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    nononoko1996666

    @nononoko1996666

    七灰が好きです。(灰七も好き)
    短編、前置き長めです。
    よろしくお願い致します。

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    nononoko1996666

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    怪我した灰原と、それを世話する七海の話。
    まったくエロくはないですが、七海が灰原の体に触っているので要注意です。
    付き合っていません。

    看病する七海を書きたい!と思っていたら、ただ脱がしてるだけの話になってしまった…。

    #七灰

    その理由外から聞こえる雨音はだんだんと激しさを増し、部屋の大きな窓も、カタカタと揺れはじめていた。

    「すみません、これしか用意がなくて…」

    「いえ、助かります」

    「ありがとうございます!一晩だけだし、大丈夫ですよ」

    補助監督が申し訳なさそうに、タオルと氷のうを七海に渡す。
    任務後に台風が直撃し、更に補助監督の車が土砂に流され、乗っていた補助監督を庇い、灰原が右手を痛めるという重なり過ぎる不幸が襲った。
    高専の迎えは早くても明朝だという連絡があり、辛うじて3人は近くにあった山小屋に避難したのだった。

    ベットに座っている灰原は顔こそ平然としているが、破れた制服から覗く右手首は肘にかけて赤く腫れ上がっている。
    見るからに痛々しい様子が伺えるが、若い補助監督に心配をかけまいと左手を上げ微笑みかけた。

    「また明日、よろしくお願いします!」

    「何かあればすぐに言って下さい。隣りの部屋で寝ていますので」

    部屋の重いドアが完全に閉まるのを確認すると、七海は灰原の前に跪き、淡々と話し出した。

    「まず、本当は傷口は洗ったほうが良いのですが、もう夜も遅いですし、シャワーは我慢して下さい。私がタオルで体を拭くので、それから氷のうで冷やしてから休んで下さい。…あと私のシャツで申し訳ないですが、これだけ濡れずに済んだので」

    「七海、僕は良いよこのままで!冷やしてれば楽になるし、七海は無傷なんだからさ、シャワー入っちゃって」

    「……それは、」

    「このまま寝ちゃえば、すぐ明日になる」

    「………」

    「今日は散々だったね。まさかあの祓った呪霊、元々は雨の神様を祀ってた祠がもとだったらしいし」

    「………」

    「あの、七海さーん?」

    「………」

    無言で灰原の顔をじっと睨むように見詰める七海に、灰原は戸惑うばかりである。

    「(僕、何かした?)」

    「灰原」

    「な、なに?」

    黙ったままの七海が急に立ち上がり、灰原を見下ろす。

    「(こわ…)」

    下から見上げる七海の眼光は鋭く、おもわず灰原は身を縮こまらせてしまう。

    「私の前で、痩せ我慢はしないで下さい」

    「で、でも、」

    「なんです?」

    「自分で拭くから、タオルだけ用意してほしいなーなんて…」

    「駄目です」

    七海は灰原の前にもう一度跪き、目線を合わす。

    「何で?」

    「まず怪我人は大人しくしてほしいのと。利き手ではないのでやり辛いと思います、あと」

    「あと?」

    「…私が、貴方の世話をやきたいのです」

    「えっ?」

    七海は普段、人の世話をやくタイプではない。寧ろ面倒なものは避け、冷静に分析し、行動している男だった。

    「駄目ですか?」

    そんな彼が、目尻を下げ心配そうに灰原を見上げているのだ。

    「……いいけど」

    七海から向けられる温かい視線に、照れているのを悟られまいと顔を背け、灰原は小さく頷いた。

    「では灰原、とりあえず全部脱いで下さい」

    「えっ?ぜぜぜ全部??」

    「はい」

    「そんな真顔で言われても。…パンツも?」

    「パンツは………まあいいです」

    「そうだよね(良かった、って当たり前だよ!)」

    破れた学ランを脱ぎながら、七海の視線が自身の右足におかれていることに気付き、ピタリと動きが止まる。

    「灰原、貴方右足も、痛めましたね?」

    「ええええと。少しだけだよ!歩いても、い、痛く…ないし」

    本人は誤魔化しているつもりだが、分かりやすく目が泳いでいる灰原に、七海は深い溜息をついた。

    「貴方って人は本当にっ」

    「いたっっ!!」

    灰原の右足首に、七海は自分の右手をそっと重ねた。ズボンの裾からのぞく足首は、手首同様、赤く腫れ熱を持っていた。

    「いっ」

    「やっぱり、…大丈夫ですか?」

    「う、うん平気だよ」

    「脱ぐの、手伝います」

    「それはちょっとなんか、恥ずかしい」 

    「………」

    「七海?」

    「そ、うですね」

    しかし七海は、素早く灰原のズボンに手を掛けると一気に足元まで降ろした。

    「わわわわわっ」

    大声を出し動揺する灰原をよそに、七海はカバンの奥からバスタオルを引っ張り出し、灰原に手渡した。

    「冷えるので、これを」

    「…あ、ありがとう」

    腹部にはバスタオルが掛かっているとはいえ、上半身はほぼ裸である。
    何故だか泣きたくなった灰原は、七海にされるがまま、ズボンが脱がせやすくなるよう、踵を軽く上げた。


    ✳✳✳


    「痛っ…」

    「すみません、もう少しで終わります」

    腫れている部分は避けてはいるが、小さな傷はいくつもあり、軽くタオルで押し当てただけで、灰原の体が揺れた。

    「七海、もう、大丈夫だから」

    怪我の痛みだけではなく、灰原は七海に触れられた場所が熱くて仕方ない。
    いくら普段、寮の浴場でお互いの裸は見慣れているとはいえ、灰原は出来るならこの場から一刻も早く逃げだしたかった。

    ふと自身の日焼けした肌と、七海の掌の白さとの違いに驚き、肩をそっと撫でられただけで、声を漏らしてしまう。

    「うっ…」

    「まだです」

    「もっ、いいからっ」

    恥ずかしさが限界に達し、七海の体を押そうにも、力が抜けてびくともしなかった。
    熱が顔まで上がり、つい大きな声を出してしまう。

    「灰原?」

    「ねぇ、七海。今日は、なんか積極的って言うか。…どうしたの?…いつも僕が後ろから抱きついたりしたら、怒るじゃん…」

    「………」

    今度は七海が顔を真っ赤にさせながら、目線を落とす。そして灰原の耳元で、低く囁いた。

    「こうでもしないと、灰原に。…触れられないと、思ったからです」
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    Replies from the creator

    nononoko1996666

    MOURNING呪詛師灰原②(前の話とはまったく続いていません)。
    自分に出来ることを精一杯やっていたら、呪詛師になってしまった灰原。呪術師の七海は灰原くんの邪魔ばかりしてる。
    明るい灰原くんはいません。酷い灰原くんはいます。
    あと激重七海はいます(七海視点)。

    別に灰原くんに呪詛師が似合うとかじゃなくて、完全な私の趣味です!書きたいとこだけ!
    暗転「………ぁ」

    「灰原っ!!!」

    必死に腕を伸ばすも届かず、名前を呼ぶことしか出来なかった。
    一瞬にして鉄骨が崩れ落ち、コンクリートの破片が辺り一面に飛び散る。
    灰原と依頼主が中に取り残されてしまい、焦りながら私が鉈を必死に振りかざしている間に、もう一人の依頼主が居なくなっていた事に気付けなかった。

    「どうか、生きていてくれ…」


    ✳✳✳


    縋るような灰原の泣き顔を、初めて見た。
    見開いた瞳からは止めどなく涙が流れ、腕に抱えている依頼主を見詰めている。

    「ねぇ、…あの当主って言ってた人、この子置いて逃げたんだ。…ねぇ、どうしてかな?」

    「考えるな灰原、こっちへ来い…早く」

    今回は嵌められたのだ。私達はあの当主という男に、2級に依頼する任務にしてはおかしいと感じていたというのに。
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