〜朝からまた変なことを言っている五条の話〜 「僕たち、離れられないんだ……」
神妙な面持ちで、そう告げる五条。
彼の膝には、頭を乗せ寝ている彼女がいて。そんな彼女をそっと撫でては、「ほんと、厄介な呪いだよ」などとバカなことを言っていた。
そんな五条に、伊地知はスルー出来るはずもなく。「は、はぁ…そうですか……」と時間に追われている焦りからか大量に出てくる汗を拭きつつ返す。そして「それ、いつもじゃないですか」と。
そもそも離れられないのは、あなたが彼女を離さないからでは?むしろ呪いはあなた自身じゃ……。と、言いたい気持ちをグッと抑えている。
「あ、あの……そろそろ、時間が……」
「あ"ぁ?」
「ひぃいい、すみません!!!」
もうヤダ面倒くさい。
茶番に付き合ったんですから、今度は私に付き合ってくださいよ……。
なにがなんでも任務をサボろうとする五条に、今度は目から汗が流れる。
すると、
「……ん、ぅ…さと、る……任務……」
彼女が目を覚ました。
まだぽやぽやしている状態だが、それでも任務に行くよう五条に伝えてくれている。
(あぁ、ありがとうございます!!)
神だ、女神だと拝んでいると(心の中で)朝にしては濃厚すぎるイチャイチャを目の前で見せられ一気にゲンナリ。
それでもやっと重い腰を上げてくれた五条に、自分のメンタルは安いものだと無理矢理納得させた伊地知だった。
「ほら、早く行くよ。車まわして」
「は、はぃいいい!!!」
おわり。