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    sena

    絵心が壊滅的なのでスクショくらいしかない。小説しか書けないよ!
    pixiv→https://www.pixiv.net/users/63156921

    アイコンはいらすと.や様よりお借りしました

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    sena

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    支部の下書きからサルベージ第2弾。
    短い話って追加するか悩みますよね。MOTTAINAI精神でこっちにあげてみました。
    つい兄上を台所破壊神にしたがりますが、千くんが風邪引いた時には普通の火力でお粥を作れると思います。火力よりも弟への愛が勝るやつ。

    #杏千
    apricotChien

    今夜はカレーエプロンを身に付け、台所に入る。
    今日は兄上と僕しかいないし、久しぶりにカレーでも作ろうかな。確かさつま芋もあった筈だから、じゃが芋代わりに入れてもいいかも。きっと兄上、喜ぶだろうなぁ。好物を頬張る時の兄を思い出し、くすくす笑いながら棚の中にあるカレールーを取り出そう…として、ふと気付く。あれ、カレールーがない。いつもはこの棚にストックがあって、昨日も夕食の手伝いをした時に見掛けた筈なのに。おかしいな…と振り返ったその先に、兄が立っていることに気付く。その右手に握られた"それ"を目にして、思わず僕は叫んでしまった。

    「あ、兄上…!?何故兄上がカレールーを…?」
    「うむ、偶然今朝見つけてな!」

    今晩、お前に作ってやろうと思っていたのだ。
    にこにこと笑う兄が、意気揚々と台所に入ってくる。カレーを作る前に米を炊かねばならんな!と笑いながら炊飯器を開けた兄の腕に、僕は慌てて縋り付いた。

    「兄上っ!お気を確かに!」
    「俺は至ってまともだ!案ずるな、今日こそ作れる気がする!」
    「ぜ、前回もそう仰っていましたよ!」

    僕を腕にぶら下げたまま、兄は拳を握って任せろ!と笑うが、何一つ安心できない。前回もそう宣言した後にコンロを全焼させ、危うく火事になるところだった。結局は兄が鎮火してくれたけど、コンロは暫く使えなかったし、ご近所さんには「何だか焦げ臭いですね」なんて笑われるし、もう思い出すだけで頭が痛い。兄上、いいのです。僕に料理を作ってくださろうとする、その気遣いだけで千寿郎は涙が出そうです。お願いですから火は使わないで!そんな切実な願いも空しく、僕の体はふわりと宙に浮いた。気付いた時には兄の腕に抱えられ、そのまま台所の奥まで連れて行かれる。そしてコンロの前に立ち止まったところで、僕は兄の意図に気付いてじたばたと暴れ出した。

    「こら、暴れるんじゃない。危ないぞ」
    「だ、駄目ですってば!コンロは駄目です!」
    「うむ!俺は使えないから、」

    お前が代わりにつまみを捻ってくれ。
    コンロに目線を落とし、万事解決!といった顔をしている兄に脱力する。兄上、そういうことじゃないです。以前コンロを焦がした時、父上は兄上にコンロ使用禁止令を出した。焦げ臭い台所で『頼むから一人でコンロは使うな…』と項垂れた父の言葉を、兄はどう曲解したのだろう。僕がコンロのつまみを捻ったところで、兄上は火力が足りんな!なんて言って勝手に火力を上げるのに。前回もそれで料理もコンロも黒焦げになったのに。

    そう言って、兄を止めたかったけど。器用にも僕を抱えたまま野菜を取り出す、兄の横顔が優しくて。本当に僕に作ってあげたいんだな、と思うと不覚にもぐっと来た。その気持ちは分かる。僕も兄上に美味しい料理を作ってあげたいと思うから。脳裏に項垂れた父上の顔が浮かんだが、楽しそうな兄を前にすると自然と僕が折れていた。

    「…勝手に火力、上げませんか?」
    「あぁ!今回はお前の火加減に任せる!」
    「その台詞も前に…まぁ、分かりました」

    不穏な言葉に少し嫌な予感がしたけれど、兄の熱意に圧されて僕は頷いた。何も兄は料理が苦手な訳じゃない。野菜を切るのだって上手だし、味付けだって至って普通で美味しい。ただただ、火加減が出来ないだけだ。そこをコントロールしてあげたら、案外美味しい料理が出来るかも。そう自分を納得させ、僕は冷蔵庫の上を指差した。今日はさつま芋も入れませんか、そう提案した時の兄の笑顔が眩しくて。料理っていいなぁ、なんて改めて思った。


    おしまい

    今夜はカレー
    (今日は腹が減ったな!ルーは全部使おう!)(あはは、兄上そればっかり)



    台所破壊神な兄と、台所最終防衛ラインな千くんが書きたかった。
    多分普段は千くんがカレーを作るのを、後ろから見守るのが兄上の仕事。千くんが『今日は何人前にしますか?』って聞いたら、兄が『今日は腹が減ったから、全部入れてくれ!』って返すのが定番のやり取り。兄が殆ど食べると思いきや、三分の一は千くんのお腹に入る。食べ盛りだからね。
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    ☺🍛🍛🍛🍛🙏🙏🍛🙏☺☺☺☺
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    sena

    DONE呉秋さんの素敵な結婚❤杏千ちゃん絵に悶絶し、意味の分からない話を書いてしまった😄(何故なのか)

    とりあえず勢いで書いたので、支部に上げる頃にはもうちょい加筆修正(+設定)したい。
    何がどうなったか不明ですが、杏千(+愈+珠)という謎メンバーです。多分杏千ちゃんパートより二人のパートの方が長い。正直タイトルは思いつかなかったのですが、愛だけは込めました!
    Look at me!赤と白のタキシードに身を包み、鏡の前に立ってみる。…やっぱり、こっちの方がいいかな。元々宛がわれていた白のネクタイを外し、候補の一つとして用意されていた蝶ネクタイに手を伸ばした。

    「…うん、これにしよう」

    白も悪くないけど、この紅白のタキシードには赤い蝶ネクタイの方が合っている気がする。初めて身に付ける蝶ネクタイに悪戦苦闘しながらも、何とか結び終えたリボンは少し不格好だ。…人のネクタイを結ぶのは得意なんだけどな。若干歪んだリボンを直しながら、毎朝の光景を思い出して、僕は鏡越しに笑ってしまった。

    ――さて、話は数十分前に遡る。
    折角の休日だからとドライブに出掛けた僕たち兄弟は、都心から少し離れたこの場所を訪れていた。広大な土地に慎ましく建てられた建物は、兄曰く『写真館』らしい。そして殆ど説明のないまま車は止められ、僕が状況を飲み込めずにぽかんと呆ける中、兄が笑ってシートベルトを外してくれた。ほら、と優しく手を伸ばされ、掌にそっと手を重ねる。幼い頃から何度も繰り返された、僕たちの儀式みたいなもの。キリッと上がった眉と目尻が少しだけ下がって、重ねた掌を柔く握られる。そしてそのまま立たせてもらい、僕たちは少し離れた場所にある写真館へと歩き出した。
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