七海に色んないたずらをして、時には七海からもされて。
僕的には結構仲良くなった自信はある。でも、僕が死んでからは七海は冗談は言っても誰かにいたずらするというのは見なかった。
だから、今日は七海にいたずらしようと思います!!
近くに居た天内さんに協力してもらって、五条さん達と残された皆のことを大きな画面で見ている七海の後ろ姿にゆっくりと近寄っていく。
手を伸ばせば届く距離に来たら、大きな一歩で距離を詰めて七海の目を両手でしっかりと隠す。その時に天内さんに合図して、頼んでおいた事を言ってもらう。
「だーれじゃ!!」
このいたずらに気付いた五条さんと夏油さんが声を殺しながら笑っているのを見て、僕も少しだけ笑って七海が困ってる姿を見ようかと前を向いたら、優しく手を撫でられた。
「天内さんまで巻き込んで、ずいぶんと可愛らしいいたずらをしますね」
「なぁんだ。僕だって気付いてたんだ」
予想をしていた反応とは違って、七海は特に驚いた様子もない。
少しだけつまらなくて、手を離そうとしたら、指の間に七海の指が入り込んで、恋人繋ぎのようになって動けなくなる。
「ちょ、七海!?」
「見た目は同い年でも、中身は成人男性ということをお忘れなく」
繋いだ手を引いて、手の甲から唇をすべらせていく感覚と僕を見る七海の目に体の奥から熱が湧き上がる。僕はその沸き上がった熱の意味が分からなくて、一気に頭の中が真っ白になった。
「な、な、ぇ・・・・!?」
「そんな可愛らしい反応をするんですね。もう少し早めに手を出せばよかった」
最後に手首に口付けて離す七海の声は楽しそうで、いたずらした僕がいたずらされた側になったようになった。
「なんじゃ・・・・お主ら、付き合っておったのか?」
「つ、付き合ってない!!」
「私の片想いです」
「はぁ!!??」
僕が死んでからの七海は、今まで誰かにいたずらしなかった反動で僕に怒涛の勢いでいたずらしてくるようになった。
「片想いは本当ですよ」
「それさえ嘘だったら僕泣くよ!?」
「それ、君も私が好きだったと言ってませんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」