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    #猗窩煉ワンドロ お題「秘密」

    🔥さんと🎴しか出てなくて❄️くん出てないけどちゃんと❄️🔥です。原作大正軸生存if。

    #猗窩煉ワンドロ
    sangrokiaWangdro.

    花と、香炉と、秘密と。 今日は、炭治郎が杏寿郎の屋敷に来る日だった。無限列車の戦いで死にかける前、継子にして鍛えると彼に約束したものの、回復してからも前ほど体が動かない杏寿郎は、同じく引退したが余力のある宇随に彼を託すことにした。だがときどきは炭治郎は杏寿郎に会いに煉獄家にわざわざ通ってくれている。律儀な性格のあの少年は、来る前日にはきちんと鴉を飛ばしてくれていた。
     彼のそういう生真面目さが、自分にはありがたい。おかげで、人より鼻の効く炭治郎が来る日は、香炉を焚いていろいろとごまかすことができるからだ。

     彼はまだ十五歳の少年だ。杏寿郎が何の為に母の形見の香炉で、花の香りの香を焚いているかなんて、きっと考えもつかないだろう。




     煉獄さんに会いに屋敷に行くと、最近いつも甘い甘い花の香りがする。千寿郎くんが言うに、煉獄さんは最近亡くなったお母さんの形見を香炉とやらで焚いてるらしい。それで着物なんかに匂いをつけたりするんだそうだ。聞いたことだけはあるけど、風流過ぎて、俺には全く縁がない。
     まだ見慣れない眼帯姿の煉獄さんは、今日も俺にはむせ返るくらい強い花の香りを漂わせて自室で待ってくれていた。ニコニコしながら挨拶してくれて、一緒に千寿郎くんの用意してくれたお茶と芋羊羹をいただいたけど花の香りのせいで味がわからなかった。せっかく高級そうな菓子なのにな。ちょっともったいない。
     けれど煉獄さんが元気そうだから、とにかくよかった。大怪我した体があるていど回復しても、煉獄さんはたまに哀しい匂いをただよわせていた時がある。それは明らかに傷ついた人が漂わせている匂いだから。ただ、最近は煉獄さんからあまりそんな匂いを感じなくなった。元気になってきたせいかな、と思う。
     最近の任務の話や、伊之助や善逸との笑い話をしていると、床の間に花が飾ってあるのが、ふと目に入った。今の季節によく咲いている向日葵が一本だけ、一輪挿しの花瓶に飾ってある。

    「煉獄さん、向日葵を飾ってるんですか?」

     話が途切れたついでに、俺はなんとなく聞いてみた。それがわりとしおれていて、もう変え時じゃないかというくらい死んだ花の香りが少しだけしていた。

    「ああ、好きな花なんだよ」
    「そうですか」

     知ってたら、さっき外でみつけた大きな向日葵、摘んできたのにな。こんな下を向いてうなだれてるのよりは、もっと元気で大きな向日葵の方が煉獄さんには似合うのに。

    「ちょっとしおれてますね。俺、新しいの摘んできましょうか?」

     ちょっとどころかもう、捨ててもいいような感じだけど、いちおう聞いてみた。けれど、煉獄さんは「いや、いいんだ」と言った。

    「夜に摘まれてきたものを貰ったから、仕方ない。せっかくだからまだ飾っておくよ。朽ちるまで」
     
     柔らかく笑いながら煉獄さんがそう言うから、俺はあとは何も言えなかった。
     そういえば、千寿郎くんが昨日、煉獄さんは夜に出かけて朝に戻ってきたばかりだって言っていたっけ。大人なんだから、誰か好い人でもいるのかもしれない。もしかしたら、その人から貰ったんだろうか。


     けれども。煉獄さんから漂ってくる匂いは、そんな俺の想像とはかけ離れていて、部屋に満ちる花の香りに似て甘くはあるのに、何故だか哀しい匂いも混じっていた。
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    DONE猗窩煉/現パロ
    実家から出て2人で同棲してます。
    ライトな「価値基準が違うようだ!」が書きたくて書いたお話です。
    喧嘩したり家飛び出したりしてるけど内容は甘々。
    「君とは価値基準が違うようだ!!実家に帰らせてもらう!」

    近所中に響き渡る声と共に、騒々しく杏寿郎は出ていった。
    またか、と勢い良く閉められた玄関のドアをぼうっと見つめること10分。リビングの方から間の抜けた通知音が響く。重たい足取りで通知を確認すると、それはまさしくさっき出ていった杏寿郎からのメッセージだった。

    『今日は実家に泊まる』

    …律儀と言うか何と言うか。喧嘩して出ていったにも関わらず、ちゃんとこういう事は連絡をしてくるのだ、杏寿郎は。

    先程までどうしても譲れないことがあって口論していたのに、もう既にそのメッセージだけで許してしまいそうになる。

    駄目だ、と頭を振って我に返る。この流れもいつものことだった。実際、今までは俺の方から折れている。

    杏寿郎と一緒に住むようになったのは一昨年の12月。あれから1年と少し経っているが、住み始めた頃も今も、些細なことで言い合いになって杏寿郎が家を飛び出すという事がたまにある。

    その度に「価値基準が違う!」とか何とか言って出ていくものだから、正直なところ、デジャブの様なものを感じてかなり傷ついていた。

    だが毎回、言い争いの原因は 3534

    ほしいも

    DONE藍色の線と猗窩煉

    ■現代パロディ
    ■恋人で同棲

    タトゥースタジオに行く話しです。
    ファーストタトゥーは二の腕に入れた二本のラインだった。左右の腕に対象に入れた藍色の線がしっかりと定着し、痛々しく見える腫れが引くと、もうこのラインがない体を思い出せないくらいしっくりと馴染んだ。次は腹、胸、腕は二本の線から手首へ向かって縦に走るラインも追加した。
     新しいタトゥーを入れるきっかけは衝動のようなもので、ある時ふと素肌であることに違和感を覚えるというものが殆どだった。風呂上がり、鏡に写る自分の体に未だ入れてもいないラインが見えた気がする、そうするともう素肌のままでいるのが心許ないくらいの違和感があるのだ。

     体にある彫り物全てを任せているスタジオに足を運ぶ。雑居ビルの四階、初めて訪ねた時からずっとエレベーターは故障中のままだ。狭い階段を上る、二つの足音が反響する。
    「君、毎度こうやって体に傷を入れる為に階段を上っているのか。」
    「お前だってつまらない授業のために毎日階段を上っているんだろう?」
    「俺の授業は面白いと結構評判がいいんだぞ。」
     新しくタトゥーを入れようと思う、そう恋人に言うのは初めてだった。付き合い当初、衝動に任せてファーストタトゥーを入れる時も黙っていた。 2552

    kosho_karasi

    TRAINING転生猗窩煉のプロローグ。
    校正してないです。
    「家賃含む光熱費と食費は俺が賄うので、平日の家事全般は君が担当だ。休日は仕事に余裕があるから、俺も多少は手伝おう。ああ、性交渉についてだが……多くても週に二回で頼む。教員というのは基本的に朝が早いから毎晩は付き合えないんだ、可能ならしない方が有難いが、俺の条件を呑んでくれる限りはこちらも応える必要がある。甘んじて受け入れてやる」

     つらつらと、凛とした表情のままおくびもせず言葉を並べる男。金色の髪をハーフアップに束ね、少ない瞬きのまま俺に視線を向けている。
    男の名は、煉獄杏寿郎。俺――素山猗窩座の高校時代の恩師であり、「恋人」である男だ。

    「……なんだその顔は。家事の大半を任された事が不満なのか? その代わり金銭面はすべて俺が責任を負うと言っているだろう。君はまだ大学生なのだし、」
    「いやいや杏寿郎。俺が言いたいのはそういうことじゃない」
    「? じゃあなんだ、その鳩が豆鉄砲を食ったような顔は」
    「――あまりに色気がなさすぎると言っているんだよ杏寿郎!」

     マンションの一室に、俺の悲痛な叫び声がこだました。
     ここは杏寿郎が所有するマンションの一室。正しくは、煉獄家が代々持つ土地の 6585