後。馬術部が休みなボクは校則違反にならない速度で自分の寮へと向かう。さっき軽音楽部でもらったお菓子の箱を落とさないよう気を配りながら。イチゴ味のチョコがたっぷりかかった細長い棒状のお菓子。見たことがない物だった。ケイトの元へ書類を届けに行った際、軽音楽部の三人が食べてるそれは何?と訊ねてみたら、たくさんある内のひとつを分けてもらった。

    「リドルの初ポッキー、奪っちゃった☆ってことじゃな」
    「言い方いやらし〜。あっ、ついでにポッキーゲームもしてみたらどう?デュースちゃんとかさ!」
    「ポッキーゲームってあれか?二人でそれぞれ端っこ食べ進めるってやつ!この前ジャミルとやってみたら、うっかりキ、っむぐ!」
    「あははーカリムくん達はいつでも仲良しだよね!とにかく、デュースちゃんにポッキーの箱見せながら上目遣いでゲームしよっておねだりすれば大丈夫!二人で仲良く食べて!」
    「リドルの見た目なら、子猫のように媚びれば一発で誘いに乗ってくれるじゃろう。初々しい二人を見るとつい応援したくなるな…。ファイトじゃ。あっ、ついでにワシの手作り菓子も持っていくか」
    「なはは!お菓 2343

    百合子

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